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ボッチの旅立ち

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ブクマ感謝です。m(_ _)m

昴達は南に向かって道沿いに走っていた。今向かっている街まではかなりの距離がある為、通常は馬車などを用いるのだが、急な旅立ちだった事と優姫の「走ったら着ける距離だよ」の言葉を鵜呑みにしてしまったが為に徒歩で向かう事になったのだ。

だが、勘違いしないでほしい。優姫は何も嘘を言ったわけではない。通常、馬は人とは違い逆関節である為、走る事に特化している。それ故、幾ら人が敏捷のステータスで上回っていようが馬には勝てない。だが何事にも例外は存在する。ステータスが優姫程にもなると普通の馬程度なら簡単に追い抜けてしまう。

こういった認識の違いが今回の様な悲劇を生んだ原因である。

優姫がいつものペースで走ると昴達は置いてけぼりを食らう為、昴達に合わして走っているのだが、其れでも昴達からすればかなりの速さ故、言葉を発する余裕すらない。因みにディーネは昴の頭に乗っているので肉体的な疲労は皆無なのだが、退屈であるが故に精神的に参っていた。

疲れがピークに達したため、休憩を取る事にした昴達。道からすこし外れて休憩に入ると昴の頭の上に乗っていたディーネが昴とフェルに回復魔法を掛け疲れを飛ばす。それが終わればディーネはフェルの方に飛んで行き雑談を始めた。この一人と一匹は何かと気が合うみたいで、よく話している。まだまだ体力に余裕がある優姫は周囲の警戒に当たる。昴は虚空庫から取り出した水筒に口を付けながら、ふと道とは反対側へ目を向ける。因みにこの水筒はエリック商会で取り扱っている魔法瓶だ。


「ねえ優姫、この世界じゃ野生の馬を見かけるなんて事はよくあるのか?」

「そんなわけないよ。地球ですら野生の馬は居ないのに、こんな所にいるわけないよ」


昴がこの様な事を聞きだしたのは何も走るのが疲れたとか、野生の馬を捕まえて足代わりにしたいなどという事からではなく、しっかりとした理由があるのだ。


「じゃあ、あれは?」

「あれ?」


そういって優姫は昴が指す指を目で追っていくと、かなり離れたところに何かがいるのが見える。其れはダークブラウンの毛並みで馬の形をしている。というかどう見ても馬だ。

だがその光景は余りにも異様だった。野生の馬がたった一頭、群れを作ることもせず魔物が頻出するこの場所でのうのうと草を食しているのだ。


「あれはロックホースだね、馬型の魔物なんだよ」

「魔物って事は速いのか?」

「うん、速いよ。其れに結構強いんだよ」


優姫は強いといっているが、あくまでも魔物の中での話であって、優姫の脅威には成り得ない。


「じゃあ、ちょっと行ってくる」


そういって昴はロックホースへ近づいていく。ある程度近付いたところで『調教師』を発動させると昴の胸の中央付近から光の球が飛び出し、ゆっくりとロックホースに向かって飛んで行く。光の球がロックホースへ当たり弾けて消えると、それまで昴の事を気にも留めてなかったロックホースが昴に向かって駆け出した。


「おっと、あぶねぇ」


昴は大して警戒して居なかった故にロックホースの突進を喰らいそうになるが既の所でなんとか躱す。


《ほお、今のを躱すか。相手の力量も測れぬ只の小童かと思ったが、いやはや侮って居たのはこちらの方だったとは》


急な突進もそうだが、何よりロックホースが念話を使った事に驚きを隠せない昴。


《ならば本気で行くぞ。我を従えたくば貴様の力、証明してみせろ!》


ロックホースがそう言い終わるや否や数多の魔法陣が展開され、そこから拳大の石飛礫が昴に飛来する。咄嗟に水の球を創り出し迎撃するが、水では石を相殺し切れずに終いには石飛礫の一つが昴の鳩尾に入る。それにより体勢が崩れた昴は更に向かってくる石飛礫を腰に挿してある剣で撃ち落としていく。昴は乱れた意識を整え、撃ち出すのを水の球が氷の球に切り替える。

氷は水と違い石飛礫を相殺できる為、余裕が生まれた昴はロックホースへと駆け出した。ロックホースまで後少しの所で目の前に石壁が迫り上がって来た所為で止まらざる終えなかった昴は、本能が鳴らす警鐘に従って大きく後ろに飛び退く。それと入れ替わるかの様に地面や石壁から岩の棘が突き出してくる。

距離を取った昴は先程から撃ち合っている氷とは別にかなりの魔力を込めた氷塊をロックホースへと射出する。それは当然の如くロックホースに打ち砕かれるのだが、その氷塊が砕けると同時に眩い光が辺り一面を覆った。昴が撃ち出したのは只の香りとは違い、光魔法によって内部に強力な光源が込められていた。

光によって目が眩んでいるロックホースの背後へ回り込んだ昴が手に持った剣を振り下ろすが、それがロックホースに当たるよりも早く繰り出された後ろ脚によって蹴り飛ばされる。


《そろそろ魔力が切れて来たのでな、この辺りで終わりにしてやろう》


昴の方へ振り返りながらそう言うロックホース。だが魔力が切れ掛かっているのは昴も同じで、両者とも魔法を後一度使うのがやっとである。


「来いよ、返り討ちにしてやる」


その言葉と共に蹌踉めきながら立ち上がる昴。そんな昴を見据えながらロックホースは目前に魔法陣を展開し昴へと駆け出した。ロックホースが魔法陣を潜り抜けるとその身は石の鎧で包まれており、頭部にはユニコーンを彷彿させる角が付いていた。ロックホースの突進を昴は剣で受け流すもその剣を弾き飛ばされる。ロックホースは速度を落とす事なく再び昴へと向かっていった為、剣を拾う余裕なんて物は昴に無い。ロックホースの角を半身で躱しながら氷魔法を纏った拳で顎を打ち据え、意識を刈り取った。


「お疲れ、昴」

「スバルさん、大丈夫ですか?」

《ご主人お疲れ様。怪我はない?》


昴達の戦いを観ていた優姫達は労いの言葉と共に昴の元へとやってくる。


「手伝ってくれても良かったんじゃないのか?優姫」

「魔物をテイムするには一人で屈服させる必要があるからね」


優姫に皮肉を言う昴だが彼女はそれを軽く受け流す。

そうこうしている内にディーネの回復魔法により意識を取り戻したロックホース。


「起きて早々悪いけど、お前は僕の従魔になるって事でいいのか?」

《はいその認識で問題ありません》

「じゃあ、これからよろしく。ノーデス」

《あの、ノーデスというのは?》

「お前の名前だ。いつまでもロックホースって呼ぶわけにもいかないからな」

《ではこのノーデス、生涯あなた様に仕えると近いましょう。我が君よ》


こうして昴達に新たな仲間が加わった。

読んで頂き、有難うございます。

今回仲間になったノーデスについてなのですが、名前の由来は四大精霊のノームから取りました。

出来るだけ早く更新しますから次回もよろしくお願いします。

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