その59
槇原さんに頼まれての自主当直中に、時間を作って美香に電話をした。
久しぶりに聞く美香の声に僕の胸は躍った。
「勉強はどう?難しくない?」
美香が可愛い声で答える。
「大丈夫だよ?友達が教えてくれるから。」
・・・友達・・?それはどんなヤツなんだ?嫌な予感がする・・・・
「委員会で仲良くなった人なんだけれど、美香が数学不得意だって言ったら得意だからって教えてくれるようになって・・・。」
「2年になったらクラスが一緒になったし今一番仲良し。」
「・・・・美香、そいつの性別は・・・?」
「・・?・・男だよ?」
・・・・ほんとに油断もすきもない・・・・
「美香、お前義弘で懲りたんじゃないのか?・・・」
「・・・?なにを・・?」
・・・僕はため息をつきながら言った・・・
「・・下心のない、好意なんてないって事・・・・・・」
美香は笑いながら言った。
「優ちゃんじゃあるまいし・・・」
・・・なんだとぉ?・・・
そして続ける。
「・・あ!でもにてると思うよ?」
「・・・・・・」
「だってね、一見人当たりは良いくせに、自分の嫌いな人には徹底して無頓着、
好き嫌いが激しくて、二重人格。」
「俺様で、自分の思いどうりになるように、我を通してるのに、策略をめぐらしてそれを回りに気づかせない・・・」
・・ね!!似てるよね!!
・・・美香・・そいつがそういう奴だと言うのはよくわかった・・でも君の僕に対する認識はかなり間違ってると思うよ?・・・
僕は、その心の声を飲み込んで、美香に、”大変な人だね・・” と返した。
美香が・・””そうなのよ・・” としみじみ言った。
「そして、そんな自分の本性が回りにばれてないと思うのが、浅はかなのよね・・・」
美香・・・・ほんとうにそいつとなかよしなのか・・・?
「それでね、子供みたいなところもあるし、目を離せなくて面白いよ・・・」とも言う。
・・・・・本当に大変だ・・・早急に手を打たしてもらおう・・・
・・・・・・・・僕はひそかに心に誓った・・・
「所で、優ちゃんどうしたの?美香の学校の報告が聞きたかったの?」
忘れるところだった・・・
「槇原さんが、美香に逢いたいから今度の土曜にうちである6月祭に来ないかって。」
美香が嬉しそうに言った。
「いいの?前に行きたいって言ったら悠ちゃん絶対駄目って言ったのに。」
美香が嬉しそうに続ける。
「陽子ちゃんにも、会える?」
・・・なんで、柳なんだ?・・・
「・・・料理教えてるし逢ってるんだろう?」
「料理って、美香が優ちゃんちに、ごはん作りに行ってる時だけだし・・・先週だよ?」
・・先週?僕とは何週間あってない?冷蔵庫の食べ物が増えている事で、美香が来てくれた事を知る毎日なのに・・・・・・
美香の発言に不機嫌丸出しで答えた。
「・・・美香・・僕の案内では不服・・?」
美香は不思議そうに返した。
「・・・?何で?優ちゃんでも・・良いよ?優ちゃんに会えるのももちろん嬉しいし?」
・・・・でも?・・・どうせ僕はおまけだよ・・・・
じゃあ、午後からあけるから着いたら電話して・・と約束して電話を切ったものの、僕の気分はすっきりしなかった。
僕のライバルは、男だけじゃないのか・・・?
・・・どこをどう、つっこんでいいのやら・・・・
清水 澄 拝




