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手の上の灯火と...
真っ暗な山奥から家へ帰宅し、ボクは手のひらに浮かぶ炎に目を奪われていた。実態はなく燃え移ることも無い。しかし、その美しさは本物以上で暗い部屋の中1人座っているボクはそのまま朝を迎えた。朝を迎え、学校へ行く準備を始めるも炎の美しさが忘れられず捗らない。炎を見つめながら昨晩は山奥の老人について思い出していたが何も分からなかった。学校へ行く準備も終え、軽めの朝食を取ると一人暮らしの家に鍵を掛けると学校へ向う。
私立神谷学園。全国でもトップクラスの規模を誇り、幼稚園から大学まで全てが揃った名門である。ボクはその中の高等部に通う高校生『檪 悠貴』(イチイ ユウキ)だ。友達も数える程でクラスでは静かな方である。これと言って目立ったところも無い。昨日の事を除けばだが。
今日も、校門を通り教室へ向かう。
もう、一緒に行けないのかな。