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グランレコード  作者: 33
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番外編 大雪の対処

思わず書いちゃいました。

雪というものは、ほんの少しならば綺麗という感想を持つ。澄んで冷えた空気が太陽の光を雪に当たるのを手伝いときに鋭くときに優しく光を還すのだ。


しかし"大雪"となれば話は異なる。小さい子どもならば"かまくらだ"、"雪合戦"だと喜ぶ。しかし大人にとっては完全なる面倒ごとで道や場所を作るためにひたすら掘って掘って掘って掘りまくるのだ。


そして雪というものは、こちらでも多少降ると聞いていた。しかし今年は、例外の年らしくかなりの大雪が降ったとギルドの面々が大慌てにしている。目測でおおよそ50センチ。雪がバンバン降る東北出身ならば慌てる程でもない。それでも大事らしく交通も事務もなにもかも全てがストップしている。


「あっ?おめぇなにしてんだ?」


「なにって雪かきの準備。とりあえずギルド周辺の雪かきしないと依頼こないだろ」


「雪かき?そんなの魔法使いや魔術師が火の系統の魔法や魔術を使って溶かすからいらねぇよ」


その手があったかと納得したがたぶん…


「それ無理じゃない?」


「毎年使ってる手だぞ」


「じゃぁ聞くけど雪が溶けたらどうなる」


「水になって流れんだろ」


そこまではいいのだ。


「水は空気が冷えてたら氷になるんだよ?道路が全部氷張りになると思うよ」


「まさかそんなわけ…「魔法と魔術で溶かしたのに道路凍ったぞ!」


「それじゃ馬車が走れないじゃないか!」


「そもそも雪を溶かすのは楽だが氷溶かすのは上級魔法の火力か中級の火力でじっくり炙るしかないぞ」


「上級魔法使ったら道路が丸焦げだろうが!」


そんな声が響く。ふふふっ、私の出番ですね!


「皆さん聞いてください!」


私がそういうとなんだなんだと皆がこっちを向く。


「ここにいるのは、体力自慢の冒険者なら古典的な方法で雪かきをしましょう。雪をかいて一ヶ所に集めたら溶かすという方がのちのち楽です」


「雪かきの道具はどうするんだ。木のスコップがないぞ!」


「金属のスコップを使います。金属のスコップに下級の火の魔法をかけながら使えば雪がつきません!」


私がそういうとなるほどと頭を降る。


「ならヒーラーは、体力と魔力回復を担当します!」


「そういえばアイススライムとグランドイーターのキメラ作ったわね。実験で使ってみようか」


などと動こうとしている人物もいる。


「雪かきするぞー!!」


「「「おー!!」」」





それでさっそく雪かきをすると結構うまく機能した。ギルド周辺は、凍ってしまい雪かき不可能なので道路を中心に雪かきしていく。ここでかなり役にたったのはクリスのモンスター達である。ギルドメンバーがかいた雪をモンスター達が引いているソリに積んでいき、魔法使いや魔術師の場所へ捨ててくるというものだった。


「おー!レグじゃないか」


「あっ、Xさん。こんにちは」


Xとその弟子達が店の前の雪かきをしていた。服装がタンクトップなのだが寒くないのか?


「ギルドの連中総出で雪かきしてるか?」


「はい、そうじゃないと依頼来ないでしょう?暇なのですよ」


「そうじゃなぁ。年寄りにゃつらい雪じゃな。いつもならここらへんまでダージリンギルドが雪を溶かしていくんじゃが…」


たぶんうちと同じことが起きて氷溶かしてるんじゃないですかね。


「職人さんや商店の周りはうちのギルドでいけると思います。でも一般のお宅までは…」


「それに関しはウバの連中がやっとると思うぞ。柄の悪い連中が多いギルドじゃがこういうのを一番進んでやるギルドは、ウバじゃからな」


「へー」


ウバの人は、あったことないけどその話のイメージだと見た目怖そうだけどお年寄りに優しいヤンキー思い出すな。


「まっ、頑張ってくれ」


「もちろん」






3時頃には、あらかた雪かきが終わった。もちろん途中休憩は挟んでいる。昼には、なんと商店や料理店の人たちが労いとして昼食を出してくれる嬉しいサプライズもあった。


「疲れたー……」


ギルドに戻りホールでぐったりする。足腰は常日頃鍛えているからいいが背中の筋肉がプルプルする。原因は弓で使う筋肉じゃないからだ。

ぐったりした私やギルドメンバーを労うようにアリスや人形達?が温かい飲み物を配っている。


「お疲れなの」


「あっ、ありがとうスー」


スーが渡してきた飲み物は、チャイのように香辛料と牛乳が入った紅茶だった。香辛料の香りが疲れた頭をしっかりとさせ、温かく優しい味が疲れて冷たい体を温める。


「アー!お前なにもらってんだよ」


スーラブがうるさく私のカップを指差し言う。どこにそんな元気あるんだお前は。


「あげる」


「ありがとうございます!!」


スーからカップを貰うと恭しくカップを見る。こいつまさかこのカップを家宝にするとか言わないよな?


「みんないるかい」


ギルドのホールにギルマスのウーナンの声が響く。


「うむ、主要人物がいるね。ちょうどいい。女王陛下が今回の雪を災害級の認定をした。よって今回の雪かきに参加した人物に少ないけど報奨が出ることになった。該当者は明日、受付で報奨を貰うように」


それだけいうとウーナンは、またギルドの奥に戻っていった。だが、その行動は誰も見ていない。なぜなら、報奨がでるとみんな浮かれたからだ。


「報奨より今は、風呂入って寝たいな……」


なんて言ったらなぜか雪かきメンバーに詰め寄られた。


「魔力が少ねぇ俺達が動けたのはあんたのお陰だ」


「今日は、一緒に酒飲もうぜ!イケる口だろ」


「祝宴だ。祝宴!」


「カルタス酒屋でーす。御礼にうちの酒持って来ましたー」


なんてときに来るんだ!


「「「ウォーー!!」」」


結局付き合わされてガンガン飲まされた結果潰れた。朝起きるとアリスを抱き枕にして寝ていた。その近くには、死屍累々という光景になっててビビったのはいうまでもない。


ついでにいえば今回出番のなかったトリカブトは、雪を溶かす薬品(たぶん塩化カルシウム)をギルドにこもり作り続けていたらしい。

作者も雪かき疲れました。皆さん雪かき頑張りましょう。

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