その6
5/28改稿
僕の美香にたいする態度の豹変振りに、周りの大人たちは皆驚くやら、呆れるやら・・。
僕も自分の感情に対し少しやりすぎかなとは思ったが、美香の退院後のリハビリ通院は時間の許す限り僕が担当したかったし、他の人に任せたくなかった・・が昼間である事も多くおばが大体付き添っていた。
やっとテスト期間に入り半日で帰れるため、絶対僕が担当すると宣言して周りから呆れられた。
僕の美香のことを他の人に任せられない。
リハビリが終わって帰ろうとしている僕の服を引っ張って、美香は自分の入院していた病棟を覗きたいと僕におねだりをする。
・・・?仲のいい友達でもいたんだろうか?
だが美香は病棟の中に入らずに、詰所の中をこそこそと覗いてた。・・・?
こいつ?何がしたいんだ?
美香に気づいた看護師さんが声をかけてくれた。
「あら?美香ちゃん久しぶり」
美香がお辞儀をすると僕にも声がかかった。
「あら、やさしいお兄ちゃんも久しぶり。今日はどうしたの?外来受診?」
かがんで話しかける看護師さんに答えようとした美香を、後ろに立ってる僕の横から大きな手が抱き上げた。
「お姫様、久しぶりだね?僕に会いに来てくれたの?」
抱き上げたその人の首に美香は嬉しそうに両手を回していた。
僕はあっけにとられた後、なんともいえない不愉快な感情に支配された。こいつ!!何者だ!!僕の美香に何をする!!!
「うん!そう!!山田先生に会いに来たの。」
僕はびっくりして、2人を見つめる。何だこいつは!!!僕のむかつきと不機嫌さにまったく気づかず、美香は真っ赤な顔をして嬉しそうに抱き上げている相手にしがみつき微笑んだ。
「だって美香をお嫁さんにしてくれるんだもんね~~」
・・・・何の話だ???
僕に断りもなく何言ってるんだ!!!
睨みつける僕にやっと気づいたのかそいつは僕のほうを見て、はじめまして、君がうわさのお兄ちゃんか・・と笑顔で言う。
「お姫様が素敵だって言うから、一回会ってみたかったんだ。今日は・・・?」
僕のすごい形相に、苦笑いしながら美香のほうを見て、僕はおにいちゃんに嫌われたみたいだよ?と美香を抱き上げたままで言ってるのが聞こえた。
そうだよ、お前は何者だ。僕の美香を早く離せ・・・。
「・・・・美香を降ろせ。」怒りをこめて低い声で僕は言った。
笑いながら、やれやれと言った風情で、美香を降ろす奴をにらみつけた。
まだしがみつこうとしてる美香を僕は無理やり引っ張り自分の後ろに追いやりもう一度奴を睨みつける。
「じゃあ、美香ちゃんまたね。」
とさわやかに微笑みながら、奴は詰所に入って看護師さんと話をし始めた。
名残惜しそうにしてる美香を無理やり引っ張って、僕らはその場を離れた。
「優兄ちゃん痛い」
美香の手首をつかんでもくもくと歩く僕に美香は文句を言った。
「せっかく、山田先生と会えたのに、何で優兄ちゃんは邪魔するの?」
その言葉にむかむかする僕がいた。
僕がいるのに何で山田なんだ?返事をせずにバス停に向かう。
「・・・優兄ちゃんの意地悪!!」むくれて言う美香を立ち止まって見つめていった。
「・・僕がいるだろう!!美香はお嫁にかなくていい!!」
言ってから、自分でびっくりした。僕は4歳の子に何を言ってるんだろうか?
「優兄ちゃんはお兄ちゃんだから、美香とは結婚できないんだよ?美香一生独身なんかいやだもん!!」
「・・・じゃあ、お前のお兄ちゃんは辞める!!お兄ちゃんて言うな!!!!」
美香は唖然として、大声で泣き出した。・・・そんな美香を見つめて僕は途方にくれた・・・。
・・・・・・ボクハ、ナニヲヤッテルンダロウ・・・・・・
事の顛末を家でおばに報告して美香を泣かせた事を謝った。
おばは大笑いして聞いてくれた。
「・・山田先生は、美香のお気に入りでね。整形の先生なんだけれど救急外来で美香を診てくれてからずっと気にしていてくれてね。美香が最初痛がってリハビリ嫌がったときに、なだめてくださってそれから美香のお気に入りなのよ。」笑いながら話してくれた。
「・・・美香男の趣味悪すぎ、どう見たって女たらしじゃないか・・。」
笑い転げながらおばは続ける、
「お兄様の御眼鏡には適わなかったのね。」
おばの言葉に僕は訳の分からない自分の感情を自覚しながら憮然と続けた。
「・・・・兄じゃない・・・。」
僕の言葉に、叔母がきょとんとした顔で言った、じゃあ何?・・と
・・・・ボクハ、ミカノナンナンダロウ・・・・・?




