その66
朝目覚めた美香に起こされた僕は何時の間にかうとうとしてたようだ。
「優ちゃんおなかすいた。美香昨日殆んど食べてない。」
回らない頭で、美香の顔を見る。思わず抱き寄せたかったが、美香がおなか空いたと急かすので、諦めて、朝食に向かった。
レストランのバイキングで食事を取ってると、槇原夫妻が来た。
僕らの隣に座って、槇原さんは僕の眠そうな顔を見て意味深な微笑を浮かべた。
僕は思わずその顔を見てため息をついて、槇原さんが思うような事はありませんと否定した。
がっかりとした彼の顔を見ながら、この人は何を考えてるんだろうと思う。
美香が、柳の首筋をみて、声を上げた。
「陽子ちゃん虫にかまれてるよ!?」
指摘されて、真っ赤になって、槇原さんを睨む柳と、口の中で、もごもご言いつつ、ごめん・・・と彼女にささやく槇原さん。
その様子を見て、美香が言った。
「何の虫?美香も咬まれた事あるよ?」
・・・・美香の落とした爆弾に、槇原さん方は僕を呆れたように見た・・・・
・・・・・僕にキーをくれた人たちに、呆れられるような覚えはない・・・
僕は彼らを無視して、食事を続けた。
「でも・・・ここホテルなのに、虫にかまれるなんて・・・・」
美香の発言に槇原さんが、小さな声で答えた・・。
「これは、虫でなく・・・たぶん、アレルギーだ・・・・。」
槇原さんのその発言に、柳と僕は彼の顔をまじまじと見た・・。
美香は真剣に聞いていた。
「アレルギーなんですか・・・?」
柳の呆れた視線を無視して、槇原さんは続ける。
「・・・そう、アレルギー・・特定の人に近づくと出るんだ・・・。」
美香がまだ真剣なまなざしで聞いている・・・いい加減にして欲しい・・・・。
柳がため息をついて、呆れたように言った。
「・・・そう、アレルギーね・・・、じゃあ、治療方法は、アレルゲンから遠ざかるのが一番ね。」
そういって、立ち上がろうとした彼女を見て、槇原さんは慌てて言った。
「いやいや、程よく接触する、減感作療法も効果あるぞ?」
・・・・このバカップルを、誰か何とかして欲しい・・。
美香が、柳に聞く。
「・・・陽子ちゃんのアレルギーの原因って、マッキーなの?」
・・・だからお前も混じるなって・・・・。
「そうそう、その時に接触していた人が一番の原因の可能性が高い。美香ちゃんその時何してた?」
槇原さんの問いに、美香がばか正直に答えた・・。
「優ちゃんと寝てた!!!」
・・・ものすごい生暖かい、視線を僕は感じたが・・・。
・・・だから、、僕と美香に・・1枚のキーしかくれなかったのは、どちら様なんですか・・・・・
柳がため息をつきながら、美香にアドバイスをしてくれた。
「・・・美香ちゃん、あまり、その事は人に言わないほうが良いと思う・・・」
美香が何でと柳に聞いた。
「だってね、中野君が美香ちゃんのアレルゲンだなんてわかったら、家の人きっと、美香ちゃんを、中野君に近づけないわよ?」
・・・それは、いろんな意味でそのとうりだとは思うが・・・・
美香は、青い顔をしてわかった!!といった。
・・・どこまでわかったのかは、大きな疑問だが・・・中学2年にしてはおまえ、遅れてないか・・?
僕はひそかにため息をついた・・・・
・・・・だが、この話は、美香が僕がアレルゲンだという事を、悩んで母に相談して、それを聞いた母が父の耳に入れたために・・・
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