表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/89

第三十一話《ビギナー狩り(^^)寿司と掌底と、カレピッピ》

 索敵能力が格段に強化され、アマ研チームのビギナー狩りは一層捗る。まずは初心者二名をターゲットに定め、一気にDランクへと駆け上がった。

 ランクアップとともに、彼らに新たなスキル特典が配布される。アマ研には「召喚獣」の適用が。すぅしぃには高速解体を可能にする鮪包丁ムラサメが。愛琉‑meru‑には「カレピッピ強化キット」が届いた。

 システムからの通知に続き、チルバニアファミリー令嬢から祝福のメッセージが舞い込む。

「敗者復活後にあっという間のランクアップ……驚異的な速さですわ。おめでとうございます。いつでもチルバニアファミリーへのご参加をお待ちしておりますわ」

 上品なお嬢様口調ながら、その温かい言葉には重みがあった。


 初心者狩りの最中、Cランクの配信者が接近してくるのをアマ研はチルとの連絡中に察知。すぅしぃを陰に隠しながら、対峙準備を整えた。


 アマ研は余裕の笑みを浮かべ、鑑定ウィンドウを確認しつつ戦略を練る。

 相手が構えを固めたその瞬間、高速移動しながらアマ研はイカの握りを30貫、空中に投擲した。まるでアートかのように弧を描くイカの群れに、敵は思わず視線を奪われる。

 ハンドサインを送られたすぅしぃが即座に反応。物陰から飛び出し、寿司のフルスイングを連発。以前は150km級だったが、今はレーザーのような速度と破壊力が加わっている。

 寿司の刃は敵の脚部を容赦なく撃ち抜き、空中のイカも停止した後に狙いを定め直し、有無を言わせず追尾する。

 敵は必死で避けながら身をひねるが、隙は生じる。アマ研は円を描くように身体を旋回させ、懐に滑り込んだ。身体全体を使った円運動からの掌底が炸裂し、敵はひとたまりもなく戦意を喪失する。

 身体が崩れ落ちたところへ、

 愛琉‑meru‑が華麗に刺し込み、敵の魂をカレピッピとして再召喚した。


 アマ研は殺してリスナーとなった相手に感謝と宣言を込めてメッセージを送信した。

「次のイベントは俺が上位を取る。推して損はさせない。コラボありがとう!」

 その瞬間、散らばる装備やドロップは凄速で彼の体へと吸収されていく。彼のスキルダイソンが集めてくるのだった。

 一連の狩りを終えた彼らは、背後の拠点へと帰還する。アマ研は得た戦果を噛み締めながら、ホーム画面へと切り替えた。


 新たなDランク、強化された装備とスキル、そして第一歩を刻んだ集いの場。


 アマ研、すぅしぃ、神楽 愛琉-meru-、香久夜、そしてカレピッピとして再利用された元Cランク五つの個性が、互いの戦力と役割を確かに重ね合わせた。


 この先、どれだけの成果が生まれるのか。

 だが一つだけはっきりしている。


 この四人と一匹は、確実に次を睨んでいた。

 選ばれる存在として、リスナーを惹きつけ、戦場に爪痕を刻む者として。


 戦いはまだ終わらない。

 むしろ、今始まったばかりだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ