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昨日見た夢  作者: 清水澄
55/185

その55

読んでくださってありがとうございます。

お気に入り登録ありがとうございます。


清水澄 拜


 一時期噂になっていた槇原さんと、柳の事件も下火になり、変わりに僕は、槇原さんとの戦いに敗れて、振られたかわいそうなやつの位置づけに置かれていた。

あれだけ美香の部屋に入り浸っていたのに、美香との仲は誰にも疑われる事もなく・・・。

柳に言わすと、そりゃあ、誰も想像もしないわよ・・だって、中学一年生よ?といわれて・・・。


僕は少し、・・いやかなり、悔しかった。

真実はみんなの噂と全く違うのに・・・・

柳はそんな僕を見て呆れつつ、”そんなに危ないヤツといわれたいんだ?あなた、M・・?”などと言い。


 そうやって喋る僕らを見てまた、”中野は、まだ諦められないのか?”・・と新たなあらぬ噂を流されて・・・。


 槇原さんにまで、”陽子に手を出すなよ?”と釘を刺されて・・・。


 おまけに、外科は忙しく、入院中にあって以来、美香にも逢えず。美香と約束した受診日は、緊急手術のために、槇原さんに診察を取られて・・僕は腐りきっていた。


明日で、外科が終わろうかという日、僕は角野先生に食事に誘われた。飲みながら話したいことがある・・。と


仕事を終えて、角野先生の指定した店に向かった。このあたりでは少し高めの僕ら研修医では敷居の高い店だった。

店について名前を言ったら個室に案内された。

角野先生は先に到着されていた。

僕を見て、笑顔で”コース適当に頼んだから、と言われた・・・。


・・・なんだろう、ちょっと飲みに、食事にと言うレベルでないぞ・・・。


怪訝な顔をする僕に、笑いながら”日本酒で良いか?”と勧めてくれる。


まだ仕事が残ってるので・・・と断ると、大事な話があるから、仕事は明日に回せないか?と言う。

・・まあ、急いですることでもなく。明日とあさっては、ローテート先の交替で比較的時間があるので少しだけなら・・・と杯を受け取った。


 僕の到着を待っていたかのように次々運ばれてくる食事と、美味しいお酒に少し良い気分になっていた時に。角野先生は言った。


「君は救急を目指すのか?」

僕は、彼を見て”そのつもりです”と答える。

「・・・単科では、難しくはないか?」

角野先生の言葉に、僕は答えた。

「僻地医療が最終的にはしたいので、総合内科も視野には入れてます。」

「・・・専門は救急で?」

「そのつもりですが・・・・。」

僕は続けた。

「精神腫瘍科も興味はあったのですが、僻地医療にはあまり役に立たなくて・・・。」

角野先生は笑った、確かにターミナルのがん患者よりも、感冒が多いだろうな・・・。と

僕の、杯にお酒を注ぎつつ、角野先生は続けた。


「僻地に行かずに、僕の下で、外科を続けないか?」

僕は角野先生の申し出を謹んでお断りする。

「でも、僕が医者になった最初の理由ですから・・・。」

僕の言葉に、角野先生は自分のスマートフォンを出しながら言った。


「柳に振られたんだってな・・?」

何でそんな噂があなたまで・・・。

先生はスマートフォンを操作しながら続けた。

「まさか、槇原がおとすとはな。」

笑いながら、操作したスマートフォンのの画面を僕に向けた。

「可愛いだろう。」

僕が言われて、画面を見ると、着物姿の若い女の子がこちらを見て笑っている。

「お綺麗な方ですね。」僕が答えると、角野先生は相好を崩して続けた。

「料理もうまいし、気立ても良い、よく気がつくぞ。今年短大を卒業した。」

 ・・・それが何か?と心の中で思いつつ、笑顔で、”それでは引く手あまたで大変ですね”と答えてみた。

「・・そうだ、だから、僕のめがねにかなったヤツでないと渡したくない。」


・・・なんだか、雲行きが怪しい気がする・・・・


角野先生は僕を見て言った。

「どうだ中野、結婚を前提に付き合う気はないか、僕の娘と!!」

  僕は、唖然とした。今なんておっしゃられましたか?


あっけに取られた、僕に畳み掛けるように続けた。

「お前になら任せられる。」

「お断りします。」

即答した僕の顔を唖然と見つめた、角野先生に向かい、敷いていた座布団をはずして土下座の体制を取る。

「過分な御申し出を、お断りする非礼をお許しください。」

あっけに取られる角野先生に、僕は続けた。

「僕にはもう、心に決めた人がいるので、このお申し出はお受けできません。」

角野先生は諦めきれないらしく言った。

「・・・でも柳は結婚が決まったって・・・」

「柳ではありません。」

僕はきっぱり否定する。

「誰なんだ・・柳以外に君と親しい人は見当たらないだろう?」

・・・ちっ!!ここでも美香は数に入ってない!!・・・・

僕は内心で舌打ちをしながら、きっぱりと言った。

「僕は、彼女意外欲しくはありません。」

僕のまっすぐな視線に角野先生はため息をついた。

・・・・そうか、残念だ・・・

僕は、この話はこれで終わったと思っていた。

でも、実は、トラブルの幕開けだった・・・。


おかしい、そろそろ美香とのらぶらぶが出てくると思ったのに・・


どこに行ってしまったんだろう・・・。


清水 澄 拝

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