その98
パレードを夢中になってみている美香の横顔を眺めた。
・・・・・言うならいまだ・・・・
そっと抱き寄せて、僕は美香の耳元でささやく。
「美香、高校卒業したら僕のところにおいで。」
美香が僕のほうを向いて、きょとんとした顔で言う。
「え?優ちゃんのアパート狭いし無理だよ?でもなんで美香が優ちゃんとこの付属の看護大学が志望校だって解かったの?」
・・・・いや?知らなかったよ?今知った・・・・・・
「優ちゃん家で下宿できたらそりゃ、美香は助かるけれども?あの広さじゃあなぁ~」
そしてにっこり笑って、気にしてくれて有り難う優ちゃんと言う・・。
・・・・・いやそうでなくって・・・・
・・・・・そうだこいつは、あいまいな表現は通用しないんだった・・・・・
「いや、同居は出来るよ・・・引っ越すつもりだし・・って、いやそういう意味ではなく・・・」
・・僕が慌てて次の台詞を言おうとした瞬間美香の心は、パレードに持っていかれた・・・・・・・
パレードが終わって、僕らは手をつないで、ホテルへと帰途についた。
「・・・・なんか、もう一日が終わっちゃったね。」・・・と美香。
「・・・あっとゆう間だったね・・。」 ・・・と溜息の出る僕。
僕らは、ゆっくりと二人で歩いていた。
・・・もう一日が終わる、僕は何してるんだろう・・・・・
そんなとき夕方キスした、建物が目に付く。
まばらになった人影を見ながら、僕はキスした建物の影に、美香を引っ張りこんだ。
そして抱きしめて、逃げようとする美香の、耳元でささやいた。
「・・聞いて欲しい事があるんだ・・。」
美香が不安そうな目で、僕の肩に手を置く、”なあに・・・?”と不安そうな声が聞こえる・・・・・。
・・・・・言うなら今だ・・・・
僕は美香と向き合って、片手で顎を上げる。
「美香、あのね・・・・」
その時いきなり強い光が僕らを照らした。
「そこ!!何してる!!離れなさい!!!」
_________
「何で僕が、未成年保護条例違反なんですか!!」
「だから!!僕は両親と彼女の、両親と一緒にここのホテルに泊まってて!!」
・・・僕は、パークの保安室にいた・・・・
・・・・・美香は別室で、婦警と待機中で・・・・・
・・・・僕は取調べを受けていた・・・・・・・
「通報があったんだ、保護条例に引っかかる怪しい男がいるって。」
「あんなくらい所で何をしてたんだ?」
「・・・プロポーズ・・・・」
刑事のびっくりした顔が見えた。
「・・・え?」
僕は怒って、言った。
「だから、プロポーズ!!!彼女に結婚を申し込もうと思ったの!!!」
刑事が僕の顔をまじまじ見て言った。
「・・・・あの子いくつだ?」
僕はふてくされて答えた。
「・・・14.」
刑事が呆れた顔で僕に返す。
「・・・・真剣な交際をしてたら・・・てくだりは確かにあるが、言い逃れに使うにはチープでないか?」
僕はそいつの顔を睨みつけながら言った。
「・・・チープも何も事実ですから・・?」
「ふざけるな!!」
テーブルをたたき僕の顔を見る刑事をもう一度睨んだ。
「・・・美香に合わせてくれませんか?」




