表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
昨日見た夢  作者: 清水澄
91/185

その91

美香視点です。 


清水 澄 拝

優ちゃんが変だと思う・・。


 今朝あった時から、必要以上に美香に触って来るし、ずっと何を言っても笑ってる・・?


 以前から、美香には優しかった。

 優ちゃんが、高校時代、クールでかっこいいと言われてかなりもててたのも知っている。


 クールに見えるのは、他人に興味がないからで、関わるのがめんどくさいから、一線引いているだけなのにそれを知らない女の子からよく待ち伏せされて心底嫌がっていたのも知っている。


 嫌いな人には容赦ないが、空気を読むのがうまく、頭も良いので、辛らつな発言をしても気づかれづに受け入れさせてしまう。


 ・・・・ある意味非常に扱いにくく、恐ろしい人なのに、どうしてみんな気づかないんだろうと思う・・。・・・


 だから私は、お医者さんになると聞いてびっくりした。


 ・・わがままで、すぐにひねて、見栄っ張りなのにそれを気づかせづに、周りを何時の間にか操る・・。


 そんな俺様な性格の人が、病気の人をどうやっていたわるんだろうと・・?


 でも、卒業して、時々帰ってきた時聞く優ちゃんの話は違った。

患者さんに一生懸命で、周りが見えなくなるぐらいに真剣に関わって、いろんなことで悩んで、それを美香に打ち明けてくれた・・・。


そんな優ちゃんははじめて見た。

そして思った。・・ああこの人は、めんどくさかったんじゃなくて、人と関わるのが怖かったんじゃないか、関わり方が解からなかったんだろうって。


そして、入院した時に優ちゃんを見て、その思いは確信に変わる・・。


 あれだけ、昔は頭がよいことをかくさず、周りとじぶんはちがうんだという態度をとってそれを回りに認めさせて。

 物事を斜めに見て、それを周りに気がつかせずにシニカルに笑っていたのに・・・

 いやな事は、自分以外の人が引き受けるように、上手に立ち回っていたのに・・・


ストレートに患者さんや、スタッフと関わり。

周りで起こる出来事すべてを自分の糧にすべく貪欲に取り組んで。

一生懸命すぎて食べる事寝る事をしばしば忘れる・・。


 この人は、誰なんだろうと思う・・・。


それでも、美香の病室の入ってくる時は、何時もの優ちゃんだった。


 ひねて、おこって、すねて、美香を馬鹿にしてからかって。


 そして、昔と変わらない大好きな笑顔をくれる。



私が見たのはほんの少しだと思う、でも充分だったとも思う。


そんな、優ちゃんを助けたいと思った。

美香に出来るお手伝いをしたいと思った。


 そんなときに、優ちゃんの美香に対する態度が変わった。

 必要以上に触れてくる。とても妹に対しての行動とは思えない過剰なスキンシップ・・・。

 私に対して、欲望をぶつけているとしか思えない・・。


最初は何が起こっているのかわからなかった。

私が興味本位でキスして欲しいなんて言ったから?

仕事のストレスをどこにぶつけて良いかわからなかったから?


 最初は嫌だった、逃げる事しか考えていなかった。


・・・逃げる?どこへ?優ちゃんのいないところへ?・・・・・


そして、あの温かい、居心地の良い腕を一生失うのか。

あの優しい笑顔がずっと見られなくなるのか。

私が泣く場所はあそこしかないのに・・。


・・・・・いやだ!!!・・・・・


我慢しよう、どんな事でも受け入れよう。

それがたとえ、一時期の気の迷いだとしても、私が我慢すればきっと優ちゃんはその内気づいてくれる。


 ・・・私は妹だ、恋愛対象ではない・・・・・


そう思っていた・・・陽子ちゃんに言われるまでは。


アルバムにあった、私の知らない私。


・・・いったい、いつから?・・・

 ・・・・どうして教えてくれなかったの・・・

   ・・・本当に、美香うぬぼれて良いの・・・


12歳年上の大人の男の人の気持ちを、子供の私がどれだけ解かってあげられるかなんてわからない。


 私でいいんだろうか?


優ちゃんに思いを打ち明けられてから、そしてそれを受け入れてから、毎日自問自答している。


ねえ?優ちゃん?美香中学生だよ?どこに行っても、妹に間違えられてるよね?

   そんなので良いの?優ちゃんはそれで満足できるの?


毎日そんな事を聞きたくなり、何度もメールしようとして、そして消した・・・。


・・・結局送れるのは、お休みなさいのみ・・・・・


 本当に、美香優ちゃんの隣にいて良いの?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ