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「いやー、眠そうにしてたと思ったので催眠魔法をかけてみましたけど一瞬でオチましたね。」

すやすやと眠りこける黒いローブの男を見下ろしてゴンはあははと笑う。

「さっきまで凄い強敵オーラ出てたけどあっさりだったな…。」

ソラが言う。

初めて人と戦うとあって、かなり緊張していたが、あっさり一人無力化されてしまった事で気が抜けてしまう。

「まだ、あっちがやってるよ。」

ルビィが指さす。

その先には、茫然とする銀髪の青年、鞭を持ったスキンヘッドの男、斧を持ったスキンヘッドの男が居た。

先ほどまで戦っていたのだが、あまりにも突然の出来事で硬直している。


「ゴン、あの二人も眠らせられるか?」

今のうちにやれたら良いなと思って問いかけるソラ。

だがゴンは首を横に振った。

「いや、一応同時に催眠魔法をかけてはいたんですけど効いてませんねー。興奮してると中々効かないんですよ。少しは気がそらせるんですけどね。」

「全然戦闘向きじゃねーじゃねーか。こいつは元々眠そうだったから効いたって事か。」

そう言いながら、黒いローブの男を指さす。

「興奮している人間にはそれはそれでやりようがあるんですよ。」

ニタリと笑みを浮かべるハク。


「あ、ああ!よくもボスを!」

ソラ達が話していると、いち早く鞭男が気を取り戻した。

鞭男は、黒いローブの男がソラ達に倒されたと認識すると、警戒レベルを上げてソラ達を排除すべく駆ける。

続いて、銀髪の青年が気を取り戻した。

「待て、相手は私だろう!」

そう言って鞭男に斬りかかる。

だが、その攻撃は斧男に阻まれた。

「アーッヒャッハア!」奇声を上げているが、的確に青年の剣撃を斧で受け流していた。


「チャッピー!ボスゥ!チャチャチャチャッピーーー!」

叫びながら血走った眼で駆け寄ってくる鞭男にソラは身構える。

杖を剣道の竹刀のように、中段で構える。

「ちょ!こっち来た!ゴン早く!」

構えはしたものの、武器としての鞭なんて見た事も無いし、いなせる自信など無く、ゴンを頼る。

「ここまでキてたら大丈夫ですよ。」

ゴンが慌てない慌てないと余裕のある様子で鞭男に手を翳すと、手のひらから赤いオーラが立ち上り、鞭男の額に吸い込まれていった。

すると、鞭男の動きがピタリと止まる。

やったのか、と思いソラが構えを解くと、鞭男が突然雄たけびを上げる。

「ンモォォォォォォ!」

思わずビクリと肩を震わせるソラとルビィ。

ゴンはふふんと得意げな顔をして、

「一丁上がりです!」

と宣言した。

鞭男は叫んだ後に白目を向いて、仰向けにひっくり返っていた。


壮絶な光景に、恐怖を覚えながらソラはゴンに尋ねた。

「今度は何をしたんだ?」

「さっきとは逆ですよ、興奮していた様子でしたのでさらに興奮させてあげただけです。意識が飛ぶ限界まで。」

ニコリと微笑み説明するゴン。

「この子は、元々精神操作、精神攻撃がとくい…対人なら、最強…意識を刈り取って、そこをガツン…」

と補足するルビィ。

「なるほど、そいつは心強い。なら後一人も…」

青年と斬りあっている斧男の方を見やる。

だが、加勢するまでもなく、ちょうど決着がついたようだった。

「アヒィィィ!」と奇声を上げ崩れ落ちる斧男。

その脇腹には青年の剣が深々と突き刺さっていた。

「どうやら、終わったみたいだ。」

ソラはそう言って肩をすくめた。

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