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大入道蛸

作者: 尚文産商堂
掲載日:2026/05/01

古い言い伝えではあるが、少しは事実が含まれているということに気づいた。


岡山県砂賀町、そこには言い伝えがある。

昔、室町時代くらいのころ、一人の僧侶が今の砂賀町へとやってきた。

当時の藩主は歓待し、その僧侶が出ていくまで世話をしたという。

それからしばらくして不思議なうわさが出てきた。

領内でタコを見たという話が出回ったのだ。

それもとてつもない大蛸だ。

むろん、海にすむものが陸に住むなんてありえないと最初は一蹴していたものの、その噂がどんどんと尾ひれがついて出回り続けていた。

ついには山より大きなものが現れたという話まででてきた。

そこまできてようやく藩主は動き出したという。


ちょうど見にいく一団に同行した人の日記を読んでいるが、出てきたというところに到着すると、誰かが立っていたそうだ。

滝つぼになっているところで、念仏を唱えている僧侶だったららしい。

そしてやってきた一団に気付くと念仏を止め、何かを差し出した。

それがかごに入った12匹の蛇だったそうだ。

これを祀ることでタコの被害はなくなるだろうという話もしてくれたそうだ。

なおかごに気を取られている間に、いつのまにか僧侶はいなくなっていて、立っていたところには下半身がとぐろを巻いている蛇、上半身が女性をしている仏像があったそうだ。

一団が戻り藩主に報告すると、その通りにするようにということになったので、再び滝つぼのところに戻り、仏像と蛇のための祠を立てた。


今はその祠は砂賀寺が管理をしているもので、久地苗(くちなわ)神社と称している。

また、ご神体が先ほどの仏像で、宇賀弁才天としている。

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