第21話 初めての生活
新年明けてだいぶ経ちましたね。
今年もよろしくお願いします
ツンツン、ツンツン。
「きゅる、きゅ!」
可愛い声に起こされた。つつかれていた方をみると子竜姿の雪杜がこちらを覗いている。
「桜華、おはよ」
雪杜の隣にやって来た紅火が声を掛けてくれた。
「おはよう。.....って、だめだよ。ここは家じゃないんだよ」
「もちろん、私も雪杜だってその場にいたんだ、わかっているさ。でも、他人のいない空間での許可は出ていただろう?」
「それは、雪杜の方だよ。しかも、まだここに他人が入れないように魔法をかけたり、認識阻害結界つけてないでしょ」
「大丈夫だ。警戒はしているし威圧も魔力も抑えている」
「きゅきゅっ!」
雪杜もその通りだと言わんばかりに返事をする。
「もうっ、これから学校なんだから姿を変えてよね、雪杜は部屋に戻って」
「きゅー」
「はいはい」
雪杜は扉を開き帰って行って、紅火は魔力を操作して猫の姿になった。
昨日、アラベラさんから渡された制服に身を包み、バッグとマジッグバックに必要な道具とお金を入れたことを確認して、髪を青いリボンで低めのところで2つに括り、コウヒの首には紅い宝石のネックレスをつけた。
リビングには、小鳥のライムとミラインがいた。
「オウカ、おはよう」
「おはよう。ミライン」
互いに身支度を終えれば、1階の食堂へいった。
食堂ではアラベラさんたちが忙しそうに食事の用意をしていた。
「あら、お二人さんおはよう」
「「おはようございます」」
「早いのね。他の人はまだ誰も来てないのよ」
「えっと、もう食事ってできますか?」
「あと、出来ればお昼ご飯に食べるお弁当を二人分欲しいです」
「はいよ。すぐに用意するから座って待っていてね」
5分ぐらいで卵スープにパンとミニサラダのついた朝食が出てきた。そして、食べ終わった頃には紙で包装されたサンドウィッチを二人分持ってきてくれた。
「はい、これお昼ご飯ね」
「ありがとうございます」
「がんばってね」
私たちはアラベラさんたちにお礼を言って学校に向かった。
教室はどこもまだほとんどの席があいていた。
席順は、成績のよいものから順に並んでおり、ミラインが最前列の窓側、私がその後ろとなっている。
クラスメイトは私を含めて、男子7名、女子8名、計15名となっている。
担任の先生は、魔法の実技試験官であった、セリア・アルファ先生で、このクラスの魔法科目を担当するとのこと。
今日から一ヶ月間は魔法の基礎を固める授業を行い、一ヶ月後に魔法の試験をして、その合格者はそのまた一ヶ月後に精霊契約の儀式をするのだという。
不合格者はさらに五ヶ月後のBクラスの精霊契約儀式の時に一緒に行うそうだ。
今日の授業内容は、『魔法について』である。
そもそも、『魔法』と言うものは、生き物の体の中にある『魔力』と言うものに、起こしたい現象を伝えることによって、起きた現象のことを指す。
起こしたい現象を伝えたり、伝えやすくしたりする手段として、強くイメージしたり、呪文を唱えたり、杖を使ったり、魔法陣を書いたりする。
だからといって何でも出来るわけでも、誰でも出来るわけでもない。
人には越えられない壁ともいえる、簡単に言うと、世界のルールがあるからだ。
逆に言えば、それに反しない程度のものであれば何でも可能というわけだ。
ルールに反するものとしては、時間を止める、人より高位の存在を書き変えることなどがあげられる。
また、人の身で本来起こるはずのない現象を作り出すというのは、負荷がかかるため、生活魔法や、初級魔法くらいまでしか、普通の人は使うことができない。
その中でも、体の弱い人や、魔力量の少ない人は、魔法を使うことすら出来ない。
といったものなのだ。
だからこそ、人は精霊や獣というような自然の中にいる存在の力を借りるようになった。
それらの存在は、自らの能力の及ぶ範囲であれば人よりも上手く、使うことができるからだ。
だが、精霊や獣と契約出来るものは魔法を使えるものより圧倒的に少ない。
精霊は見ることの出来るものが魔法を使えるものの1/100ほど、契約出来るものは、見ることの出来るものの1/50ほどである。
契約の条件は、中級精霊までなら一定に決まっているそうだが、基本的にはその精霊に気に入られたらであるらしい。
獣と契約するには、魔力量が多いことが条件だと言われている。ただ、強い獣と契約しているのは、獣使いの一族のものだけのため、一族の血が流れている必要があるらしい。
獣使いの一族は、雪刃家、秋雨家、藤雲家、朱霧家の四家となっている。
力を使うには何事にも代償が必要となるため、精霊の力をかりると多くの魔力を消費する。その分、同じ量の魔力を使った場合は、普通の魔法より、精霊の力を借りたほうが威力は大きい。もちろん、どちらも術者の技量次第ではあるが、一般的には精霊のほうが魔力の扱いに長けているのだ。
「.........と、このような感じだ。午後は、せっかくこのクラスには精霊と契約しているものがいるから、実際に使ってもらう。時間までに校庭に集合するように」
ここからは昼休みとなるため、生徒は近くの人にあいさつをしたりしている。
「オウカ、昼食を中庭で食べませんか?晴れていますし」
「そうね、のんびりできるとこがいいな」
私とミラインが荷物をもって移動しようとすると、女子が大半を占めるグループのリーダー格に声をかけられた。
「ねぇ、そこの二人。ルイスラートさんとセツハさんよね」
「ええ、そうですよ」
「あなたたちも一緒にどうです?お友達になりましょうよ」
「すみません。これからルイスラートと一緒に食べると約束しましたので、またの機会に」
「それなら、わたしたちと一緒でもいいのではないですか?」
「ごめんなさい。今日は外でという話でしたので」
「あっ、そうなの。さすがに外は遠慮するわ」
その後、何事もなかったかのように二人で中庭へと向かった。中庭には人は私たち以外にはおらず静かで、快適だった。
昼食を食べ終わっても二人で何げない会話をしていた。
――――――――――
教室にて
「なんなのよ、あの二人、私が誰だか知ってるのかしら?」
「知らない可能性のほうが高いな、普通なら上級貴族の誘いを断るはずがない」
「そもそも、雪刃家の娘が何で精霊学院にいるのよ。獣使いの家の者でしょう?」
「理由は知らんが、契約できなかったんじゃないのか?その代わり、精霊とは契約できちゃったから来たんだろ」
「よーするに、落ちこぼれってことだなっ」
「へぇー、そんな奴が私たちに立てついたわけね」
楽しそうに会話する彼女たちは、全員が貴族でプライドがとてつもなく高く、リーダー核の二人の男女はメンバー内で身分が一番高いのもあってか、自分たちに対する態度が気に食わなかったようだ。
そして、すこし、だが大きな勘違いをしてしまっていたのだった。
今年の3月に受験があるため投稿再開は4月ごろからになると思います。
一年くらい放置してたので今年はたくさん投稿していけたらなと思っています。




