プロローグ
趣味で投稿します。初めて小説を書いて投稿するので、拙い所もあるかと思いますが、精一杯執筆しますので、よろしくお願いします。
初夏を過ぎ、蒸し暑い空気と真夏の気温のせいでただ暑くて暑いと思った中学二年のとある日の放課後。考えなしに教室から中庭を見ていた時に花壇があることに初めて気が付いた。『美化委員が定期的に世話をする』なんて先生が言っていたような気がする。
しかし、花壇を見る限り長い間手入れがされていないように見える。そこに植えられているみたこともない花が気付いてくれと訴えているように輝いて見えた。
普通の人なら何も見ていないようにこのままスルーすると思う。しかし、ほんの出来心で世話をするようになった。思えば何故自分が手入れもしなくてもいいのに世話をしたんだろう思ってしまう。そして世話をし続けて中学三年になったある日のこと。
いつものように世話をしようと思い、花壇に向かうとそこには荒れ果てた花の姿を俺は目にした。花は食いちぎられており中には根元までいかれているものもある。しかし、土は少ししか掘り返しされていないし人が荒らさしたと考えると妙にぎこちない。
カラスか何かの仕業だろうと手持ち無沙汰にどうしようかと考えていた。
何をどうすれば良いのか分からず、とりあえず先生に明日にでも報告をしといた方がいいと思った。
だが、花壇の存在を知っている生徒なんていないだろうと決めつけて、後回しにしたのが間違った判断だったと今でも思う。
翌日の朝、いつも通りに教室に入っていくと、一部の人はいつも通りだが、まるで顔に変なものがついているみたいに周りからの視線が気になった。
違和感を感じ、そのまま迎えた放課後、先生に花壇が荒らされていた事を報告しようと思っていたが、逆に先生から呼び出された。
ついでに花壇の話もすればいいかと思い、どういう理由で呼び出されたのか考えていたが、呼び出された理由がまさかの花壇のことについてだった。
先生曰く、放課後に他クラスの生徒が俺が花壇を荒らしているように見えたらしい。朝教室に入った時に変な視線を感じたのはこのせいだと納得した。俺はある程度の期間だが毎日手入れしていたこと。そして、花壇が荒らされているのを見つけたことを説明して先生は俺が花壇を荒らすようなことをするはずがないと理解してくれたが、当然言い訳にしか聞こえない理由を一部のクラスメイトは納得していない様子だった。
花壇荒らしを疑われて以来俺は放課後に花の世話に行くことはなくなった。
クラスの人らの視線は徐々にマシになったが、特に一部の女子からは変な目で見られることに変わりはない。もう一度花壇に行けば荒らしの疑いをかけられるかもしれないし、行かない方が賢明と思った。
ある日の放課後、ふとあれから花壇はどうなっているのだろうと思い、ちらっと教室から見下ろせば、黙々と世話をしている一人の女子生徒が見られる。
この時は美化委員が世話をしているのだろうと思っていた。しかし、実は全く関係のない人がしていたことがある時の放課後に分かった。
家に帰ろうと思いトイレから教室に戻ろうとした時、教室で女子が会話が廊下に漏れていた。
俺は咄嗟に隠れて教室の様子を見て、旭ヶ丘日和がいることに気が付いた俺はドキッとした。綺麗な長い髪、大きな瞳、非の打ち所がないような立ち振る舞い。まるで物語に登場する文学少女のような容姿。中学2年の時から同じクラスになって可愛いなと思っていたのは確かだが、当然話したことなんて一回もなく、自分から歩み寄ろうとする勇気も無かった。だが気になっていたのもあり、俺は話の内容が聞こえるように教室から見えない場所に隠れながら話を聞いた。
『陽和が花壇の世話なんかしなくてもいいって!』初夏を過ぎ、蒸し暑い空気と真夏の気温のせいでただ暑くて暑いと思った中学二年のとある日の放課後。考えなしに教室から中庭を見ていた時に花壇があることに初めて気が付いた。『美化委員が定期的に世話をする』なんて先生が言っていたような気がする。
しかし、花壇を見る限り長い間手入れがされていないように見える。そこに植えられているみたこともない花が気付いてくれと訴えているように輝いて見えた。
普通の人なら何も見ていないようにこのままスルーすると思う。しかし、ほんの出来心で世話をするようになった。思えば何故自分が手入れもしなくてもいいのに世話をしたんだろう思ってしまう。そして世話をし続けて中学三年になったある日のこと。
いつものように世話をしようと思い、花壇に向かうとそこには荒れ果てた花の姿を俺は目にした。花は食いちぎられており中には根元までいかれているものもある。しかし、土は少ししか掘り返しされていないし人が荒らさしたと考えると妙にぎこちない。
カラスか何かの仕業だろうと手持ち無沙汰にどうしようかと考えていた。
何をどうすれば良いのか分からず、とりあえず先生に明日にでも報告をしといた方がいいと思った。
だが、花壇の存在を知っている生徒なんていないだろうと決めつけて、後回しにしたのが間違った判断だったと今でも思う。
翌日の朝、いつも通りに教室に入っていくと、一部の人はいつも通りだが、まるで顔に変なものがついているみたいに周りからの視線が気になった。
違和感を感じ、そのまま迎えた放課後、先生に花壇が荒らされていた事を報告しようと思っていたが、逆に先生から呼び出された。
ついでに花壇の話もすればいいかと思い、どういう理由で呼び出されたのか考えていたが、呼び出された理由がまさかの花壇のことについてだった。
先生曰く、放課後に他クラスの生徒が俺が花壇を荒らしているように見えたらしい。朝教室に入った時に変な視線を感じたのはこのせいだと納得した。俺はある程度の期間だが毎日手入れしていたこと。そして、花壇が荒らされているのを見つけたことを説明して先生は俺が花壇を荒らすようなことをするはずがないと理解してくれたが、当然言い訳にしか聞こえない理由を一部のクラスメイトは納得していない様子だった。
花壇荒らしを疑われて以来俺は放課後に花の世話に行くことはなくなった。
クラスの人らの視線は徐々に緩くなったが、特に一部の女子からは変な目で見られることに変わりはない。もう一度花壇に行けば荒らしの疑いをかけられるかもしれないし、行かない方が賢明と思った。
ある日の放課後、ふとあれから花壇はどうなっているのだろうと思い、ちらっと教室から見下ろせば、黙々と世話をしている一人の女子生徒が見られる。
この時は美化委員が世話をしているのだろうと思っていた。しかし、実は全く関係のない人がしていたことがある時の放課後に分かった。
家に帰ろうと思いトイレから教室に戻ろうとした時、教室で女子が会話が廊下に漏れていた。
俺は咄嗟に隠れて教室の様子を見て、旭ヶ丘日和がいることに気が付いた俺はドキッとした。綺麗な長い髪、大きな瞳、非の打ち所がないような立ち振る舞い。まるで物語に登場する文学少女のような容姿。中学2年の時から同じクラスになって可愛いなと思っていたのは確かだが、当然話したことなんて一回もなく、自分から歩み寄ろうとする勇気も無かった。だが気になっていたのもあり、俺は話の内容が聞こえるように教室から見えない場所に隠れながら話を聞いた。
『陽和が花壇の世話なんかしなくてもいいって!』
『でも、誰かがやらないと花が枯れちゃうし…それに佐藤くんが毎日やっていたことを無駄にはしたくないかな』
『けど佐藤って花壇荒らしで疑われていたでしょ?』
『うん…でも佐藤くんが毎日欠かさずに花の世話をしてたことは知ってたし、そんな悪いことをするような人じゃないよ。だから私は佐藤くんのことを信じたいな』
『ま、まぁ陽和がそこまでいうなら……』
そんな話を聞いて俺は自分のやってきたことは間違っていなかったと自信を取り戻せた。そして、旭ヶ丘陽和は俺のことをずっと見てくれて、信じてくれていたことに俺は救われ、泣きそうになった。
最初はほろ苦かったが、最後は甘くて優しい余韻に浸る初恋の味。中学三年生で俺は初めてその味を噛み締めた。
『でも、誰かがやらないと花が枯れちゃうし…それに佐藤くんが毎日やっていたことを無駄にはしたくないかな』
『けど佐藤って花壇荒らしで疑われていたでしょ?』
『うん…でも佐藤くんが毎日欠かさずに花の世話をしてたことは知ってたし、そんな悪いことをするような人じゃないよ。だから私は佐藤くんのことを信じたいな』
『ま、まぁ陽和がそこまでいうなら……』
そんな話を聞いて俺は自分のやってきたことは間違っていなかったと自信を取り戻せた。そして、旭ヶ丘陽和は俺のことをずっと見てくれて、信じてくれていたことに俺は救われ、泣きそうになった。
最初はほろ苦かったが、最後は甘くて優しい余韻に浸る初恋の味。中学三年生で俺は初めてその味を噛み締めた。