気付いたら勇者に倒されていた件 １０

　現実世界に居場所を無くした男子高校生の俺が、ある時異世界に転生、魔王の四天王の１人としての生活が始まる。元々の正義感と優しさは持ったまま、魔神エボニアムとしての魔法の力と身体能力を駆使し、"魔大陸"の各所を巡って弱い者が一方的に虐げられる場面を打開して来た。
　だが、魔大陸に於いて"弱い者"である人族が魔族から差別的な扱いをされる根本には魔王様の考えが反映されている、という結論に達した俺は、直談判をするべく魔王様のおわす魔王直轄領へと足を踏み入れる。
　グランドドラゴンのジュウベイを伴いやって来た魔王殿で捕らえられた俺は、同じく幽閉されていた動かぬ"棺の中の神様"を伴い脱獄、勇者パーティーの元に彼を託し、一旦自分の国へ戻るが、そこで俺とは逆に元の俺の身体を被ったエボニアムの精神体、"真エボニアム"と対決する事になり、そこで或る悲劇が起きてしまう。
　その後同じ四天王のビオレッタやジン・レオンも加わり魔王殿に取って返すが、魔王様とは会えず、代わりに元々のエボニアムの"正体"を知る事になる。
　俺達は今度こそ魔王様と会う事が出来るのか、エボニアムの"正体"との対峙は、勇者パーティーとの和解は、そして、最後に俺の居場所は出来るのか？