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プロローグ
カタン、と音をたて、棚から小さいアルバムが顔を出す。
突然現れた懐かしいそれに手を伸ばし、パラパラとめくる。
そこには、私と君だけ。
卒業アルバムとは別に、君と私だけのアルバム。
そしてふと、考える。
ああ、君に出会っていなかったら。
もし、君が私に気づいてくれなかったら。
今、私はどうなっていたのだろう。
特別頭がいいわけでもない。特別に運動神経が優れているわけでもない。
スタイルも良くないし美人ですらないし、ましてや魔法なんて使えない。
ただただそこらへんにいる、三角形の底辺にいるような自分。
そうして昔の私を例えてみる。
少し昔を振り返ってみようか。