表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/89

第三十九話 《幸運の使者、座敷童の加護》

 アマ研は冷静な表情で、ふと以前手に入れた召喚獣を呼び出すことに決めた。空間がわずかに歪み、そこから現れたのは、ひときわ小さな存在、座敷童だった。

 その姿はどこか懐かしさを感じさせる。まるで古びた家の片隅で静かに過ごす存在のように、ふわりと漂う雰囲気を持ち、あどけない表情の中にも神秘的な魅力を放っていた。

 アマ研はその小さな存在に心を引かれつつも、無意識のうちに召喚獣を鑑定し始めた。


「召喚獣:座敷童

 戦闘力:微弱

 スキル:幸運強化

 効果:召喚者及び仲間全員に幸運効果を付与。確率で大きな報酬や幸運を得る可能性が増加。」


 アマ研はその情報を見て、少し考え込みながら、仲間たちに向かって冷静に告げた。


「戦闘力はないが、この幸運効果はかなり大きいな」


 すぅしぃはその座敷童の姿をじっと見つめ、少しだけ眉をひそめながら言った。


「んー、戦闘力はともかく、こいつの力で運が良くなるんなら、それもありだろうな。まぁ、敵を倒すよりも、ガチャで運を試すにはピッタリだな」


 愛琉-meru-はその言葉に頷きながら、にっこりと笑った。


「そうね、アタシも運命の女神が微笑んでくれれば、最高にラッキーよ。あたし、最強の運を手に入れたら、あとは勝つだけ♡」


 寿香久夜はしばらく黙っていたが、やがて静かに頷き、少し考え込んだように言った。


「戦闘力がないとしても、もしこれが運を引き寄せる力であれば、我々の未来に新たな道を開く鍵となるだろう」


 アマ研は再び座敷童に目を向け、その小さな体が発する柔らかな光をじっと見つめた。彼はその存在に意図的に依存しないように心を保ちつつも、やはり幸運の力を借りることを決意した。


「みんな、これで試してみよう。もし座敷童が本当に幸運を呼び込んでくれるなら、次の10連ガチャでその力を証明してやろう」


 座敷童はアマ研の言葉に静かに頷き、周囲にほんのりと輝くオーラを放ち始めた。その光はじわじわと広がり、すぅしぃ、愛琉-meru-、寿香久夜の周囲にも伝わり、まるで空気そのものが変わったかのように、仲間たちの身体に浸透していくのを感じ取れた。


 アマ研はすぐにガチャチケットを取り出し、それをしっかりと手に握った。目の前に並ぶ仲間たちの期待が込められた視線を感じ、その顔には自然と笑みが浮かんだ。


「よし、じゃあこれでいくぞ。次の10連が運命を変える。全員が期待しているからな。座敷童、お前の力、見せてくれ」


 すぅしぃはその言葉を聞いて、少しだけ笑いながら言った。


「アタシの寿司も相当運を引き寄せてきたけどな、こいつの力も見ものだな」


 愛琉-meru-はにっこりとした笑顔を向け、軽くポーズを決めながら言った。


「アタシが推すガチャは、絶対に最高の結果を出すよ。さぁ、みんな、引く準備はできてる?運命を掴むのよ!」


 寿香久夜は静かに一歩後ろに下がり、その様子をじっと見守っていた。その静かな瞳の奥には、確かな信念が宿っているのが感じられた。


「どんな結果になろうとも、私たちの目的は変わらない。ただ、最良の結果を迎えるために動くのみ」


 すぃしぃは深く息を吸い込み、ガチャのボタンを押した。すると、目の前で煌めく光が広がり、いつものクマが出て来て、次々にスキルが画面に並んでいった。

 その光景を見つめるアマ研の目は、冷静でありながらも、確固たる決意を秘めていた。


 彼はしっかりと心に誓った。これから訪れる運命の一手を、決して無駄にしないように、全力で引き寄せる覚悟を決めた。


 そして、次にアマ研は心の中でひとつだけ確信を持った。それは、今後のガチャで運命を変える力が、確実に座敷童によって引き寄せられるということだ。


 その時、アマ研は微かに口元を引き締め、心の中で強く誓った。


「必ずレアを引き当てる。全員が、未来を掴むんだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ