その9
文化祭のイベントが終了して、僕の周りはとても静かになった。
美香効果(?)のおかげで周りに煩わされる事なく受験に専念でき。
僕は志望校に合格した。
だがここで問題が一つ発生した。実は僕が志望した大学は通学に2時間以上かかるところにあった。
そのための往復4時間の通学時間が勿体ないために僕は家をでるか、それとも通うかで迷っていた。
通学する事は苦痛ではない、しかし、この通学時間では、今後実習にはいれば、帰宅できないことも予測される。
だからと言って家をでれば、美香との接点が少なくなる。それでなくとも美香は僕の事をお兄ちゃんとしての位置づけから動かそうとしない。
僕の知らない内にどこの馬の骨ともわからないやつに、美香を持ってかれるなんて想像できない。まだ小学生なんだぞ?大丈夫だよ?冷静な僕が告げたが、もう一方の余裕のない僕が、僕のいない間に美香に他の男がアプローチしたらどうするんだとささやく・・・
そんなこと我慢できない!!!
決めきれないままに、卒業式を迎えた。
ある日美香の家で一緒に夕食を食べた後、美香が僕が小学校のころに所属していたサッカーチームの事を聞いてきた。
小学校2年以上が所属できる少年団の一つで、美香は今年度から小学1年生。まだ無理だと思うと告げるとデモね、と美香が言った。
「保護者が一緒に来てくれるなら特例があるんだって」
と僕に一緒に入団するように勧める。美香がサッカーがすきだったとは知らなかった・・・・。
「でも、もしかしたら春からむこうにすむかもしれないし、そうすると週末ごとに帰ってくるのは厳しいと思うよ?」
僕が当たり前のことを告げると、残念な顔をしてすごすごと、2階に上がっていった。
美香がいなくなってから叔母が、苦笑いしながら言った。
「ごめんね、わがまま言って。実はね・・・美香と良く遊んでくれた、2学年上のよっちゃん覚えてる?」
ああ、あの美香に付きまとってた義弘か・・・。覚えてますよ・・?本当にうっとおしかった・・。
「はい、何となく覚えています・・・」
「あの子がね、サッカーしてるのよ」
いやな予感がする・・・・・僕は返事も出来なかった。
「・・・・・・・」
「美香、どうも一緒に居たいみたいなんだけれども、学年が違うからなかなか遊べないみたいで、それで、よっちゃんにさそわれたらしいのよ。」
僕は、きっと憮然とした表情で考え込んでいたと思う、事実返事もしたくなかった。
「・・・」
「よっちゃんは、優ちゃんのこと尊敬してるんですって、あなたに会いたいから美香に特例のことを教えてくれたみたい、優ちゃんと一緒ならこれるって。もちろんあの子も美香にも来て欲しいみたいだけれども。」
でも、無理よね・・・と叔母はいいながら出て行った。
僕は義弘のことなんかわずらわしいとしか、思った事ないぞ・・!すかれてるなんて迷惑だ!!!!
・・・本当に、このまま学校の近くに越して美香との接点を絶ったらどんな虫が美香に付くかわからない。
断固阻止してやる!!!!!
僕は2階に上がり美香の部屋のドアをノックした。
「・・・・はい、」
中から元気のない美香の声が聞こえる。
僕は美香の部屋に入りながら美香に言った。
「一緒に入団って、指導員の立場になるのかな?」
美香が、ベッドから身を起こしびっくりした目でこちらを見ていた。
「いいの!!!?」
ベッドに腰掛けて座って美香の横に片手を置いてもう一方の手で、美香の柔らかいピンクの頬をなでながら伝えた。
「いいよ、但し今年1年だけかもしれないよ?」
うん、来年は美香普通に入れるとしだから大丈夫!!起き上がり僕の背中に手を回し抱きついてくる美香を抱きしめた。
このぐらいの役得はあって当然だろうと思う。
母に、今年は下宿しないと伝えると、僕の顔を呆れたように見ながら、美香ちゃん早く大人になると良いわね・・・と言った。でなけりゃあんた犯罪者ねと・・・・
・・・・・・・・よけお世話だ・・・・・・。




