その77
優ちゃんは、何も言わずじっと私を見つめていた。
そんな優ちゃんをを見ていたら、急におかしくなった。
私は何をしてるんだろう?人の気持ちなんて操れるはずもなく・・・。
ましてやこの人は、私のオムツを変えてくれた人だ・・・。
いまさら私に特別な感情なんかもてるはずないじゃないか・・・・。
・・・・自分の馬鹿さ加減に笑えて来た・・・・
部屋を出ることにした。
・・・・・・・これ以上優ちゃんに八つ当たりをする前に・・・・
ドアを出ようとしたら、腕をつかまれて引き戻された。
・・・そして気がつくと、抱きしめられていた・・・
・・・ユウチャンナニヲシテルノ・・・・・
「・・誰が、妹として扱ってるって・・・?」
いきなり抱きしめられて、真っ白になった頭に言葉が響く・・・。
・・・・ナニヲイッテルンダロウ・・・・・
私は、逃げようともがいた。
でも優ちゃんは、逃がしてくれなかった。
・・・イヤダ、モウコレイジョウ、キタイシタクナイ・・・・・
体が引きずられた。
天井がいきなり見えた、その一瞬の後、優ちゃんの顔が真上にあった。
優ちゃんは静かにもう一度同じことを問うた。
「・・誰が、妹として扱ってるって・・・?」
怖かった・・・いつもと違うその瞳に、その顔に、その様子に息ができなかった。
「・・・優ちゃん、上から目線で怒ってばっかり。」
何が始まるのだろう・・・不安に押しつぶされそうになりながら、文句を言ってみた。
優ちゃんは答えずに、キスをしながら、私のブラウスのボタンを外して唇をずらす。
その位置のまま私に呟いた。
「・・・妹にこんなことするもんか・・・」
優ちゃん止めて・・・美香、間違えてしまうよ?
自分の愚かな考えを笑っていたら、本当に笑えて来た。
そして優ちゃんをたしなめる。
「優ちゃんくすぐったいから止めて!!美香が、くすぐったがりなの知ってて、面白がって触るの止めて?」
・・・・ユウチャンイイカゲンニシテクレナイト、ミカ、マチガエテシマウヨ・・・・・
優ちゃんが私の言葉に体を少し離してくれた。
唖然とした表情で私の顔を見下ろした。
私は、優ちゃんの行きすぎた悪ふざけをなかったことにするために優ちゃんをたしなめる。
「もう、優ちゃん!!いつまで、子供時代の延長なの?信じられない!!」
うっかりと、妹に対してやりすぎた優ちゃんが逃げられるように・・・・
そして、明日から気まずくならないように・・・・・
そして、私のこの気持ちを絶対知られないために・・・・・
私は優ちゃんに続けて言った。
「大体ね?優ちゃん美香に口出しすぎ。」
優ちゃんがあっけに取られている。大丈夫だよ優ちゃん美香、優ちゃんの気持ち間違えてないから・・・。
「美香が子供だから気にしてくれるのはわかるけれど?何で美香の門限を優ちゃんが決めるの?」
「自分が一緒に出かけたときは門限ないくせに!!」
「それにね、保護者ぶって美香の交友関係に口出しするのも止めて!!」
「一緒に出かけたら、必ず美香が迷子にならないように、拘束するし・・・腰に手を回さなくても美香一人で歩ける!!!」
続けようとした、私の言葉をさえぎって、優ちゃんが私に聞いた。
「・・・僕の、今までの行動を、お前はどう認識している・・・?」
優ちゃん?どうしたの?何が聞きたいの?
「行き過ぎのシスコンの兄の、過剰な干渉と、拘束・・・」
・・・ミカ、マチガエテ・・・ナイヨネ・・・・・?・・・




