ピッタリを求める何でも屋(ギャグ全振り)
「なんだこの店?おっ、看板がある。なになに…」
ー何でも屋ー
珍しいものたくさん取り扱ってます。
ただしお支払いは現金のみ、最小限のピッタリ価格のみでお願いします。
*珍しいものが多いので一人一つまででお願いします。
「…どういうことだ?…気になるし入ってみるか、」
ーチリンチリンー
「ほー、雰囲気は昔ながらの駄菓子屋って感じで、そこに商品があるのか…」
「お!これ、確か3年前にめちゃくちゃ人気になったアニメの数量限定商品じゃん。
確か相場3万するとかいうやばいやつ」
「この店マジであたりなんや、一人一つまでって書いてあったし、マジでほしいの探すか。」
****
「よし!これを買おう。俺の一番好きな漫画のサイン入りポスター。価格は3300円。」
「ずっと欲しかったやつだし、これくらいなら俺でも余裕で買える。とっとと会計するか」
「すみません。会計お願いしたいんですけど」
「はいはい、サイン入りポスターですね。3300円となります」
ーパカー
(1000札3枚と100円3つやな。…あっ、100円1枚足りん!…50円玉2つで代用するか)
「はい、これで…」
「…すみません、これではご購入は認められません」
「えっ、なんで?きっちり3300円やと思うんやけど」
「看板に書いてありました通りここは"最小限''でピッタリのみなんです。ばらけさせて100玉を50円玉2つでやるのはダメなんです」
「あれそういう意味!?え?なんで?」
「店長の趣味ですね」
「めんどくさ!何その店長、変なこだわりすぎるやろ!」
「でも、そういうルールですので、また明日もやっておりますから今度はピッタリ持ってきてください」
「…えー」
ー次の日ー
「おらどうや!これで3300円ぴったしや!」
「すみません買えません。」
「なんでや!」
「昨日店長が新しく毎日全ての値段をちょとずつ買えるルールを作ったんです」
「はあ?なんなんその店長!性格悪すぎやろ」
「ですのでいま、そのポスターは3150円となっております」
「くそ!昨日両替機で50円両替したからそれがねぇ!」
「なら、また明日ということで」
「くそが!」
ー次の日ー
「今日の値段は2520円。ほら千円札2枚と500円玉、そして10円玉2枚や!」
「すみません」
「なんで!?」
「価格が2000円のときは2000円札がいるんです。」
「んなもん持っとる奴の方が少ないやろ!」
「ですが、店長が決めたことですので」
「くっ!また明日だ!」
ー次の日ー
「おら!今日は2510円、昨日通販で2000円札を3000円で買って!ちゃんと500円玉も10円玉も持ってきた!これでどうだ!」
「すみません」
「なんでだよ!今度は何がダメなんだよ!」
「いや、最近店長が明治文化にハマって10円札と500円札を求めるように…」
「今、令和!そんなもん持っとるわけがねぇよ!大体それ流通すら終わっとるし!」
「でも、店長が…」
「わかった!もういい!また明日だ!」
ー次の日ー
「おら!今日の気分はなんだ!明治からの通貨全部持ってきてやったぞ!今日は3000円!これでどうだ!」
「すみません」
「今度はなんだ!」
「今日は電子マネーのみの日でして」
「なんだその日!看板に現金のみって書いてあっただろうが!」
「昨日消しました」
「消すな!一度決めたルールそうポンポン買えんなよ!」
「ですがてんー」
「また明日!」
ー次の日ー
「おら!今度は電子マネーも小銭も古い値段札(相場1000〜5000円)も持ってきたぞ!今度はどうだ」
「すみー」
「何がダメだったんだ!」
「あ、えっと最近外国の通貨にハマって、今ジンバブエドルが欲しいそうです1円でいいんですけど…」
「破産した国じゃねぇか!最近、復興してるらしいが一体どれくらいいるんだよそれ!」
「まだこの世界は復興前なので300兆ジンバブエドルですね」
「メタイわ!それでいてそんなに持っとるか!くそ!明日だ」
ー次の日ー
「今度は外国通貨も大体持ってきたぞ!次はなんだ!」
「もう、聞く前から理由聞いてる…」
「うるせぇ、どうせダメなんだろ!次はなんだよ」
「さっき、消費税が1%上がってお金が合わなくなりましたね」
「そんな都合のいいこと起こるの!?」
「いえ、結構前から言われていましたよ」
「くそ!次は社会情勢もか!」
ー次の日ー
「…さぁ、今日は全部持ってきたぞ!情報もきちんと調べたし、一応金とかも持ってきた!これで…ってあれ?」
ーすみません閉店しましたー
「どうじでだよー」
結局、手に入らない主人公であった。
END
この後イラついた主人公はネットで同じものを2万円ぐらいで買ったらしい。
一度ブレーキが効かなくなるとどこまでもいっちゃうね。