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港には慌ただしく人が行き交い、多くの荷馬車が往き来していた。

「ふえー、凄い人だね!お祭りかなあ?」

余りの人の多さにサクラはそんな事を呟いた。


「いや、普通に港町はこんな感じだよ。殆どが商人さ。」

「見た所税関みたいなのも無いからな。現代日本と比べると異常に多く見えるだけさ。」

グリンが説明し、ソラがそう捕捉した。


「へーえ、普段からこんなに人がいるんだ…凄いね!」

「船が着いたばかりだと言うのもあるだろうけどね。ほら、海龍が疲れてるだろ?」

そう言ってグリンは船を牽引していた海龍を指差した。


グリンの指差した方角には海龍、水色の鱗を持った細長い龍が船に鎖で繋がれておりくたびれたように体を波止場に乗り上げていた。


「ほんとだ、凄く疲れてるね!」

「だな、と言うかこの世界の船は馬車みたいに龍が引っ張ってるのか…うまく進めるのか?止まるときはどうすんだ?」

物珍しさで目を輝かせるサクラ。

対してソラは物理的にどうなっているのか怪訝そうにしていた。


「基本的に海龍船は海龍の水魔法で移動するからその辺りは何も問題ないですよ。」

「はー、魔法ね…と言うか便利な生き物だな!」

ゴンがソラの疑問に答えたが、ソラはその手段よりも余りのご都合生物っぷりに驚かされた。


「人を運ぶのが好きなんだそうです。あと見返りに獣肉みたいな陸上のエサを貰えるから頑張るみたいですねー。人間の良きパートナーみたいですよ。」

「はー…凄えな…と丁度エサの時間みたいだな。」

ソラが感心して見ていると、海龍の元へ肉を山盛りに乗せた器を運ぶ船乗りの姿が見えた。


船乗りが海龍に向かって何か言うと、海龍は体を起こしてガツガツと肉に食らいついていた。


「なんか、可愛いな。」

動物園でエサやりを見た時のようにほっこりとするソラなのだった。


その後、海龍のエサやりから船乗りとの触れ合いまで一通り観察してからソラ達はザウスランド行きの船を探し始める。

ザウスランド行きの船はすぐに見つかり、一般人が乗れる連絡船は毎日朝に出発しているようだった。


「今はもう夕方近いから今日の出発は無理そうだね。」

「そうだな。まあ折角だから二泊ほどしてゆっくり街でも見て回らねえか?」

「そうだね、急がないならそれも良いと思う。」

「ん、まだ魚たべたい。」

「それはザウスランドでも出来ると思いますが…。」

そんな訳で、ソラ達はサンクトリアに少しだけ滞在する事にしたのだった。


滞在すると決めたので、ソラ達は早速宿を探しに港から街中まで戻ってきて、宿屋の立ち並ぶ通りへとやってきていた。


「一応、女の子ばかりだからしっかりした宿に泊まろうか。」

とグリンが提案する。

もはや自分を女子とカウントする事に抵抗が無いようだった。


「お、おう…。」

その事にソラは心配を覚えながらサクラ達もいる事だしと賛同する。


「と言う訳でここが良いと思う。」

そう言ってグリンは一際豪華な宿屋を指差した。


「うん、無理だな。こんな高価そうなとこは金が足りない気がする。」

ソラの知識だと、ホテルなどの宿泊代はハイクラスならば青天井。

上限を知らないものだと認識している。

グリンの指差すここもまた、富裕層が観光で泊まるようなハイクラスの宿にしか見えなかった。


「ああ、金額の問題があったのか…すまない、聞いてくるから少しだけ待っててくれ。」

そう言ってグリンは一人、高級そうな宿屋へ入って行った。

流石に王子様らしく、グリンは金銭についてなど気にした事が無いようだった。


ソラ達はグリンを待つ間に通りを見渡し、他の宿屋の様子を軽く伺う。

「やっぱ中堅どこ、それなりのビジネスホテルみたいな所が良いな。」

「私は民宿みたいな所でもいいと思うけどな、前に家族と行った時はごはん美味しかったイメージあるし。」

「ごはん…!サクラに、さんせい。」

「あー!あなた達は!」

そんなソラ達一行を通りがかった身なりの良いドレスの女性が指さして大きな声を上げた。

しかし、ソラ達にはその女性は見覚えが無い。


「あなた!よくも昼間はアタシを売ってくれた上に痛めつけてくれたわね!」

「あー…。」

だが、とても心当たりはある様子だった。

夏コミに受かりましたので入稿終わるまで更新ペースがとても遅くなりそうです。

ソシャゲ関係よろず本で小説には関係のない本となっております。

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