表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

うすら恐い 旅人の風景

うすら恐い 旅人の風景2

作者: 鷹野 進


【 十一 ある夜の山道のこと 】


 腹を空かせた大髑髏が、(あと)をつけて来る。




【 十二 赤い実 】


 村はずれの枯れ木に実がなっていた。よく見れば、手がある。それは。




【 十三 きょうき 】


 罪人を裁いてやったのだと、得意そうに喋りまくる血まみれの村男。




【 十四 羽衣 】


「天女の忘れ物かぁ」

 沼の木の枝に、薄く透明なものが引っ掛かっていた。

 水の中から雌の大蛇が目を光らせている。




【 十五 禅問答 】


「無私とは、何ぞや」

 岩の上、座禅を組んだ僧が問う。


「視る価値が無いこと」

 俺が答えれば、僧は石となった。




【 十六 氷路(ひょうろ) 】


 冬の夜にだけ現れる道がある。

 天に(まる)い寒月。しらしらと明るい。足元の白い道がよく見える。

 周囲は静か。さざ波のない鏡面。

 湖に一筋。

 氷路を渡る。




【 十七 戦禍 】


「連れて行ってください」

 屍転がる道端で、男童(おのわらわ)が言った。赤く腫れた目蓋、頬に涙の痕。


「ついてくるのは勝手だが、足はあるのかい?」

 首だけの男童は唇を噛む。




【 十八 ある春の風景 】


 きれいだと言うたびに、桜の花は散っていく。




【 十九 晴れた冬空は青く、 】


 空の高さを知った。

 雪庇(せっぴ)を踏み抜いて、崖から落ちた。




【 二十 (とむら)ひ 】


 山の中、楓の下で寝た。

 朝起きたら線香が二本、供えられていた。

 誰だ。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 十一〜十四 普通に怖い。 十五 言ってみたい。 十六 御神渡り!!(ちょっと興奮) 十七 しょんぼり(´・ω・`) 十八 これ、好き。 十九 ∑(゜Д゜) 二十 ブラックユーモア!ちょっと吹…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ