キャロピィ
三毛猫のタロウとマルチーズのレモンは、次なる町であるトンボシティを目指しています。トンボシティは航空博物館があり飛行機が展示してあるのです。その動中に不思議な畑に辿り着きました。
にんじんの妖精や大根の妖精が野菜を収穫しているではありませんか。レモンちゃんは畑の方へと走って行きました。
「見て見て、タロウ君。にんじんの妖精ちゃんだよ。可愛いよね。妖精ちゃんなんて名前かな?」
「うわぁ、凄いね。めちゃくちゃ可愛いじゃん。僕もこんなの初めて見たよ。頑張って畑で作っているんだね。」
「私達の名前はキャロピイです。大根の妖精の名前は、ラディピイです。」
「「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ」」
キャロピイは可愛らしい声を上げながら人参を収穫すると、かごに入れていくのでした。人参は泥が混じっていましたが長い時間を掛けて育った為に実は塾してオレンジ色に輝いていたのです。キャロピイのうちの4匹は水栓を捻ると一気に水が流れていきます。水で綺麗に人参を洗っていくのです。
人参の泥が水に流れていくと綺麗に現れた人参を見たレモンは感動したのです。
「見て、収穫したての人参ってこんなに美味しそうなんだね。なんか料理して食べたいなあ。キャロピイちゃん達に言ったら何個かくれないかな?」
「良かったらどうぞ食べてください。」
「まあありがとう。」
そう言うとキャロピイの1匹が収穫した人参を料理してその人参にドレッシングがかかっています。レモンは温人参がとても大好きなのです。レモンはお皿に乗っかった人参を食べ始めました。甘い人参の味が口いっぱいに広がって行きます。タロウも人参を一緒に食べます。おやどうやらタロウの味には合わなかったのでしょうか。タロウは苦笑いをしながら美味しい振りをしました。
「うん、味が甘くてとても美味しいね。妖精さん達が作っただけあって全体に味が染み込んでいるよ。」
するとレモンはタロウの耳元に囁きました。ヒソヒソ声で話しかけます。
「もしかしてタロウ君って人参苦手なの?」
「うん、実はね。苦手な野菜なんだ。」
タロウは小さい声でキャロピイ達に聞こえないように話しました。するとレモンは言います。レモンもヒソヒソ声で耳に口を当ててタロウに言います。
「私はそんな事ないけどなー、生の人参は確かに苦手って感じる事あるけど、野菜は似たり焼いたりしたら美味しくなるよ。お母さんも料理作るの美味かったんだよ。特に野菜炒めや肉じゃが本当に美味しかったなあ。」
今は亡くなってしまったバレンシア(母)が作ってくれた料理を思い出す事しか出来ません。キャロピイ達は今までも旅で起こった辛い出来事を忘れさせてくれる癒しの存在なのでしょうか。レモンとタロウはキャロピイ達と一緒に遊び始めます。2人は仲良く
そんな中木の影から見つめるマロンの姿がありました。
マロンはニヤリと笑うと恐ろしい計画を考え始めるのでした。
「へえ、レモン、あんた、ゴミの癖に、寄生虫のカス野郎が、たかが人参の妖精如きに感動するなんて、所詮、ゴミはゴミか。ははは。良いじゃん。じゃ第2のゲーム開始って所かな。」
その日の夜キャロピイ達が寝静まった畑にマロンはガソリンをかけて火を付けたのです。あっという間に火は燃え広が畑は火事になりました。次の日の朝、レモンとタロウが畑に行くとそこには黒焦げに焼けてしまったキャロピイ達が変わり果てた姿で横たわっていました。昨日美味しい人参を作ってくれた野菜の妖精達は皆んな死んでしまいました。
「なんで、どうしてなの?酷いよ。どうしてこの子達が死ななくちゃならないのよ。もうあんまりだよ。お母さんも死んじゃって、旅先で知り合った友達も死んじゃって、皆んな私のせいで死んだようなものじゃない。誰がキャロピイちゃん達の畑に火をつけたの?許せない。絶対に。」
タロウはキャロピイを放火した犯人が誰だか検討がつきませんでした。キャロピイと一緒に遊んでいたと言う事を知っている動物による犯行なのか。一体誰がこの事件を起こしたのでしょうか。まさかと思いますがタロウは自分の考えを明らかにしました。
「レモンちゃん、マロンが起こしたんじゃないか?あいつはレモンちゃんを散々いじめて来たじゃないか。わからないよ。万が一って言う可能性もあるし。」
「マロンが私への見せしめに放火をしたって事?もしそれならあいつは放火魔って事じゃん。そんなマロンは確かにいじめてくるけど、もしそうだとしたら。」
不穏な空気が漂う中、レモンとタロウの2人は途方に暮れていました。2人の心の奥底は喪失と悲しみが同時に湧いています。とりあえず次の街であるトンボシティに向かえば、他の動物達もいるしトンボシティには宿があるでしょう。トンボシティにある宿に向かえば少しは気持ちの整理が着くのでしょう。トンボシティには近くに空港があり、トンボシティ内にはトンボランドと言う遊園地があるのです。しかしトンボランドに行く気持ちが起きず。レモンはタロウに言いました。
「タロウ君、今日はちょっと悲しい気持ちになっちゃったから、楽しい気持ちになりたいなぁ。トンボランドのアトラクションにでも乗ろう。」
「良いのかい。うん。レモンちゃんの言う通りにしよう。」
だがこの後恐ろしい悲劇が襲う事を2人は知る由もありませんでした。




