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ソラ達がサーキュライト王国へ入国した翌日、ソラはルビィ、ゴンを連れだって朝早くから西の市場を目指していた。

「ねむい…わたしだけ寝てちゃだめ?」

ルビィは目をこすりながらソラに手を引っ張られていた。

「ゴンと部屋出ようとしたら、置いてくなって言ったのはお前だろうが…」

ルビィの手を取り引率するように前を歩くソラ。

「そういえばそうだった…でもあさはやくない…?」

そう、ソラは日が昇る前から宿を出たのだった。

「なんせ街の東から西まで行くんだ、早めに行った方が良いさ。それに観光気分で歩くのも楽しいだろ?」

サーキュライトの街は、石畳の道に、規則的にレンガ作りの建物が並んでおり、ヨーロッパ旅行に来ている気分で、ソラはその中を歩くのが楽しくて仕方なかった。

また、水道施設が豊かなのか、至る所に水路が流れており、水の音も心地よかった。


「こう言う時は、この世界に来れて良かったってちょっとは思うよな…帰りたいけどよ。」

小さな声でソラは呟いた。

ルビィとゴンには聞こえなかったようだ。

「まだ…?つかないの?」

とルビィがぼやいている。

「中央にある王城も通り抜けましたし、もう西のエリアにいるんじゃないでしょうか…あ、ほら市場が見えてきましたよ!」

西の市場が見えてきたようで、活気のあるざわめきが聞こえてくる。


西の市場では、食べ物の露店がそこかしこに並んでおり、多くの商人や街の人で賑わっていた。

オークリーと比べて人種は殆ど人間のようだ。

「こんだけ人が多いと人探しに向いて無さそうだな…魔女の弟子が来るって言う薬屋探すぞ。」

一目見たら分かると言われても、人が多ければそれもままならない。

早々に判断したソラは、薬屋を探す事にした。

そして、薬屋は少しの聞き込みですぐに分かった。

市場から伸びた一本の小道の先にあると言う事だ。


市場の喧騒が少し遠くに聞こえる小道、その奥に分かりやすいフラスコの描かれた看板の店があった。

ソラは早速その店のドアをくぐる。

「ごめんくださーい!」

ルビィとゴンもそれに続いた。

店の中に入ると、刺激臭と甘い匂いが混ざったなんとも言えない香りが鼻をくすぐる。

なんか薬局とアメリカンな店が混ざったみたいだなと微妙な感想を持ち店内を見渡す。

店にはカウンターがあり、その奥に色々なビンが並んでいた。

「おや?店員はいないのでしょうか?」

カウンターに誰も居ない事を確認してゴンが言った。

「いるっぽいよ…?」

とルビィがカウンター脇のドアを指さす。

ソラとゴンが視線で追う。

ドアの向こうには確かに人の気配がした。

そして、ドアは、ガタガタガタっと震えるとゆっくり開いた。

「サクラちゃんかい?」

ドアの中から、手足がガタガタと震えた老人が現れた。

老人はソラ達を見るとよろよろと近づく。

「おじゃましてます。」

とりあえず挨拶してみるソラ。

「ああ、はい、はい、お客さんね。今日は何が必要なんだい?」

よぼよぼとカウンターの方へ歩いて行き、そこにあった椅子に腰かける老人。

「いえ、私達は客ではなく、サクラさんと言う方に会いたくて来たんですよ。」

とソラは説明した。したのだが、

「あ、なんだって?」と老人は耳が遠い様子だった。

大丈夫かこのジジイと思いつつ、大きな声でもう一度言ってみる。

「だから!私たちは!サクラって子が!この店に来るって聞いて!会いに来ました!」

できるだけ丁寧に、大きな声で言う。

すると老人は大きくうなずいた。

「ああ、はいはいはいはい、サクラちゃんが…そう……ぐぅ…」

うなずいた後にそのまま眠ってしまった。

「ええと…大丈夫でしょうかこのお爺さん…」

ゴンが心配そうに見る。

「寝ちゃったね…わたしも…ねむ…」

釣られて寝そうになってるルビィ。

「って寝るなー!」

ゆさゆさと老人の体を揺すって起こすソラ。

「あ、ああ…おはようサクラちゃん…」

目を覚ます老人。

まだぼんやりしているようだった。

「いやね!だから俺たちは!そのサクラちゃんに会いに来たの!」

若干キレ気味で説明するソラ。

「ああ、サクラちゃんなら、もうすぐ来るよぉ…」と言って老人は再び船をこぎ始める。

「ああもう!」

すぐ寝ちゃう老人に少しイライラしてきたソラ。

もう一回揺さぶり起こそうとした。

その瞬間、店のドアに控えめなノックがされる。

そしてすぐにガチャりとドアが開いた。

「すいませーん、おじいちゃん、お薬持ってきたよ!」

と元気の良い女の子の声が響く。


目当ての人物が来たのか!と思いソラがその方向に振り向いた。

すると、そこには黒いマント、黒い三角帽子をかぶった、黒髪黒目の、黒いセーラー服を着た女の子が居た。

「あれ、お客さん?エルフ…?服装が、あれ…それって…」

ソラを見て固まるセーラー服の女の子。

ソラも同様に固まっていた。

そして、すぐに硬直が解けて気づけば叫んでいた。

「女子高生じゃねーか!」と。

忙しくなってきたのでペース落ちます。

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