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女神の憂鬱  作者: 灯星
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1.はじまり

 はじめまして、灯星と書いてあかりです。初めての小説なので読みづらいところもあると思います。

 誤字など見つけましたらぜひ教えてください。

 なぜこんなことになっているのだろうか?

 そりゃあ、学生時代はそういう小説を見まくったよ。

 主人公になってみたいなあって思ったさ。

 でもね。あくまでも昔であって今は超現実社会に揉まれて、長い社会人生活を送っているんだよ。

 周りが三十路を目前に結婚ラッシュが起こり寿貧乏になりましたよ。

 で、自分自身は結局今日でとうとう30台の大台にのっちゃいましたよ。




 

 そんな私がなんで、こんな山奥で人里探して彷徨わないといけないんだ!

 それになんでか着ていた服が胸のあたりだけぴちぴちになっている。張りすぎて服のボタンがはじけそうだ。


 いきなりふとってしまったのか???


 と、言っても鏡もないので自分がどうなっているのか見ることもできない。

それでもこんなに胸がでかくなかったはず。もともとあるほうではあったけどこんなブラジャーからはみ出しているスイカみたいな形ではなかった。

 暗くて見えないが、髪の毛もなぜか伸びている。肩にかかる程度しかなかったのに腰あたりまであって重いし邪魔だ。切ってしまいたい。

 夢としか思えない状態であるが周りに生えている樹木に引っかかった足のかすり傷の痛みが現実を物語っている。

 靴でなくスリッパしかはいていないので足はどろどろだし、傷だらけだ。


「やっぱりこれは現実なのよね?このまま私、野垂れ死にするしかないのぉ・・・???それとも獣に襲われるのぉ・・・?」


 日本の現代社会でこんな死に方する人は、私しかいないのではないだろうか。体力的にはだいぶ限界値に近づいてきていたが、あきらめることが死に直結するのでわからないなりにも滝の音がする方向に足をすすめる。

 滝があるということは水分補給ができるはず。そしたら人間に出会うことができるかもしれない。それにここで彷徨ってから2回暗くなったところなので、飲まず食わずで2日経ってしまったと考えられる。さすがにのどが渇きすぎて声ががらがら声になっている。明るくなって長くなった髪が黒から白髪になってしまっていることに気が付き、ショックでそうなったのだと思った。だが、それを悲観しているばあいではない。生命の危機にあるわけだから・・・。

 そもそもなんでこんな状態になってしまったのだろうか。

 いまの現実逃避もかねて 2日前のことを考えてみた。





「たっだいま~」


 夜の10時。だれもいない部屋であってもつい言ってしまうこの言葉。

仕事もサービス残業当たり前の状態なのでいっつもこの時間に帰宅となる。でも、今日は大好きな金曜日。そう。明日と明後日は休みだ。

 と、言っても彼氏もいない自分にとって一日は趣味の弓道場通いとごろ寝、一日は掃除と買い物になるのが毎週の週末。


「ご飯も桐生さんにおごってもらったし後お風呂入ってゆっくりやすんじゃおー」


 桐生さんとは上司。4つ年上の男性だがお互い恋愛感情もなく相手もいないので、たまに夕飯を相伴させていただいている。二人のときもあれば数人のときもある。


「あれ?」


 そんなとき、だれもいないはずなのにかすかに物音がしてその方を振り返る。


「えー!なんなの?」


 そこにはありえない空間があった。

 ブラックホールと言う名が一番ふさわしいだろうか?ゴゴゴゴ・・・と渦を巻いている。大きさは32型のテレビぐらいだろうか?それがゆっくりだがこちらに近づいてくる。

・・・・・・。


 逃げよう。


 10代であれば探究心からそれに手を出してみるかもしれないが、こっちは30代の大台にのったばかりのリアリスト。そんなこわいものからは逃げるのみ。

 とは、言ってもここは自分の家の部屋。逃げる場所といえば玄関しかない。

 財布の入ったかばんをすばやく持ち、玄関に向かうためにその渦に背を向ける。

 その瞬間。

 渦は一気に巨大になって襲ってくる。


「む・・・むり!逃げられない!でもいやだぁ~~~」


 叫びはむなしく、彼女はブラックホールに飲み込まれていった。残されたのは散らばった彼女のかばんとその中身だけだった。

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