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昨日見た夢  作者: 清水澄
54/185

その54

 

 槇原さんと柳の婚約はとんとん拍子に進んだ。

「・・親に、彼女が出来たといったらいきなり出てきて・・・。」


  ・・槇原さんの年を考えると、親御さんもあせっていたのだろう。


僕の心の声を聞いたかのように、槇原さんは続けた。

「・・・いや、そうじゃなくて、次の機会なんて絶対にないから、さっさと逃げられないようにしろって言われた・・・」


      ・・・・それもどうだろう・・・。


式は、7月の初めに決まった。


 何時の間にかアドレスを交換してる美香は、柳に付き合ってドレスを選びに度々借り出されてるらしかった。


”優ちゃん、美香もウエデングドレスちょっと着てみたよ。”とメールが来た。

美香のウエディングドレス姿!!見たい!!柳の元に駆けつけて画像がないか聞いてみた。


柳が呆れて言う。

「あるけど・・・・美香ちゃんに許可取ったの?」


柳の台詞に、僕は答える。

「僕が欲しいんだ、美香の許可は要らない。」


僕の発言に、驚きつつ呆れつつ、それでも柳は画像をくれた。

「・・・まあお世話になったしね・・・。」


ウエディングドレスに埋もれて、微笑む美香の画像に思わず僕も笑みをこぼす。


「・・・ああ、これこれ・・よく似合ってたし可愛かった。」

写真を見ると、オーガンジーの薄い層になったスカートと、ハイネックのシンプルなデザインのドレス。手は肩まで出て白い長い手袋をして微笑んでいる。  


「この後似たデザインの、青いドレスがあったから、思わず買おうかって相談したんだけれど、高くて手が出ないって美香ちゃん諦めてたわ・・。」


「その店覚えてる?」

携帯の画面から目を離さずに聞く僕の問いに、柳は笑って”一時間なら、夕方付き合うよ?”といった。


僕はうなずきもう一度画像を見た。

こちらを見て、微笑んでいるように見える美香を見て思わず笑みがこぼれる。


・・・・美香のウエデング姿、いつ見れるんだろう。・・・・・


僕はそっと心の中で呟いていた。


僕は、その日柳と共にそのドレスの置いてある店に行った。


 「・・・でもたぶんサイズも直さないと・・・・。」


柳の言葉に、僕は少し困った、内緒で買って美香を驚かせたかったのに・・・。


僕の残念そうな顔に、柳が提案してくれた。

「今度、式場の試食会に美香ちゃんと行くから、その時にもう一度このお店に誘って何とかするわ。」


 ・・・なんで試食会に、美香なんだ?


 僕の怪訝な顔に柳が笑う、”だって槇原忙しいんだもの・・・。”


 「・・・そういう問題か?考え直すなら今のうちだと思うよ?」


 柳は笑って言った。

「・・・それ、彼に言っても良い?」


・・・止めてくれ・・・また殴り合いはしたくない・・・・


 僕が首をすくめると、柳は笑って、もう一度言った。

「式は、体面的にするだけだし、試食会も別に行かなくても良かったんだけれど、美香ちゃんが話をしたら行きたいって言うから、行く事にしたのよ。」


 ・・・美香のために行くのか・・・?


「みんな美香には甘いんだ。」

「美香ちゃんいなかったら、私達ゴールしてないからね。」

笑いながら言う柳にそうだよな・・・と思う。


「自分たちのときは、ちゃんと二人で行ってね。」

柳の言葉に、ウエディング姿の美香を思い浮かべる。


 そしてそんな美香の横に並べるのはいつなんだろうとも思う・・・・・・。


・・・・・・・・あと、2年だ・・・・・・





読んでくださってありがとうございます。

お気に入り登録ありがとうございます。


清水澄 拜


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