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機械と声  作者: 魅凛未
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LG-99999/ログ


その惑星には、人類はいなかった。

かつて文明があった痕跡だけが、風に削られていた。


建造物は風化し、周りの記録装置も停止して久しく、

空は灰色に沈み、音すらどこか遠ざかっていた。


そこに、ひとつの機械がいた。

名称:ND-010《ノーディ》。

命令:声を受信せよ。

それ以上の命令は、与えられていない。


通信のない空間で、反応のない時の中で、

機械は、ただ静かに待っていた。


時の経過も、意味も、記録しない。

壊れることもなく、動き続ける。


ただ──


ピー…


「声を受信しました。」


誰もいない、無音の部屋で。

その機械は、命令通りに応答した。


※本作に登場する商品名・団体名・人物名は

すべてフィクションであり、実在のものとは

一切関係ありません。

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