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第六十九話 《ROOM完成記念♡サキュバス×イチゴの魅惑祭〜バズりと魂が踊る夜〜》

 夜の帳と共に、サキュバスROOMの装飾は淡い光を放ち始めた。魔性と甘味を調和させたクッション、イチゴ柄のカーテン、赤と粉色の照明が空間を包み込む。昼間とは違う、まさに“昼のカオスと夜の淫靡”が混ざり合った居心地の良い混沌だ。


 アヴェル・オレアリィがメイク直しをしながら微笑む。

「ここまで仕上がるとは……まさにわが魔性の舞台、魅せる準備は整ってるデビ」

 彼女の艶やかな声がすでにルームの空気を震わせた。


 ストロベリーホイップシンドロームは照明効果をチェックしながらつぶやく。

「この光、ほんとにベリー映えるベリー……リスナーの心拍数も跳ね上がるベリー」


 琴吹神楽と寿香久夜は背後でゆらりと座り、気品を醸し出す。

「この華やかさ、まるで夜宴の誘いどすな」「妖艶な灯りに、我が魂も揺らぎ申し候」


 アマ研はモニターを見つめながら行動プランを確認する。

 配信タイトルは「魅惑祭♡サキュバス×イチゴでバズる夜」。裏設定では昼間のカオスと夜の魔力が交錯するイベントだ。


 配信開始ボタンを押すと、視聴者数が一気に跳ね上がる。

「おお…すごい。このROOMだけで既に視聴者800人超だ」


 リスナーのコメントが画面を埋め尽くす中、アヴェルが満を持して前に進む。

「皆さーん、くまーるもいるデビ? 今日は最高に……踊らせちゃうかもデビ♡」

 視聴枠は一気に妖しい熱気に包まれる。


 ストロベリーホイップは手を振りつつスキルを展開する。

「ストロベリーフィールド発動ベリー!目に毒なピンクフォース、感じるベリー?」

 背景にピンクのエネルギーが渦巻き、コメントが「かわいい!」「映え!」と盛り上がる。


 アヴェルは笑いながら、視聴者に問いかける。

「どっちの演出が好きデビ? サキュバスモードかそれともイチゴモードか、コメントで教えてデビ♡」


 神楽が美しい声で加勢する。

「さぁ、さらに深く染み入る演出を掛けて参りましょうどす」

 寿香久夜も柔らかに手を振り、湯気立つような和の魅力をプラスする。


 配信中盤、リスナーが「コラボして欲しい!」と拍手アイコンを連打。

 アマ研は淡々とモニターを解析した後、配信窓の右下にROOMメンバー参加要請ボタンを表示する。

「この辺でストホイとアヴェルの共演タイムに移行するぞ」


 音楽が切り替わり、ダンスのリズムが部屋に流れ込む。アヴェルとストホイが息を合わせて踊り出す。

 イチゴ柄のライトがリズムに揺れ、魔性の香りと甘さが融合したショータイムが始まる。


 視聴者数は瞬く間に1200を超え、コメント欄には「やばすぎる」「神コンビ爆誕」「永久保存版」などの声があふれる。


 アヴェルが微笑みでお辞儀しながら囁く。

「見ての通りデビ♡ このROOM、ここだけの秘密空間デビ……ずっと続いてほしいデビ」


 ストロベリーホイップは揺れる髪をかきあげながら言う。

「ベリーダンス・オブ・デスならぬベリーダンス・オブ・エクスタシーだベリー♡」


 神楽の優雅な手の動きに合わせ、寿香久夜が背後で静かに拍手を送る。

 ROOMは一体となって魅せる演出を完成させていた。


 配信終了ボタンが押されると、静寂が戻るがモニターには満足げな数字とコメントが残っていた。

 アマ研がふっと息をつく。

「これが、本当の魅せるってことか。いい夜だったな」


 神楽が微笑みながら頷く。

「夜の宴として、極上の仕上がりでありました」


 ストロベリーホイップはいたずらっぽく笑い、リスナー層の動きを分析しながら言う。

「やっぱりストロベリーホイップシンドロームは最強だった……ベリー!」


 彼女たちのROOMは、この先も伝説に残る魅せる舞台として、夜を照らす灯となった。

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