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ミツバチ幼稚園の悪夢

 マルチーズの女の子のレモンと三毛猫タロウの2人は、ミツバチシティの中央通りを歩いています。どうやらこの通りを見てみるとハチミツ屋さんばかりです。レモンは言いました。


「やっぱりミツバチシティなだけあって、どこもハチミツ屋さんばかりね。」


ハチミツ屋通りを抜けるとレモンとタロウの2人が歩いていると目の前にミツバチ幼稚園が見えて来ました。レモンはミツバチ幼稚園の看板を見ると途端に懐かしい気持ちになります。


「このミツバチ幼稚園もね、私が幼稚園生の時にお泊まり保育に遊びに行った幼稚園だからとても良く覚えているのよ。

タロウ君も一緒に入ろう。」


「うん。良いけど、へえ、ここで遊んだんだ。そういう一瞬しか来てないけど、楽しく過ごした幼稚園って思い出深いよね。」


レモンはピンポンとインターホンを鳴らします。するとインターホンから声が聞こえます。


「はい。」


「あのボランティアで来てるレモンです。」


「あら、いらっしゃい。」


女性の園長先生の声です。幼稚園のドアが開くと出て来たのは、女性のサイの園長先生でした。先生はレモンの方を見るとニコニコと笑いながら近付いて来ます。そしてゲートを開けました。


「レモンちゃん、お久しぶりね。また遊びに来てくれるなんて嬉しいわ。今日はゆっくりうちの園児の子達と遊んで行ってね。今日は55人いるのよ。結構大人数で賑やかだけど、楽しいと思うから。あ、それからこちらの男の子は?」


「お久しぶりです。先生。ありがとうございます。あ、友達のタロウ君です。」


2人は園内に入ると教室に案内されました。ミツバチ幼稚園では園庭で遊んでいる子供達と教室内ではしゃぎ回っている子供達が多数見られます。2人が案内されたのはミツバチ幼稚園の2階の教室です。先生に案内されて教室の中に入ると年中の園児達が遊び回っています。園児達は、教室内にはしゃぎ回っていましたが、レモンとタロウが入った瞬間に2人の方にやって来ました。


「レモンお姉ちゃんだ。おはよう!また来てくれたの?遊ぼう!」


「セイラちゃん、おはよう。元気だった?一緒に遊ぼうか?何して遊ぼうっかなあ!」


話しかけてくれたのは綺麗な黄色の色をしたネコの女の子のセイラです。セイラはおままごとを出して遊び始めます。

おやどうやらケーキ屋さんでしょうか。ケーキの形をしたおままごとやおや白ご飯、エビフライなんかもあります。レモンは料理を待っている家族という設定です。


「晩御飯が出来ました。白ご飯に、お魚、ケーキ、エビフライもありますよ。」


「はい!うわぁぁ!美味しそうだねー!頂きます。もぐもぐ。」


レモンは食べる真似をします。でも不思議です。作り物であるにも関わらず不思議と味が口の中に広がって来ます。

そんな時、セイラのお友達がやって来ました。レッサーパンダの双子の女の子、ミナとリナです。ミナとリナも2人でおままごとで一緒に遊びました。


「レモンお姉ちゃんのここに色々と付けちゃうよ。レモンお姉ちゃん、くすぐり弱いから、リナもお姉ちゃんのどこが弱いか知ってるもんね。」


「うん、脇が弱いんんだよ。後、足の裏も。」


そう言うと、ミナとリナはレモンの足の裏と脇をくすぐり始めました。すると他の園児達も一斉に集まってレモンの事をくすぐり始めます。レモンは面白おかしく笑いながら楽しく過ごしています。そんな中外で遊んでいたタロウはくすぐられているレモンを見て大笑いをしました。

クマの男の子のミケとそのお友達が、タロウの方にやって来ました。


「タロウお兄ちゃん、もしかして将来レモンお姉ちゃんと結婚するんじゃない?」


「うん、するかも!でもその前に付き合っちゃうかも!!!」


ミケのからかいにタロウは乗りました。非常に楽しく愉快に乗りましたが、その言葉が聞こえたレモンには恥ずかしく聞こえてしまいます。レモンは、顔を赤くして言いました。休憩時間になりました。レモンとタロウは、教室を出て2人で外へ歩いています。


「もうタロウ君、なんであんな恥ずかしい事言ったのよ。」


「冗談だよ。あのミケって子が、言うからしょうがなく乗ってあげただけだって。でも良かったよ。レモンちゃんが久しぶりに楽しそうに遊んでいる所を見れたから。」


レモンとタロウの2人は園内に戻ると絵本の読み聞かせやお遊戯会を見ています。そんな中、レモンは園内のトイレに向かいます。トイレで用を足していると後ろから気配がします。そこにいたのはマロンです。


「あんた、いつのまにそこに?よくも、ここに来たわね!!」


レモンはマロンを押さえつけようとしました。だが、マロンはレモンの腹を殴り付けたのです。マロンの放った強烈なパンチによりレモンはその場に倒れました。マロンはレモンが気絶する所を見ると、突然笑い出したのです。そして催眠をレモンにかけると言いました。


「このミツバチ幼稚園はあんたの起こした放火によって地獄となる。うふふ、立ちなさいよ。レモン、あんたはもう終わったんだから。」


するとレモンは立ち上がりました。バッグの中からガソリンが入ったポリタンクを何個も出しました。そこに彼女の意識はありませんでした。レモンの手にはガソリンが入ったポリタンクがあります。レモンは、バッグの中にポリタンクをしまうと静かに歩き出しました。バッグを誰もいない教室に置いたのです。廊下を出て、教室に入ります。レモンはタロウに言いました。


「タロウ君、良いよ。私もっとここで遊ぶから、タロウ君はもう帰って。」


「え?なんで、どうして?」


「良いから!!!」


レモンの口調は強くなりました。そして、その言葉通りにタロウはミツバチ幼稚園を離れました。その隙を見て、レモンはバッグから謎のスイッチを押します。それはマロンが用意した時間止めスイッチでした。時が止まると、レモンはバッグからガソリンをばら撒き始めました。幼稚園の至る所にガソリンを撒きました。そして幼稚園の入り口の隅々までガソリンを撒くと、バッグから火炙り機を出しました。そして幼稚園に火を放ったのです。あっという間に火は燃え広がった瞬間にレモンは、時間止めスイッチを解除しました。

その瞬間、ミツバチ幼稚園は大爆発を起こしました。建物は全焼してあっという間に火の海に包まれました。

だがその瞬間にレモンの催眠が解けたのです。ハッと、レモンは気が付きました。火事が起きた事に気がついた、住民が出てきました。



「おい火事だぞ!くそ、ミツバチ幼稚園でだ。なんで?」


タロウも慌てて、やって来ました。そしてレモンを見つけました。


「レモンちゃん!大変だよ!また火事だよ!火事が。レモンちゃん、どうしたんだよ。レモンちゃん、なんだ、この匂いってまさか?」


「私がやったの。それでこの幼稚園に放火した。だから、私が、放火魔なの。」


「嘘だろ!何を言ってるんだよ。レモンちゃんがそんな事する訳ないよ。きっと何かの間違いだよ。レモンちゃんは殺しをするような子じゃないって僕は分かってる。そんな子じゃないんだよ。」


「いやぁぁぁぁ!!!!!!」


レモンは夥しく絶叫します。絶叫するレモンをタロウは優しく抱きしめます。

そしてこの悍ましい惨劇により、園内にいた55人の園児が焼死したのです。園児達は逃げ出す事が出来ず、火の中で焼かれてしまいました。レモンと一緒に遊んだセイラ、ミナ、リナ、ミケも含めて。ミケは、セイラとミナ、リナを守るようにして亡くなっていました。だが、その姿は変わり果てており、襲いかかる炎により全身は焼けてしまっていたのです。消防車により必死の消火活動を行いましたが、それも虚しく。タロウはレモンに言います。


「レモンちゃん、逃げるんだ。この先にはホワイトシティがあるんだよ。そこだったら、きっと何とかなる。」


「タロウ君、もう良いよ。十分だよ。だから、何とかしよう。」


その時、突然、レモンにテレパシーでマロンの声が聞こえました。その声を聞くとレモンは震え上がりました。


(ホワイト幼稚園に来なさい。そこで最終決着を付けるから。)


「今マロンの声が聞こえた。ホワイト幼稚園に来なさいって。

タロウ君、ありがとう。今まで私と一緒に旅をしてくれて。私1人で肩をつけるから。」


するとレモンはタロウの前から姿を消しました。レモンは時間を止めるスイッチを押します。そして、タロウが止まっている様子を見かけたレモンは、ミツバチシティを後にすべくその場から立ち去りました。時間停止の能力が切れた時には既にレモンの姿は見えなくなってしまいました。タロウは、必死に叫びました。


「レモンちゃん!」


そしてこれが最後の別れになってしまったのです。







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