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昨日見た夢  作者: 清水澄
40/185

その40

 三人で美香に作ってもらった、お弁当を持って仕事に向かった。

美香も一緒に出ようと誘ったが、もう少し僕の部屋を片付けてから、帰るからと断られた。


 美香に見送られて、アパートを後にする。美香が見えなくなってから、柳に言われた。


「・・・美香ちゃんに、部屋の片付けしてもらっても、大丈夫なの?」

・・・・なにがだ?怪訝な顔をして柳の顔を見た。

「・・・・見られて、都合の悪いあれやこれや、ベッドの下に隠してない?」

柳の発言に呆れながらつい答えてしまった。

「見つかるようなデーターとしては、置いてません。」

「・・・PCの中ね?」

僕は、臍をかむ・・・!!いらない事を言った。

ニコニコ笑いながら美香ちゃんに言おう・・と柳がやな笑いをする。

「・・・パスワードがないと、開きません!!」

僕が答えると、柳はもう一度笑い。

「どうせ、mika でしょう?」

と言う。

しかめっ面をした僕を見て、単純!!とますます笑っていた。

そんな僕らの会話を聞きながら、槇原先生がため息をつきながら言った。


「お前ら仲がいいな・・・。」

僕と柳は顔を見合わせていった。

「「どこがですか!!??」」

槇原先生は僕らの顔を見ながら続けた。


「・・・・お前ら、いっそのこと、引っ付いたらどうだ・・・?」


柳が真っ赤になって黙った。僕は槇原さんの気持ちを知ってるので呆れた。


「・・・・何を言ってるんですか?」

呆れて出た僕の発言を無視して、僕の顔をちらりと見た後、お似合いだと思うんだけれども?と言って、後は黙って歩いていた。



三人で気まずい空気の中歩いてるうちにやがて、病院の門についた。槇原さんは医局のほうに向かって歩いていった。

「12時に、中庭で待ってますよ?」

柳の、かけた声に振り返りもせずに、手だけを上げて去っていった。


「・・・・なんなんだ?あの人は?昨日何かあったのか?」

柳への僕の質問に、柳は下をむいたまま答えなかった。そしてそのまま、お弁当よろしく・・と言って、病棟に向かった。


・・・・本当にあの人は、どうしたんだろう?・・・・・・



 昨日電話のあった患者さんの様子を確認し、状態を看護師さんに聞いた。

変わりのない様子に安堵しながら、カルテを記載してたら、声をかけられた。


「あの・・・中野先生?」

カルテから顔を上げて、次の言葉を待つ。

「柳先生とお付き合いされてるんですか?」

・・・なんでそんなことになってるんだろう?・・・

唖然とするその僕の様子に、彼女は続ける。


「昨日から、そのうわさで持ちきりですよ?柳先生狙いの、先生たちが大騒ぎして・・。」

「・・・なんでそんな噂になってるんですか?」

「昨日、一緒にいらしたでしょう?」

そういえば、電話を代わった。

「夜勤の子がそれを其処にいた人に言ったら、あっという間に広がって・・・」

僕は溜息が出た・・・・まあでも病院内の噂なんて美香の耳に入らないだろうし、どうでもいいほっておこう。

「・・・たまたま一緒にいただけだよ?槇原先生と、僕のいとこもいたし・・・」

ほっとした顔をするそのこの顔を見ながら・・・なんで彼女がほっとするんだ?と疑問に思いつつ、昼までに病棟周りをするべく詰所を離れた。


 昼ごはん時に、僕は柳が指定した場所に向かった。

槇原さんはまだ来ておらず、柳一人だった。


「槇原さんまだなの?」

柳に問うと、急用が出来たから二人で食べろと言われたと言う。


・・・・本当にあの人は・・・・何を考えてるんだろう・・・・


僕は、呆れたが、美香のせっかく作ってくれたお弁当を無駄にする気もなく、柳と二人で食べ始めた。


「少しまだ外で食べるには寒いけれど、ピクニックみたいね?」

柳の嬉しそうな言葉に、ああ、ここにいるのが美香だったらと思う。

やっぱり、せっかくだから連れてきて待ってもらえばよかった・・・。

「・・・ちょっと!!こんな美女前にして、ここにいるのが美香ちゃんだったら・・・なんて思ってないでしょうね!!」


 図星に、おにぎりを喉に詰めかけてあわててお茶を飲んだ。


「・・・なんでわかった・・・?」


柳が思い切りしかめ面をして、美香ちゃんにやっぱり、パスワード教えよう。そんな怪しい画像のパスワードに自分の名前って嫌よね・・と、とんでもない事を言う。


 それは絶対止めてください!!!


・・・・帰ったら、隣の猫の名前に、パスワードを変えよう・・・・・・



・・・・で、データー捨てる事は考えない・・・と。


 

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