その42
義弘達はどこだろうと思い聞くと、テーマパークの入り口で待ち合わせてると言う。
僕が不思議そうな顔をすると、美香がうつむきながら言った。
「・・・・だって久しぶりに、優ちゃんと会うのに。二人っきりで喋りたかったんだもの・・。」
確かにここから、40分程度はかかるその待ちあわせ場所まで二人きりだ。
僕は美香の気持ちが嬉しくなり、思わず手をつなごうとしたが、美香は何気に拒否する。
僕が顔を見ると。
「・・・もう子供じゃないし・・・。」
と小さな声で、僕のほうを見ずに答える。
行き場のなくなった手をポケットに入れて、美香に触れられない事にがっかりとしたが、それでも美香の笑顔がまじかで見られるのなら・・と思いなおした。
昔のようにたわいない話をしながら・・・それでも昔とは違う綺麗になった、そして時々女の顔をする美香に見とれた。
「・・優ちゃん、美香の顔なんかついてる?」
じっと見つめる僕に時々、怪訝な顔を向けて、美香が聞いてきた。
「・・おおきくなったなぁ・・と思って。」
まだ言葉に出来ない、僕の思いを隠してごまかして答える僕の台詞に、美香は馬鹿にされたと思って膨れる。
「・・・優ちゃん、美香いつまでも小学生じゃないよ?」
その言葉に思わず微笑む。
・・そうだ、もうこども・・とは言えない。でも、おとな・・でもない・・。
・・・もう少しだ・・・もう少ししたら、僕のこの気持ちを君に伝えるよ・・・。
思わず、笑いながら頬に手を当てた。
美香は再び膨れる。
「・・・優ちゃんは、そうやって美香を子ども扱いする・・。」・・と
・・いや違うよ・・?美香、もうコドモじゃないと思うから、触りたいんだよ・・・。
・・・・・・デモソンナコトイエナイ・・・・
待つあわせ場所であるテーマパークの入り口に着いた。
義弘とそのほか何人かの高校生がいた。
「義弘だけじゃないの・・?」
僕の問いに美香が答える。
「男の人たちはみんなよっちゃんの、お友達。女の人はその彼女。」
美香は、向こうの人たちに聞こえないように小さな声で言う。
「みんな、美香の顔を見る度に、義弘君と付き合えって言うから、美香苦手なの」
そして美香は続けた。
「クラスの人たちは、みんな美香に、”泉先輩美香の彼氏でしょ”って言うし・・」
あいつ・・・友人を使って、外堀を埋めてるのか!!なんて奴だ!!
「ねえ、優ちゃん、振りで良いから今日一日美香の彼氏になって。」
美香の台詞に思わず美香の顔を見た。
「・・だってそうでもしないと、よっちゃん美香から離れてくれないんだもの・・。」
僕はにっこり笑って、美香に言った。
「・・いいよ?じゃあ美香逃げるなよ?覚悟してね?」
美香が今度は怪訝な顔をした。
僕は、その顔に、僕の顔を近づけて、向こうで待ってる義弘に見えるように、その唇に、触れるだけのキスを落とした。
「!!!!!優ちゃん!!」
真っ赤になってる美香ににっこりと笑い、僕、覚悟してって言ったよね?とつげる。
そして、有無を言わさず美香の腰に手を当てて、抱き寄せた。
唖然としている義弘に、近づいてにっこり笑って言った。
「やあ、久しぶり。美香が学校でお世話になってるって聞いてるよ?」
・・・・美香は僕のものだ。間違ってもお前には渡さない。・・・・・・・
ゆう、大人気なさ・・全開・・・。




