その95
美香を抱きかかえたままホテルに向かった。
途中、美香はおろして欲しいと僕に訴えたが、僕は聞こえない振りをした。
・・・・美香の温もりを、感じていたい・・・・。
ロビーについてソファーに美香を座らせて、待つように伝えてチェックインの手続きをした、足を見ながら僕になにか言いたげにしている。
・・・・多分一人で歩くと言いたいんだろう・・・・
「お連れ様は、先ほどお部屋のほうにいかれました。」
フロントにお礼を言い、ボーイに荷物を任せて、一人で歩けると、ごねる美香をもう一度抱えて部屋に案内してもらった。
ドアを開けると、まず、ダブルベッドが見えた・・。
美香が僕の腕の中で、怯むのがわかった。
でも、部屋はかえてやらないよ?
・・・・・夜は長いんだ・・・。
僕の心の中の思いを、美香の頭にキスを落とす事であらわしながら、美香をベッドに座らせて、ボーイに施設の案内を聞く。
その間に美香は、ベッドの向こうに広がる窓から見える景色に目を奪われて、今萎縮していた事も忘れテラスに裸足で駆け寄っていった。
「すごーい!!優ちゃん!!パークの中心が、目の前に見える!!」
テラスに出てはしゃいでる美香を見て、ボーイが思わず微笑んでるのが見える。
その、ボーイの笑顔に少しむっとしてる僕がいた。
・・・ボクノダ、ミルナ・・・・
「この部屋は、パレードも、花火も良く見えますよ?」
ボーイの言葉に、目を輝かせながら、ほんとに?と答える美香を見ながら、きっと美香に気づかれたら怒られるだろう感情を隠して、笑顔でボーイにお礼を言った。
彼が出て行った後、テラスから身を乗り出している美香の後ろに回りそっと抱きしめる。
・・・・アタタカイ・・・ヤワラカイ・・・・・
「ここから、二人きりでパレード見る?」
僕のそんな言葉に、また美香が怯んで、僕の体を押しのけようとした。
僕はそれに逆らわず、離れて美香に言った。
「足の手当てしようか?」
下を向いてうなずく美香を、ベッドに誘導して傷の様子を見た。かかとの皮膚がはがれて血が出ていた。
「・・洗ったほうが良いし、バスルームに行こうか?」
僕の言葉に、美香は下を向いたまま、・・自分で出来る・・と言葉少なげに言った。
僕は美香の足を、洗ってやりたかったが、美香の言葉に諦めた。
「じゃあ、石鹸で良く洗って、洗い流して・・?」
僕の指示にうなずいて、それでも、僕のほうを見ずに、バスルームへ向かって、足を洗う様子を見守った。
僕のほうを伺いながら、痛そうに足を洗う美香に指示を出す。
「美香?痛いと思うけれど、しっかりと洗って。」
僕の指示に従って、洗い終わった美香の足を拭いた。
このまま、ずっと触れていたい・・僕のものにしてしまいたい・・そんな思いを押し込めて、僕は保護剤をはって、その上からビニールのテープのようなものを貼っってやった。
「靴下はいて、スニーカーはいてみて。」
僕の指示に従った美香が、スニーカーをはいて部屋の中を歩く。
「・・・わぁ!!痛くない!!優ちゃん魔法使いみたい!!」
美香の素直な賞賛に僕は嬉しくなって思わず彼女を抱きしめ、美香にささやいた。
「じゃあ、ご褒美もらって良い?」
僕の言葉の裏にこめられた邪な思いに気づかずに、足に気をとられた美香は”いいよ?”・・と答える。
僕は黙って、美香を抱きしめなおして、顎を持ち上げる。
美香がしまったという表情をしたのが見えたる。・・・・・もう遅いよ?・・・・
「・・大人のキス・・してもいいかな?」
逃げようとした美香の首から後頭部にかけてを、片手で固定し押さえ、にっこり笑いながら言った僕に、美香が抗議の声を上げようとしたその瞬間僕は彼女にくちづけ、美香の舌を絡め取っていた。
逃がすものか、僕のものだ。
長いキスの後、美香が僕の胸に顔をうずめた。
「・・大丈夫・・?」
少しわらいながら言った僕の台詞に、美香がそのままの姿勢で答える。
「・・・・・全然大丈夫じゃない・・・」
美香のくぐもった声が、僕の胸に直接響く・・・・
「・・・まだ加減してるんだけれども?」
僕の笑いながらささやいた、言葉に美香が顔を上げて言った。
「・・・優ちゃん、美香はまだお子様です。取り扱いに注意してください。」
爆笑した僕に、美香が怒った。
「笑い事ではありません!!美香まだR15指定の映画一人で見れないんだよ!!」
真っ赤になって僕を睨む美香が見える・・・・可愛い・・・思わずもう一度触れるだけのキスを落としてみたら美香がますます怒ってるのがわかった。、
「でも、保護者と一緒なら大丈夫だよ?」
と僕が言い訳すると。
「優ちゃんは保護者なの?」
と下を向いて僕の様子を見ながら返してくる・・。
・・・・・・そうだ・・・、保護者ではないよ・・・・・
「・・じゃあ、恋人としてどこまで許してくれる?」
と、美香に聞くと、口をへの字に曲げて、悩みだした。
・・・面白い・・本当に飽きない・・・
僕はそんな、いとおしい美香を見ながら、ポケットの中の小さなケースを握り締める。
・・・・美香、保護者ではない、パートナーとして、君を一生守る立場に僕をしてくれる?・・・




