その47
お読みくださりありがとうございます。
清水 澄拝
釈然としない思いを抱えつつ、美香の病室に戻った。
中から笑い声が聞こえた、・・・柳・・?
「中野君、美香ちゃん切ったんだって?」
「・・情報早いね?誰に聞いたの?そんなことで、わざわざ出てきたの?」
僕の言葉に笑いながら、柳は答えた。
「違うよ?婦人科の看護婦さんにお産になりそうだったら呼んでって、頼んでるから待機中。」
「お前、婦人科目指すの?」
柳は少し考えながら言った。
「今のところは、一番面白いかな?」
柳の言葉に、半分返事をしつつ美香の診察をした。そして美香に言った。
「痛くても、なるべく動くように」
美香は下を向いて、言った。
「・・・優ちゃん、結構痛いんだよ?なんで、こんなに痛いのに意地悪ゆうの?」
僕は、美香の言葉をほぼ無視した形で、
「そのほうが、早く治るから。」
「優ちゃんの、鬼!!」
布団をかぶって、ひねた美香をあきれて見ながら、僕は言った。
「鬼で良いから、美香がわがまま言って病気治ると思うんだったらそうすればいい。」
僕は、布団の下で円くなってる美香を無視して、柳に行こう・・といって、部屋を出た。
柳が気にして僕に言う。
「良いの?美香ちゃん怒ってたよ?」
僕は平然と答えた。
「譲れない事は譲れません。甘やかしたら、美香は絶対に動かないから、あのぐらい言った方が良いの。」
柳が、笑いながら言う。
「嫌われても知らないわよ?」
・・僕が?美香に?・・あのぐらいで嫌われるならとっくに嫌われてるよ?・・
そういって笑う僕を、複雑そうな顔をして柳は言った。
「・・長い付き合いの上での信頼関係?」
「・・生まれたときからだからね・・。」
笑って言う僕を、同じ顔で見つめた後。
「・・・・・第三者の入る余地は、なさそうね。」
といって笑った。
・・・・?第三者?僕の父親の事だろうか?・・・
柳は時々訳の分からない事を言う。僕の怪訝な表情に、もう一度笑い、じゃあ、病棟に戻るね。・・・と言って僕らは分かれた。
何が言いたいんだろうか?・・さっぱり判らない。
でも、柳がつけていたピアスと口紅は、槇原さんのプレゼントだという事は僕にも分かった。
・・・そして情報の提供が、彼だという事も・・・。
あの二人、これからどうなるんだろう
・・・・。
人の心配してる場合ではないと思います。




