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女神の憂鬱  作者: 灯星
49/86

47.不器用な恋愛

 R15もどきが入っています。ご注意ください。

 本当どれぐらいがR15になるんだろう? 

 私の部屋に着き、そのまま私のベットにゆっくりと降ろしてくれる。

 人一人抱えていたのにまったく息を乱していない。さすがに戦神だけあって力も強く体力もすごい。

 上体を起こした形でベットに座っていると、彼は私の太ももの横に腰掛けて私の頬に大きな手を添えてくる。


 あ、キスされる。


 ゆっくりと顔が近づいてくるのがわかったけど、そのまま唇が触れ合うのを動かずになされるがままにしていた。

 かすかに触れる程度の口付け。すこし顔を離しながらも片手ほどしかない距離でオリセントが聞いてくる。


「フウカ。お前はどう思っているのか正直にこたえてほしい。レイヤやゼノンが好きなのか?」


 近くで見える深紅と青の瞳は嘘は見逃さないと語っている。だから慎重に私は答える。


「レイヤもゼノンも好きよ。もちろん、エダもオリセントもね。でもそれはまだ恋愛対象とは呼べないかな?だって1人でないもん。同時に人を好きになるような器用な真似はできない」


 そのままで話を続ける。


「レイヤに告白されたし、ゼノンは一番辛いときに支えてくれた。エダもほしい言葉をくれた。だから気にはなっているかな。でもそれはこうしていつも側で支えてくれているオリセントに対しても感じているの」


 だれが恋愛感情で好きと思うには、みんな優しくて私を支えてくれているので選んだりできないのだ。


「実はね。さっきオリセントが人間界の戦場で苦しそうにしている姿を見たのね。夢でなくたぶん過去を見たんだと思う」


 私はそっと両手を広げて、彼の大きな身体を包み込むように軽く抱く。先ほど見たときにはできなかったことを今したいと思ったからだ。

 オリセントはいきなり抱きついてきた私の身体にそっと腕を回してきた。二人とも後ろに回った手に力はいれずにただ触れている程度である。


「そんな姿を見て私もオリセントを支えたいと思ったの。だから今オリセントと向かい合うのが使命だと言うなら、もっともっとオリセントと触れ合って気持ちを高めて行きたい」


 それが私の正直な思いだ。


「ああ。充分な答えだ。俺ももっとフウカに近寄れるように努力をしよう」


 オリセントはそう言うとほんの少しだけ私を抱きしめる腕に力を入れた。 


「うん。これからはオリセントだけを見れるようにするよ」


 恋愛として好きとまでいかなくても、オリセントに惹かれていっているのだと思う。ただそれは他の三人にたいしても言えることだけど、これからなら見ないようすれば大丈夫だと思う。


「何も無理して俺1人にしぼらなければいけないわけではない。神が神に惹かれるのには、そう言う定めであるとも言われているんだ。だからレイヤたちに惹かれる気持ちまで封印しなくてもいい」


 そう言われて私は思わず彼の顔を見るために身体から離れた。少し苦笑するような表情でこちらを見ている。


「花の女神のことを知っているか?」


 いきなりそう言われてお披露目の時にあった可憐な少女をなんとか思い出す。ふわっとしたウエーブの赤みを帯びた髪に小さな花をいくつもつけていた。

 それにこぼれおちるような大きな透き通った青い瞳が印象的だった。


「えっとたしかフローラって子だったよね?」


 答えると戦神は頷きながら話を続ける。


「カーディーがもともと精霊であったフローラを一途に可愛がったために、いきなり女神になったのは知っているな?」


 そう言われて少女のすぐ側で寡黙そうな青年が愛おしそうに彼女を見ていたのを思い出す。たしか樹木の神だっけ?

 その話は聞いたことがある。でも詳しくはしらないと言うと話を続けてくれた。


「当初そのあまりにもの可愛がり方に、みんな頭をひねっていたんだ。もちろん、精霊を愛する神もいないわけではなかったけど、やはり神が精霊にそこまで熱くなるケースは少ないからな」


 そういうものなんだ?しかし外見は30ぐらいの樹木の神が14歳ぐらいの少女を可愛がるってすこし犯罪ぽく感じてしまう。

 まあ実年齢は違うし、そもそもそういう考えがこの神の国にあるのかもわからないけど。


「だが、その可愛がりが続くとフローラはいきなり女神になったんだ。だから樹木の神がフローラを愛するのは、そういう運命であったと今では考えられているんだよ」


 なるほど。そう言われると納得できるような・・・。


「もちろん、俺だけをみてくれと言いたい気持ちもある。だが、気持ちを押さえ込んで無理したらどうしても綻びが出てきてしまうものだ。フウカには今の自然体でいてほしいからな。あ、でもしばらくはできる限り俺との時間を優先してほしい。きれい事を言っているがやはり守護神は、すこしでも早く生まれてきてもらいたいものだからな」


 その言葉に考えるより先に何度も頷いていた。

 本当にこの青年は優しすぎる。

 あれほど今まで私や守護神がいないせいで苦しんできていたのに、第一に私の気持ちを思いやってくれている。自分だけを見ろ!一刻も早くその気になれ!と本当は言いたいだろう。それなのになんと誠実で不器用な言い方をするんだ。この戦神は。


「ほんとうに。ほんとうにありがとう!使命と言われてとまどいもあったけど、今は相手がオリセントでよかったと本当に思っているよ」


 嬉しくて思わず涙が眼ににじむが構わず彼の顔を見上げる。同じように座っていても彼は長身なので見上げる形になるのだ。


「フウカ。悪いけど少しだけ触れてもいいか?」


 オリセントは私の頭を大きな手で包み込み髪をなで、ためらいながら聞いてきた。

 ここで許可を求めてくるところが彼らしい。いきなり迫られてもおそらくびっくりして拒んでいるが、わざわざ許可を求めてくるので逆に全面的に断れない。


「す、少しなら・・」


 彼の顔を見てられなくて紅くなっているだろう顔を下に向けながら答えると、その顔を優しくではあるがすばやく持ち上げて口付けをしてくる。すぐに口の中に彼の熱い舌が入り込み私の舌と交じり合うように絡める。まるで喉の渇きを潤すために貪欲に求められて、思わず私の唇から熱い吐息がこぼれた。

 その間も彼の大きな手は、一方は私の頭を抱えて自分の顔に引き寄せている。そのために口付けは深くなっているのだ。さらにもう片方は私の背中や腰の辺りをゆっくりと撫でている。

 どれぐらい時間がたっただろう。十秒ぐらいとも数分とも感じる。

 彼は深い口付けを堪能したあと、私の耳にもそっと口付けをしてくる。


「やぁ・・」


 その瞬間に私はびくんと身体を震わせて思わず声をあげる。耳が弱くどうしてもじっとしてられないのだ。

 私の声をあげるのを聞いて彼は我に返ったかのように一瞬身を震わせて、ゆっくりと身体を解放してくれる。


「やばいな。そんな声を聞いているとさすがに止まらなくなってしまいそうだな」


 そう言うとベットから立ち上がる。


「悪かった。まだ本調子でもないのについ手を出してしまった」


 オリセントはばつが悪そうに頭を抱えながらそう言う。


「き、気にしないで。きちんとやめてくれたし・・・」


 それに対して私は思わずフォローになっているかなってないか分からない返事する。


「これ以上いると手を出さない自信がないし、ここで部屋に戻るとしよう。もし用事あれば俺でも精霊でも来るからゆっくり休め」


 そう言う彼に私はなんとか手を振りながら彼が姿を消すのを見送る。

 その後すぐに顔を掛布に沈めてしまった。先ほどの深いキスや触れる彼の手の暖かいぬくもりの余韻が体中で残っている。特に口付けされた耳は気のせいかもしれないが、熱をいまだに持っているよう感じてしまうのはなぜだろう。


「は、はずかしい~」


 人間の時は仕事忙しかったせいでそういうことには8年以上ご無沙汰だっただけに、久しぶりの感覚に動揺してしまう。


「な、なるようになるのかな・・・。とりあえず今は止めてくれてよかったかも。あのまま流されるわけにはいかないし・・・」


 自分から止めてくれたオリセントにひとまず感謝し、ベットにもぐりこんで無理やり羊を考えることにする。

 幸いなことにやはり身体が睡眠を欲していたようで100匹もいかないうちに眠りについていた。

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