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グランレコード  作者: 33
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28.危機

ギルマスをおぶって部屋に寝かせて出るとセクトさんがいた。


「マスターなら寝てますよ」


「そうなの?頼まれた本が返却されたから渡しにきたのだけど。あとで渡しましょう」


セクトさんは、そういうとじぃっと私を見る。何か顔についてでもいるのか?


「何か気になることでも?」


「いえ、ずいぶんギルドマスターと話しこんでいたようだと思いましてね。何を話していたんですか」


「いつもの如く、アリスの質問ですよ。キノコに関して右に出る人物がいないでしょう?」


真っ赤な嘘だが不振な点はないはずだ。ちょくちょくギルマスとアリスの話をしていたし。


「そうですか、さきほど三人娘が楽しそうに貴方とギルドマスターの話をしていたようでしたので」


「私とマスターですか?」


なぜだろう嫌な予感しかしない。でもなぜ嫌な予感がするのかわからない。


「えぇ、後で聞いてみたらいかがですか?」


「気が向いたら」


これっていい言葉だよね。気が向かなければやらなくていいんだし。


「ところであちらにいたのはダージリンの方ですよね。何故こちらに?」


「最近仲良くしてまして。知りたいことがあるということでギルドに連れてきたんです。確かここの蔵書は、城の図書館並みなんですよね」


「えぇ、おかげで管理が大変です。レグさんが手伝ってくれて助かってます」


「役にたっているようでよかった。あの…すみませんが彼女を待たせているのでこの辺で」


「ごめんなさい、それじゃあね」


そそくさとセクトさんを残しチアキの所へ戻る。チアキは、なにやら紙に書き込んで唸っていた。


「何で唸ってるの」


「さっきの4つのAIが誰なのかって話だ。たぶんだがそのAIのうち1つが灰猫と過程して、あと3つは誰なのか…。俺達の監視っていうと俺達の近くにいる誰かがそれなんだろうが…」


「うーん?特徴わかればわかりやすいんだけどね。全員どこかに紋章があるとか。都合良くそんなのないよね」


「ふー、ファンタジーじゃあるまいし」


ファンタジー?……あっ!あれあるじゃん。


「ここには魔法がある!それにベンが言っていたじゃないか。願えば叶うって!ここは、私達が創りだした世界だから」


「なるほど、それならいけるか!」


マルクも魔法はイメージが大切だって言っていた。だから何を探したいのかどう探すのかイメージする。


探したいのは、私達の異物であるAI。

探し方は、今まで私達が見てきた人で条件にヒットする人。これで条件が大分減るはずだ。


「お願いしまーす!」


頭の中のキーボードのエンターキーを叩いた。検索結果4件がでたと同時に立てなくなって倒れた。非常に眠いこれは疲労がMaxの時の症状だ。疲れたから少し寝かせて欲しいと思っていると思わぬ人物が霞む視界に写る。


「レグ!?」


その人物がここにいるのはおかしくない。だが都合良く居すぎるのだ。このままではチアキが危ないと体を叱咤するが体が動けないし。視界が閉じる寸前だ。せめて逃げろと伝えたい。


「おい!」


探してるAIの一人は、いまチアキの後ろにいる。

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