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昨日見た夢  作者: 清水澄
68/185

その68

僕が、ベッドの上で父の言葉を反芻している時に、美香が僕の部屋にやってきた。


「優ちゃん?」


僕は、ベッドの上でうつぶせたまま顔も上げずに返事をした。


「・・・なに?勝手に入ってくるなってこの間約束したよね。・・父さんも嫌がると思うよ?」


不機嫌を隠さない僕の言葉に、ドアの前で美香が固まりながら言った。

「写真もらう約束してるって言ったら、叔父さんが部屋にいるから行ったら良いよ・・・って言ったから・・・。」


 僕と美香を二人きりにしたくないんじゃなかったのか?父の行動に疑問を抱きつつ、僕は美香に顔だけ向けて、ベッドの横のかばんを見て言った。

「柳から預かった追加の写真ならそこにあるよ。」


美香はまだ入り口でためらっている。


僕はもう一度、体ごと横に向けてかばんを指差していった。

「・・自分でとって、持って行ってリビングで見て。」


美香はまだためらっている、仕方なく僕は起き上がり、かばんを引き寄せて中から写真の入った封筒を出して、美香に差し出した。


・・だけれども、美香は何故かそこから動かず、受け取りに来ようとしない。


「・・・みか?いらないの?」

僕が苛立ちを交えた口調で彼女に話しかけると、彼女はためらいがちに言った。

「・・優ちゃん、叔父さんと喧嘩したの?」


 僕は返事をせずに、美香に封筒を差し出した。


 美香はやはり動かず、僕にもう一度言う。

「・・・ごめん、美香のせいだ・・・。」


何の事だろう?


僕の怪訝な顔に、美香が続けた。

「陽子ちゃんが、アレルギーの話言っちゃ駄目って言ったのに、私がおばさんに相談したら、おばさんが叔父さんに言って・・・・」


僕はため息をつきつつ美香に伝えた。

「・・・・美香・・・・あれはアレルギーじゃない。」


僕が言い終わる前に美香が言葉をつなげた。

「・・知ってる・・・」

僕は思わず美香の顔を見た。

「キスマークだよね・・・」


 美香がこちらを見て、泣きそうな顔でそう言った。


 僕はそんな美香をじっと見つめる事しかできなかった。


 ・・・ソウダ、ゴマカセルハズナイジャナイカ・・・・・

読んでくださってありがとうございます。




 清水 澄 拝

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