表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
昨日見た夢  作者: 清水澄
8/185

その8

5/29 改稿

 「優兄ちゃん!!!何で最近美香と遊んでくれないの!!!」

ーーーーー

 7月に入り、文化祭に向けて多忙な日を送る僕のところに美香が飛び込んで来た。

 あの祭りの事件から美香をかまうようになった僕を彼女は遊び相手と認定したらしく、何かといっては僕にまとわりつくようになった。

 でも僕は文化祭の準備で帰りも遅く、家に帰るとお風呂に入って寝るだけの毎日・・。

 かまって欲しい美香が僕を待ちきれず、僕のベッドで寝ているのを溜息をつきながら見るだけの日々が続いてた。

 疲れて帰って、可愛い美香の寝顔を僕のベッドに見つけるのは癒される反面、僕の思春期のやりたい盛りのある部分を刺激されて、非常に困る時もあり・・・。

       ・・・6歳児に何考えてるんだと、呆れたり、嫌になったり・・・

 でも寝てる美香にこっそりと、(兄としての!?)キスをするのが楽しみだった。

     

ーーーーーーー

 「最後の文化祭と体育祭だから忙しいんだ。」

うるさく叫ぶ幼稚園児をあしらいながら、僕だってお前とのんびりしたいよ・・とため息をついた・・・。

 なんで執行委員なんて押し付けられる羽目になったんだろう、そういうのはうまく逃げていたのに・・・。

 最後だからと、生徒会会長の友人に頼まれて断りきれなかった、自分の甘さに溜息が出た。


そんな僕に、美香が僕の顔をしたから覗き込んで、重大な発見をしたように声を潜めていった。

「・・・優兄ちゃんまたラブレター入ってるよ?」

ふと自分のかばんを見ると、かばんのポケットからピンクの封筒が覗いてるのが見えた。


・・・いつの間に・・・・


美香はそっと宛名を見てささやいた。

「これ、こないだの人だよね?」

良く覚えてるなお前?いつの間に漢字読めるようになったんだ?

興味もなく、疲れてた僕は宛名も見ずにその手紙をかばんから抜いてゴミ箱にほりこんだ。


「!!!優兄ちゃん!!」

美香が非難する声を上げて、僕を見た。


 うるさい!!人の気も知らないで・・軽く美香をにらみつけると彼女が息を潜め逃げる体制に入るのが見えた。


・・・まてよ?・・・・

僕は思わず美香を呼び止めて、美香に聞いた。

「美香?今度の土曜高校に来る?」

美香は怒られると思っていたらしく、外にでようとしていたが僕の提案に目を輝かせ、戻ってきた。


そして目を輝かせながら、僕の傍に来て僕のひざの上に乗っていった。

「行っていいの?」

僕はそんな美香を抱きしめながら答えた。

「文化祭なんだ、でも・・・一人でこれる?」

美香は僕にきらきらとした目を向けながら嬉しそうに言う。

「うん!!美香一人で電車乗れるよ!!」


・・・ああ・・一人で電車乗れる事が嬉しいレベルのお子さまなんだよな・・こいつは・・・。

 

僕は美香の年齢に思い当たり、何でこんなお子様がすきなんだろうと溜息が出た。

でも仕方ないよな?好きなんだから・・。

そして、視線を合わせて美香に伝えた。

 

「じゃあ、高校の最寄り駅まで迎えに行くから、電車の時間も間違えずに乗るんだぞ?」

「うん、大丈夫だよだって美香来年小学生になるんだもの!!!」


     ・・・・・そうだよ、お前は来年やっと小学生なんだよな・・・。

 もう一度自分の年と美香の年の差を考えて溜息が出る・・・。


心の葛藤をごまかしながら、でも好きなんだと思いながら、自分の気持ちを整理するために美香と離れたかった。

「・・・・・・もう帰りなさい」

美香は僕の機嫌が直ったと思ったのだろう、自分のお子様な要求をぶつけてくる。


「え~~美香優ちゃんと一緒に寝たい!!」


 ・・・止めてくれ・・お前が来年やっと小学生だとしても・・

 健康的な17歳男子としてはお前に隣で寝られるとイロイロと困るんだよ・・。

       

 ・・・・・・・何でお前は幼稚園児なんだ?・・・・・・


僕は自分の思いを美香に知られたくなく・・・でも出てくる溜息は止める事も出来ず・・・。


「・・・聞き分けないと、連れてかないよ・・・」

僕の不機嫌な声色に、美香はすごすごと帰っていった。


         ・・・僕もお前と寝たいよ?でもね、思春期の事情もわかって欲しい・・・・



 約束した土曜日、執行部の仕事の合間を縫って、僕は美香を迎えに駅に行った。

 

 満面の笑みの美香をどさくさにまぎれて抱きしめて、手をつないで学校へ向かう。


僕は美香を誘った目的を美香に告げた。

「美香・・・。お願いがあるんだけれど」

「どうしたの?優ちゃん?」

怪訝そうな顔で僕を見上げる彼女に僕は言い聞かせる。

「前に、ラブレターの返事をきちんとしろって美香言ったよね?」

美香は不思議そうに言った。

「うん?」

僕はわざとらしく困ってる風を装って美香に言った。

「そしたら、余計に気に入られて、今ちょっと大変な事になってるんだよ・・。」

美香が不思議そうな顔で僕の顔を見上げながら言う。

「・・・・・・?なんで?ゴメンナサイって言ったのに駄目だったの?」

僕は美香の顔を覗き込みながら続けた。

「ゴメンナサイでは納得できないって言われちゃったんだ」

美香はますます不思議な顔をする。

「・・・・なんで?」

「・・・なんでかわからないけれど、彼女達を納得させるために僕のお手伝いをしてくれると助かるんだけれどもな?」

美香が下を向いて僕の手を強く握り締めて言った。

「美香の出来る事なら優ちゃんなんでもするよ!!」

よし!言質は取った!僕はうっとおしいお誘いを一掃するための計画を実行する事にした。


 執行部の仕事を他の奴に押し付けて、美香とともに校内を回った。そのこ誰?と友人に聞かれる度に、僕は美香を抱きしめながら”恋人”と答える。


・・・・・・しかし誰も本気にしてくれなかった・・・・・・

 

 でも僕は、誰にはばかることもなく自分の気持ちを公言できるこの機会を開放感を味わいながら楽しんでいた。


             そうだ、美香は僕のものだ。



 美香を連れていろいろな所で、美香との関係をアピールした結果、僕らはいつの間にか、ラブレターをくれた子たちに囲まれていた。


「・・・中野君、そのこは誰?恋人だなんてふざけたこと言わないで。」

「・・・本当に付き合ってる子を、今日つれてくるって言ってたくせに、何で誰も来てないの」

集団になると、女性は怖いかもしれない・・・。

でも僕は、自分で作ったこの状況を心の中で笑っていた、思惑どうりだ。僕は彼女たちを見回しながら答えた。


「間違いなくこの子が僕の想い人だよ・・・?」

平然と言いはなった僕の言葉に彼女たちがますます怒った。

その内の一人が僕に言った。

「だったら証拠見せてよ!!!」

僕は待ってましたとばかりに彼女たちに微笑んで答えた。

「・・・・いいよ?」

僕はかがんで美香を抱きあげて触れるだけのキスをする。

もちろん美香は普段から両親とも、僕らともキスはしなれてるので普通に返してくれた。


・・・でも彼女たちはそんなことは知らない。


ざわざわと、悲鳴のような呟きが聞こえて来る。


「・・・・!!うそ!!」

美香の柔らかさを堪能して、暫くして顔を上げると唖然としてる彼女たちの顔が目に入る。


「・・・ロリコン!!」「うそ!!」


 口々に信じられないといいながら引いていく彼女たちを僕は見送る。

 誰も残らなかった。あっけにとられた後に、大笑いしてる悪友以外は・・・。


 「おまえ、相変わらず、思い切った奴だな?どうすんだ?変なうわさが立ったら。」


僕は微笑みながら平然と答えた。

「煩わしさから解放されるなら、別にうわさなんて気にならないよ?それのほんとうのことだし?」


 美香を抱き上げながら言った。


 美香が不思議そうに僕の悪友に聞いていた。

「・・・なんで?お兄ちゃんとキスしたらいけないの?美香パパとママとも毎日してるよ?そりゃあ優兄ちゃんは最近嫌がるから、してなかったけれど・・・?何で悪いうわさ立つの?」


 素朴な美香の疑問に悪友がまた笑いながら言った。”お兄ちゃんとキスしたんだ?”・・と


 「・・・俺は、お前のお兄ちゃんじゃないよ・・・。」


 笑いながら言う悪友の言葉を無視して、美香を抱きしめながら、ため息をついて美香にこぼす僕を見て、彼は息を飲んで・・”まさかな? 本気じゃないよな?”と小さくつぶやいた。



        ・・・いや、本気だよ・・・・

           ・・・自分でも馬鹿だと思うけれど、幼稚園児に恋してるよ、僕は・・・・・




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ