33.神は天然の資源なのです。
サブタイトル・・・服を自分で買わせてください・・・。
「「おはようございます、フウカ様」」
翌日の朝、いつもどおりノアとセレーナが起きると共に入ってくる。合図もしないのに本当にすごいタイミングだ。精霊って本当に気に敏感なんだなって感心する。
「おはよう、ノア、セレーナ。ちょっといい?聞きたいことあるんだけど・・・」
私は少し前から聞きたかったことをこの日朝一番に聞く。
「服ってどうやって手に入れたらいいのかなぁ?私なにも持ってないから買うこともできないけど、お金の稼ぎ方もわからないし・・・」
お金を持ってないけど、どうやって稼げばいいのか、そもそもお金で買えるものなのか分からない。
そう言うと驚いたように手を口にあてながらノアが教えてくれる。
「フウカ様!フウカ様が望まれたら、いくらでも私たちが手配いたします。お金など稼ぐ必要もありませんわ」
稼がなくてもいくらでも望んでいいってこと?
それはなんかギブ&テイクではないように思う。そう思っているのが伝わったのか再びノアが話をつづける。
「フウカ様。神や女神はこの神殿にいらっしゃるだけでも、無意識に気を私たち精霊や自然界、人間界に分け与えてくださっているのですよ?それだけで充分なのです」
存在するだけでいいんだ。それはすごいなぁ~。
今までだまって洗顔の用意をしてくれていたセレーナが、申し訳なさそうにこちらを窺いながら頭を下げてきた。
「申し訳ございません。数多くの贈り物がありましたので、ついフウカ様のご要望を聞きそびれていました」
それにノアもはっと息を一瞬潜めた後、盛大に頭を下げてくる。
「ほんとうだ!すみません!私たちが至りませんでした!!」
二人の反応にこっちがびっくりしてしまう。
「ち、ちがうの!二人は本当によくしてくれているよ!そうじゃあなくていつも貰ってばかりだから自分で調達しないとだめかなって思ったら、その方法も知らないことに気が付いたから聞いただけだから」
あわてて否定する。
「わかりました。今度、衣装担当の精霊を呼びますわ。何着でも大丈夫ですのでデザインの中から選んでください」
セレーナがやる気満々でそう告げられてしまった。ここでは既製品はなくデザインで選んで精霊たちが編んだり縫ったりするらしい。それなのによく私の服みんな早くに調達できたなあって思う。
それを聞くとノアがたのしそうにこう教えてくれる。
「神の服を作れるとなると、精霊はみな喜んで数人がかりで争うように作成するので、本当にわずかな時間で作れるのですわ」
特に今、大人気のフウカ様となりますと競争率はすごいでしょうね。
そこまで言われて絶句する。本当に精霊にとって神はすごい大切な存在なのだなって感じ取れる。
「じゃあお願いしようかな。でもあまり何人もに会うのは嫌なので、二人ぐらいにしといてもらえるかしら?」
せっかくなのでお願いすることにする。やっぱり自分好みの服も着てみたいしね。ここまで言われるとお願いしたくなるものだ。
「とりあえず本日はどうなさいます?頂いた服も数着ございますが・・・」
ん~。せっかくだし今日会う神からもらったモノにしよう。そう思って本日の予定を聞くとこの後にレイヤが来るということだ。
「じゃあ光のものにしてもらえるかな?あ、でもこの前みたいに露出的なドレスはやめてね」
先手を打つ。結局光の衣装でシフォンワンピースのようなドレスにしてもらった。どちらかと言えばすこし短めのミニドレスで、すそのほうはシフォンになっているが形はすっきりしており白が主体でレースに金がちりばめられている感じだ。
あまり着た事ない形だけど、着て鏡を見てみると幼い顔立ちによく似合っていた。足は見えるが胸元はだいぶ上まで数枚重ねられた生地があるのでそれほど目立たない。
うん。これならいい。みんなセンスいいな。
髪も簡単にセットしてもらい、お食事もいただき朝の身支度は終了する。
二人がすばやく後片付けをして出て行ってから、突如最後にレイヤに会ったときのことを思い出す。
そういえば、キスされて告白されてから初めての授業なんだ!
前向きに考えると言っても色々ありすぎて、考える暇もなかったし心構えもまだできていない。
「うわぁ~。どんな顔して会えばいいんだろう」
奪われるようにされたディープキスの感触まで鮮明に思い出して、思わず手で顔を追ってしまう。
「と、とりあえず。深呼吸して。いままで通りなにもなかったように接するのがいいよね」
私は生徒。私は生徒。私は生徒。
この呪文を小さくつぶやく。
それに夢中になって後ろにその本人が現れているのにまったく気が付かなかった。
まったく話が進まずだらだら書いちゃっています。
次はすこし進むはず!
しょうもない内容まで書いちゃっているせいかしら^^;