永遠の命を。愛を。
永遠の命。
それの使い方は人それぞれだ。
例えば、やりたい事を全てやったり、時が過ぎる様子を静かに見ていたい人も居るだろう。
人それぞれなのだ。
全ての使い方が間違っていないし、正解でもない。
俺は永遠の命をある人と一緒に分かち合いたいと、、、、思う。
そのためなら、いくらでも働くし、命が続く限り神に願ったっていい。
ある人とは、子供の頃から、それも物心ついた時からの付き合いだ。
名前は、春菜。 ついでに俺は樹。
俺は、春菜と生まれたときから一緒。
保育園では、いつも一緒遊んでいたし、小学生になっても、毎日のように春菜の家に行ったり、俺の家に読んだりした。
しかし、異性を意識し始める年頃になると、会うたび、手が触れるたび、顔を見るたびに無性にドキドキした。
春菜も同じ気持ちだったらしい。
ある日、俺は春菜の家に遊びに行った。
いつも遊ぶ時は何故か二人きりだった。
その日はたまたま春菜の親が居なかった。
「今日は・・・何しようか?」
春菜がモジモジしながら俺に問いかける。
「どうすっかなぁ・・・。」
俺は春菜の顔を直視出来ないため、うつむきながら話す。
「ねぇねぇ、樹。」
春菜が俺の事を呼んでいる。
「ねぇ、樹ってば!」
「ごめん、ごめん。ボーッとしてた。」
笑いながらそういうと、春菜は少し俺に近づいて来て、
「ねぇ、樹。 私の事どう思ってる?」
顔を近づけられながら、聞かれたため心臓破裂寸前だ。
「どうって、友達。一番の。」
俺が少し嘘を言うと春菜は少し残念そうな顔をして、
「そっか・・・。」
と言った。
その時の春菜の表情は、とても切なかったが、とても可愛いくもあった。
「春菜は、俺の事どう思ってるんだ?」
聞いてはいけないと心のどこかで思っていたが、口が動いてしまった。
「・・・・男。 それも好きな。」
少しの沈黙が流れる。
俺と春菜は今までほとんど一緒に居たんだ。
それこそ、親の次くらいに。
それなのに、俺も、春菜もお互いに友達以上の好感を持っていたのだ。
いけない訳では無い。
だがこれから、幼なじみでは無く、1人の女の子・・・・彼女として過ごす。
そう考えるだけで、理性が吹っ飛びそうになった。
「・・・・・・。」
春菜は恥ずかしそうに、うつむいている。
「実は俺も、春菜の事好きだよ。」
俺が理性を押さえつけながら、一言一言はっきり言った。
「ホントに・・・・?」
「あぁ。ホント。」
俺がそう言うと、春菜は俺に抱きついて来て、ポロポロと涙を流した。
「これからも、ずっと一緒に居よう。それこそ永遠に。」
まだ、子供の頃だったが、こんな約束をしたんだ。
そして、中学、高校と付き合いながら上がっていき、高校二年のある夏の日だった。
「何?春菜が倒れた?」
春菜が家に居るとき、いきなり倒れたらしいのだ。
俺はすぐ病院に向かった。
「春菜っ!」
頭の中が、早く春菜に会いたいという気持ちでいっぱいになる。
この交差点を越えたら病院だ・・・・!
その時。 ガシャン!
「大丈夫か!樹!生きろ!」
俺は交通事故にあった。
そして、生きているものの、後一週間で死ぬと自分の感覚で思った。
「ごめん、春菜。 永遠に一緒に居られなくて。」
「ごめん・・・・ごめん。」
俺は何度も何度も心の中で謝った。
「俺は向こうで待ってる。 でもすぐに追いかけて来るな。」
俺は最後にそう言い残して死んだ。
きっと体や脳は心が諦めると止まるんだな。
親は最後の言葉が誰に宛られた物か、すぐに分かり、宛先に言葉を届けに行った。
「春菜、無理しちゃダメって言ったでしょ。」
「でも、つい頑張っちゃって。」
私は、家でテニスの練習をしていたら、熱中症で倒れてしまった。
先生に聞くと、一日で退院出来るらしい。
・・・・良かった。樹に心配かけずに戻れる。
「樹君、遅いなぁー」
「えっ!?」
「ごめんね、樹君から遊びの誘いが来てね、そこで言っちゃったらしいの、おばあちゃんが。」
「そうだったんだ。」
・・・・・少し嬉しいかも。私の事看病してくれるのかな・・・?
そう思っていた時。 ガラガラッ。
病室の扉が開いた。
「樹!」
入って来たのは樹のお母さんだった。
「こんにちは・・・。」
私は少し残念に思っていた。
その間、私のお母さんと樹のお母さんが深刻な話をしているようだった。
そして、話が終わると樹のお母さんは帰って行った。
「何の話をしてたの?」
私は気になったので、聞いた。
「春菜、良く聞きなさい。」
お母さんの顔が真剣になった。
「樹君が亡くなったそうよ。」
・・・・・。
その言葉は、今まで私が聞いた言葉の中で一番私を怒らせるものだった。
「ホントなのっ!?それは!」
「本当よ・・・。」
私は一度に色々な事を考えすぎて、意識をもう一度失った。
「嘘ょ・・・・・。」
嘘であって欲しい。
樹・・・・。好き。
友達のリクエストで書いてみました。
どうでしょうか?