その38
暫く飲んで話をしていたが、その内柳が、フローリングの床の上に円くなって寝ようとしたので、寝室に案内した。
「・・・シングルに美香ちゃんとなんて寝れないし、毛布があったらいいわよ?」
そういう柳に大丈夫だからと伝えて連れて行った寝室を見て、柳は呆れた。
「・・・・なに?これ?ベッドしかないじゃない??」
合宿時に親が持ち込んだベッドと、もともとあった僕のベッドがへやを占拠していた。
「・・・まさか?美香ちゃん連れこんで、ナニ してるの?」
「何もしてません!!これは、美香が中学受験のときに親が美香と僕を合宿させるために持ち込んだの!!僕の意思では有りません。」
疑いの生暖かい視線を僕に向けながら、柳はベッドに視線をおとした。
「・・・・・・美香ちゃん・・真ん中で円くなってる・・・」
言われて見ると、ベッドとベッドの隙間にはまってるんでないかという体勢で円くなって寝てる美香がいた。
僕は、そっとベッドにひざを乗せて、美香に話しかける。
「美香?真ん中で寝たら、体が痛くなるからもう少しそっちに行こう?」
首の下に手を回し抱きかかえようとしたら、美香が僕の首に両手を巻きつけて抱きついてきた。思わずそのまま抱きしめて腰に手を回して、壁のほうに美香の体を寄せた。
そして、お休み・・と。ぐっすり寝ている美香の唇にキスを落とした。
それを見ていた、柳が呆れたような声を出す。
「・・・ほんと、危ないわよね。・・」
僕は、柳のその言葉を無視して、柳に向かってお休みなさいと微笑んだ。
ダイニングに戻ると、槇原さんが酔いつぶれていた。いくらなんでもフローリングで寝てもらうわけにもいかず、和室に移動していただこうと、引っ張ってみた・・・びくともしない。
仕方がないので、起こす事にした。暫くたたいていると、うつろな目を開けて、僕を見た。
そして僕に抱きつく。僕は、美香以外にに抱きつかれたくない!!迷惑です!!!!
「!!!槇原さん!止めてください!!!!」
僕の言葉なんか聞いちゃいない槇原さんは、ぼくをますます強く抱きしめながらいった。
「お前って良い奴だよな!!俺はお前だったら仕方がないと思うんだ。でもお前は違うんだよな!!」
・・・・・・・・相変わらず、訳の分からない人だ・・・・
「何の話でしょうか・・・?」
「諦めなくてもいいだろうか・・・?」
・・・全く、意味がわかりませんって!!・・・
そして、僕の努力もむなしく・・また床の上で寝てしまった・・・
風邪を引いても、自業自得と思う事にしよう・・・
僕は、諦めて、和室で毛布に包まってねた。
・・・・うとうとする意識の中でふと、槇原さんの言葉を思い出す、槇原さんは何が言いたいんだろう・・・・
読んでくださってありがとうございます。
清水澄 拝




