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シニガミdays  作者: タクミ/Reg
6/7

シニガミは静かに笑う

まるで、礼牙の手に持つ拳銃から飛んできたかのような言葉。一瞬の沈黙が生まれた。

『シニガミ?な、なんの事だよ!?』

...我ながら芝居が下手すぎる。

『とぼけるなって。別に確認だけだ。オレもシニガミなんだしさ?』礼牙がシニガミだと!?そんな驚きが表情に出る。『そうだよ。ボクはシニガミさ。礼牙の言う通りな。でも、なんでオレが分かったんだ?』

『シニガミの特徴って奴さ。』礼牙はそう答えた。

『特徴?オーラとかそんなのなのか?』

『間違ってはないな。オレはシニガミ同士がわかるんだ。シニガミは個々で能力を持つ奴もいる。その中の1人がオレさ。』なるほど...?さっきから話についていけない。雛の件や今の件、前者は理解出来た。しかし、今の話は混乱状態にあるせいか情報の整理すら出来ない。

『オレはシニガミなのか...』ぽつりとそんな疑問が口から出てくる。

『シニガミさ。もう既にね。』

少し笑っているような声で答えが返ってきた。

『そうか...何も分からないんだよ。』

『てことは、シニガミになったのは最近か。右も左も分からないだろうし、昔よく遊んだ墓地公園に来てくれないか?』

『あの墓地公園か...?』

その墓地公園はボクと礼牙、そして雛がよく遊んでいた所だろう。昼間でも薄暗く人通りも少ない。そして、名前の通り墓場なのだ。気味悪いらしく近付く事も禁止されるような所。しかし、3人が集まりやすい場所だったのでよく遊び場にしていた。

『礼牙、いつ行けばいい?』

行くことを決意して聞く。シニガミとして右も左も分からないなら教わるのみ。礼牙は少し考えてから、

『夜の9時位はどう?』と聞いてきた。

『大丈夫。家はボク一人だからね。叔父さんも2ヶ月前に亡くなったから。』とすぐに返した。一人暮らしのボクは門限もない。

『悠貴...いいや。キミは寂しくないのか?家族同然の叔父さんすら亡くなったのに...』

『礼牙、叔父さんは家族だよ。心中に巻き込むような親よりはね。』表情が自分でも分かるくらい暗くなった。ボクに物心付いた頃には両親は居なかった。何故なら無理心中によって親は死んでしまったらしい。ボクは何とか一命を取り留めたという。叔父はその後ボクを引き取り中学卒業まで育ててくれた。しかし、2ヶ月前飲酒運転をしていたトラックに轢かれ亡くなった。

『そうか...。そろそろ日も暮れる。お互い帰ってから準備して集まろう。』礼牙が気を使ってくれる。分かったと返しお互い帰路に着いた。

家に帰り一通りの準備を済ませると9時前になっていた。

服を着替えて家の鍵を締める。マンションを出るとそのまま公園へ向かった。

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