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グランレコード  作者: 33
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番外編 暗躍

その屋敷は、一般的に貴族街と呼ばれる西側に存在している。屋敷は、貴族の屋敷として平均的な大きさだが庭が大層広かった。だからその屋敷が手放された時、高値で取引されたがある問題のため買い手がいなくなってしまった。


屋敷には、レイスが住み着いていたのだ。それも一匹二匹ではなく3ダースもいるうえに、昼間も怨蹉(エンサ)の叫びをするので非常にたちが悪い。そんな場所に住むなど高位の光の魔術の使い手を雇える金持ちか、霊を使役する闇の魔術を使える人物くらいであろう。


だからこそ屋敷の中に人がいるなどと誰も思っていない。しかし屋敷の中には4人の人物が円卓に座っていた。そしてその中央には、この場には相応しくない女の子の人形が置かれている。


「オブザーバー1観察対象はどうでしたか」


真っ白いローブを着こんだ男が黒い服を着た若い男に尋ねる。その男は、女王陛下の筆頭執事のサッサーであった。女王陛下たちに見せていた笑みは、なりを潜め温度が感じられないような無表情となっている。


「オブザーバー4の報告通りこの世界に馴染んでいる様子ですね。最初予想された精神崩壊や異常などは見られません。観察対象は、戦闘面ではどうですか。オブザーバー2、3、4」


「うちの観察対象は、強い仲間に媚びへつらって戦闘ちゅう戦闘はあんまりやな。対人スキルはあると思うで」


茶色のローブを着た人物が言う。ローブにより顔と体格が隠されているので声で判断したいが、男とも女とも判断つかない声をしていた。


「私の観察対象は、最初のうちこそ戦闘を怖がるところがありましたが最近は悟った顔をして戦闘をしています。それにつれ戦闘の技能があがり攻撃力があがりました」


「観察対象は、ギルドマスターの元で日々剣と魔法を磨いています。特に魔法に関しての知識の吸収が早いです。"前の生活の知恵"を使い人間関係の構築も行っているようですね」


最後に、白髪が混じりの髪の男…ダージリンの執事ブラスターが話した。ブラスターが報告を終えると一拍置いて机の中央に置かれた人形が口を開く。


「マスターにこれまでの報告をしました。そろそろ計画2を開始して良いとのことです」


4人の人物は、人形の言葉に感嘆の声で答えた。人形は、その様子をただ見つめ次の言葉を続ける。


「今のところ計画は、順調に進んでいますが軽々しい行為をしないように。とくにオブザーバー4」


人形が首のみを回し後ろのブラスターを見る。見た目が精巧で可愛らしい人形がそういう動きをすると悲鳴をあげたくなるものだが、全員それが当たり前といった様子である。


「この前に接触した際に観察対象3の脳波に乱れが見られました。それも警戒心及び疑問を持ったときにしか活発にならない脳の部位がです。私達は、観察者(オブザーバー)です。観察対象に気付かれないように」


「了解しました。オブザーバー0」


そして話が終わると人形を残し4人の人物の姿が消えた。


「マスターに安息を」

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