-111- 決戦の日
ソラが料理トーナメントに出場して1週間後、スタジアムの修復が完了したとの事で、トーナメントを再開する報せが届いた。
ソラはちゃんと勝利した扱いとなっており、次の試合に進めることになっていた。
そして、ソラとレオンはそのまま順調に勝ち進み、ソラとレオンによる料理トーナメントの決勝戦が開催される運びとなった。
「さあ!いよいよ決勝戦です!」
ワアアアアアア!!!!!
料理トーナメントの会場は今まで以上の熱気に包まれていた。
特にソラには、固定のファンがたくさんついたようで、ソラの顔が描かれた大きな旗を振って応援する者や、名前入りのうちわを振る者、横断幕に「ソラちゃんがんばって」と書いて掲げる集団などがいた。
「両選手!入場!!」
司会者がそう告げると、スタジアムの脇にスモークが炊かれ、派手なレーザービームが会場を彩る。
そしてバーン!と大きな火柱が立ち上がり、その中央からソラとレオンの姿が現れる。
「ザウスランドの国にワショクなる料理を広め、本大会でさらにワショクの奥深さを見せつけました!レオン選手!決勝ではどのような料理を見せてくれるのでしょうか!」
スポットライトに照らされたレオンが恭しく頭を下げる。
「対しますは、見たこともない料理で審査員を虜にしてきた魅惑のエルフ料理人、ソラ選手!トラブルにも負けず決勝戦にやってきました!」
レオンに続いてスポットライトに照らされたソラは客席に向かって手を振ってみせる。
「この両名で血沸き肉躍る料理トーナメント!決勝戦を開催します!」
司会者がそう言うと、スタジアムの中央にスポットライトが当たり、老人審査員が姿を現す。
「それではザウスランド料理トーナメント、決勝戦のテーマを発表する!」
老人審査員がそう言って手を上に翳すと、手から光の帯が現れて形を作っていく。
『3』
光が数字を形作る。
一体なんなのか、観客、司会者、そしてソラとレオンが固唾を呑んで老人審査員の言葉を待つ。
「三品である!各自、自分の最高だと思う三皿を用意されたし!」
老人審査員は決勝戦のテーマを告げる。
「さあ!決勝戦のテーマは最高の三皿だぁー!一体どんな料理になるのか!」
司会者が改めてテーマを告げると会場からワッと歓声が上がった。
「食材、調理方法は全て各々で自由に行って良いものとする!街の中を駆け巡ってもよし!店にあるものを持ってきてもよし!ただしその様子は全てここで中継するものとする!制限時間は夕刻である!」
そして、老人審査員からさらに詳しいルールが告げられると、スタジアム内の空中にソラとレオンの姿が映し出される。
(すげえ、ライブ中継じゃねえか…。)
映し出された映像に感動するソラ。
難しそうなテーマであるが特に慌てている様子はなかった。
一方レオンは、己の中の最高の三皿を思い浮かべ、力強く拳を握るのだった。
「それでは、決勝戦…開始ィィィィィ!!」
司会者の叫びと共に、ソラとレオンは己の仲間たちの元へと歩き出すのだった。
ようやくここに来た目的が達成できそうです。
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