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昨日見た夢  作者: 清水澄
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その7

5/28改稿

・・・アニジャナイナラ、ナンナノ・・・・


僕はとっさに自分で言った言葉に返された叔母のその言葉に答えられるいい言葉を思いつかなかった。


でも、美香を他の男には渡したくない自分ひとりで囲い込みたいその気持ちは揺るがなかった。


美香はその後暫く僕に近寄ろうとせず、病院の受診も僕と行く事は断固拒否された。


 だが、その内リハビリに通う必要もなくり、僕の中で物議をかもし出した美香のはかない初恋は終わ利をつげて、それに伴い僕たちもうやむやのうちに仲直りをした。


・・・僕の心の中に、納得できない思いを残したままで・・・・・


この頃の美香は、となりのいえと自分の家の、どちらが自分のうちかわからないような生活をしていた。

自分の部屋と僕の部屋を行ったりきたり、甘えたくなると僕のベッドにもぐりこみ、勝手に寝ていた。

この頃の僕はとても不安定だったと思う。

そんな美香を抱きしめながら、愛しいと思う僕の感情は純粋に兄としての愛情なんだろうかと度々自分に問いかける声が聞こえた。

 無防備に甘えてくる美香を見ながら、僕の中で僕自身が納得できない感情がどんどん膨らんでいくのを僕はもてあましていた。

何度も、これは上に馬鹿の付く兄としての愛情なんだと僕は自分に言い聞かせてもいた。


でも、時間とともに、兄と言うにはかけ離れた欲望を美香に抱く僕がどんどん大きくなっていった。


・・・・もう、否定できないほどに・・・。


ある日、その出来事は起こった。僕が高校3年の春だった。


「優兄ちゃん!!」

いつものように美香は僕の部屋に入り込みベッドに寝転んで本を読んでいた。ベッドの横においてあった僕のかばんの中から何冊かの教科書が見えていた。その中の1冊にそれは挟まっており美香はそれを見つけて叫んだ。

「なに?」

僕はテスト勉強の真っ最中だった。ベッドに寝転んで本を読んでると思った彼女が、床に座ってこちらを見ている。

「お手紙がある!!ラブレターとちがうの?!」

幼稚園に入って、こしゃまっくれたこのいとこは、早熟な女の子たちと肩を並べて、そういうことに非常に敏感であった。

すごい大発見をしたように目をきらきら輝かせる彼女に対して、鈍い反応の僕は、首だけそちらに向けると興味なさそうに”ああ”と言って教科書に目を向けた。

「・・・・読まないの?」

参考書のページをめくりながら「興味ない」と切って捨てる。

不思議そうな顔をして彼女は続けた

「なんで?嬉しくないの?」

「・・・・好きでもない子からもらって、何で嬉しいの?」

めんどくさそうに答える僕に美香は続けた。

「名前もみないで、何で好きな子じゃないって判るの?」

「・・・・・判るんだよ」

僕の反応に、美香は憮然とする。

「でも、くれたこの気持ちはどうなるの?」

・・・まただ、このいとこは12歳年下の癖に、何で僕よりも大人な発言をするんだろう・

「・・・・でも、僕はこの子の気持ちに答えられない。だからほってるんだ。」

美香は、僕のほうをまっすぐ見て言った。

「でもね、一生懸命かいてくれた気持ちを受け取りもしないで無視するのは良くないと思うよ?ちゃんと、読んだげないと可哀そうだよ・・?」

・・・本当に、どちらが年上か分からない。

「・・・・読んでも、答えが一緒だとしても、よんだほうがいいと思うの?」

意地悪な質問だと思いながらあえて聞いてみた。

「だって、無視されるよりも、こっち向いて自分を見て欲しいと優兄ちゃんは思わないの?」

・・・返事が出来ない・・・。くそっ

「・・・それで、その子の事が気に入って、付き合うようになったら美香はどう思うの?」

思わず出てしまった質問に、僕は、後悔した・・何言ってるんだろう・・・相手は6歳児だぞ?

 「お兄ちゃんに素敵な彼女が出来たら嬉しいじゃない?・・・なんか変なこといった?」

表情がゆがむのが判った。ものすごくショックだった・・。美香が僕の表情に気づきなんか自分がまずい事を言ったと思ったようだ。僕の顔色をうかがいつつドアのほうにそろりと移動していた。

「・・・勉強の邪魔だから今日は帰って」

 僕は美香に表情が見えないように反対を向いて美香に追い討ちをかける。

すごすごと出て行く彼女の後姿を見つめた。本当に何やってるんだろう、自分の感情が信じられない。

「こういうの、世間ではロリコンって言うんだろうな・・・」

僕は、絶対に今はまだ知られたくない、行き場のない思いと初めて向き合った。

そして、自分のごまかしようのない感情を出来る事なら否定したかった。


・・・・相手はまだ6歳児だ・・・信じられない・・・・



 別に美香に諭されたからではないが、美香の言い分にも一理あると思い、僕はラブレターをくれた子に丁寧にお断りをした。

 ・・・その結果、残念ながら、以前よりも多くのその手の誘いに悩まされる事になった・・・。好きな子がいるからと言う常套句を使っても、そのこを見るまでは・・・と言う強気の発言も増え・・・本当に困り果てていた・・。


      受験も近いのに!!僕は美香以外の女の子に煩わされたくない!!






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