女神様の宝石箱39
「そう言えば、エイミーは何歳になるの?見た所私より若いよね」
中性的な容姿のせいか年齢が分かりづらい。
「13になります」
「……はっ!?」
「13になります」
静かに返答するエイミー。
「えっ……私より4つも下なの?」
「はい。そうなりますね」
私は思わずマジマジと見つめてしまった。
「最近の若い子は成長が速いんだね」
思わずオバサン発言をしてしまう。
「いえ、私達が他の子より縦に速く伸びてしまっただけです。多分これ以上はそんなに伸びないと思いますよ」
うん。
そう言えば小学校の時にいたな~そういう子。
高校生かと思う位背が高くって背の順で並ぶと一番後ろのにいたのに、大人になって再開したら自分とそんなに変わらなかった子。
小学生なのに大人料金取られそうになったりと、全然良いことなかったとか言っていたな。
そんな同級生が懐かしくなってしまう。
「そうだね。女の子はそれ位が丁度良いよ……って、私達?」
何気にスルーしそうになったが……。
「もしかしてエイミーって双子?」
私の問い掛けにエイミーは『しまった』というような顔になる。
「家にはいないよね」
ここ1ヶ月使用人を観察していたが双子なんていなかった。
「他の所で侍女をしています」
他の所ね……。
「そうなんだ。いつか合わせてね」
一応社交辞令かましてエイミーの反応を見る。
「はい。それは必ずいずれ」
え……っと。
何故そんなに断言するかな?
「それと、ジュリア様に最初に言っておきますが、私はアル様を異性とは認識しておりませんのでご安心して下さいね」
ニコリとそう宣言したエイミーは空かさず私の鞄を取り出すと教科書を並べた。
「ジュリア様。これから私が遅れていた分のお勉強をお教えしますのでお覚悟お願い致しますね」
「へ?」
「先程アル様にもそのようにお伝えしましたので、当分邪魔をされる事はございません」
「は?」
「私のお仕えするお嬢様がお馬鹿などと侮られるのは耐え難いことです。また、これも一つの花嫁修業と思い諦めて下さいね」
そう言って楽しそうに笑うエイミー。
何で4つも年下の女の子に勉強を教わる事になるの?
「それと、学園でも隙間勉強致しますのでそのおつもりで」
チ~ン。
何処からかそんな音が聞こえたように思う。
果たして、アルの特訓とエイミーの勉強会どちらの方がましか……私の頭は既についていかなかった。
お読み頂きありがとうございます。
気付かれた方もいるかも知れませんが、エイミーはジュリアが呪いを受けた後に生まれています。
それはつまり……ですかね。そろそろアルの身内が色々絡んできますので、お楽しみあれ。
また読んで頂けたら幸いです。




