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幼馴染の手と言葉
校舎に入ると後ろから怒鳴り声が掛かる。
「おい、ゴミ?なに無視してんだ?」
そのまま、蹴りが背中に炸裂。前に、思いきり倒れる。いつもの事だが、何も出来ない。3人のイジメ主はボクを睨みながらさらに、腹に蹴りが入る。口の中で血の味が広がる。これが、ボクの朝の日常。死にきれない自分への禊とも言うべきか分からない。周りはボクがいないように振る舞い、立ち去ってゆく。先生達だって例外じゃない。
「なに、ボーッとしてんだよッ!!」
今度は、顔目がけて拳が飛んできた。たが、その時だった。
「やめとけよ。」不意に制止がはいる。
「うっ...蘇芳だ!」イジメの主犯と、その取り巻きは慌てて逃げ出す。ボロボロのボクと制止してくれた蘇芳 礼牙は幼馴染である。
「大丈夫か?悠貴?」
礼牙は、ボクを支えながら教室へ運んでくれた。
「ありがとう、礼牙。」
「良いってことよ。なんかあったらオレを頼ってよ。」
そう言って隣の教室へ。
そして、
「今日の昼、屋上で一緒に食べないか?」
そう、言い残して。