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2.班長


 2.班長


 


 そうして、ジョーからきいたこどもの『はこび先』は、自分が仕事で属する警備官A班の班長チーフの家で、こどもの面倒をみるのは、そこに住む班長の婚約者である男のレイであるとつげられたときは、頭痛がはじまりそうだった。


「 ―― なんで、レイなんだよ?」


「 《 おれの希望だ 》 」


「・・・おまえ、レイに触られてへいきなのか?」


「 《 おれを そのへんの下級な鬼といっしょにするな 》 」


 そういって、背中の小さな黒い羽をはばたかせた。


 『死者の休日祭り』にむけてのこどもたちは、なぜか、つのや尻尾をつけはじめる。きいたはなしでは、『死者の休日《前》祭り』という名目で、どこかの子供服ブランドが《墓守はかもり》である鬼の、角や尻尾、羽のついた服を売り始め、それが人気となっているらしい。

 なにしろ、死者の休日祭り当日は、異教徒の死者の死に装束である、白い布を普段の服の上にだらりとまとうだけなのだ。なかには布を工夫をこらした白い服を着るこどももいるが、せっかくの『祭り』なのだから、楽しい恰好をしたいと思うのはしかたがない。


 だが、ウィルがいま『だっこ』しているこどもの羽は、どうみても、背中からじかにはえている。


「 じゃあ・・・カラスの親戚か? 」


「 《 魔法つかいの下僕など 親戚におらぬわ 》 」


 なかなか調子いい会話がはずみ、(ジョー・ジュニア希望により)利用した地下鉄の駅をあがったところで、抱いていたこどもがからだをこわばらせて、ちいさな顔をウィルの肩にくっつけた。

 どうした、と聞くより前に、鬼より鬼っぽいと(班内での)評判がある、A班の班長が登場したのだった。



 むこうから人波にのってこちらに歩いてきた男は、まるでこっちをみておらず、そのまま通り過ぎるかとおもったのに、おいウィル、とすんぜんで名をよび、街灯の足元によびよせた。



 ―――――


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