その30
三人で優の動向を見た、先ほどレジを済ませた彼は、レジの横に立っていた。
「優ちゃんん、何してんだろう?」
美香が怪訝な顔をする。
・・柳が、何か言いたそうにしたが・・やめた・・・
その様子を、槇原も怪訝な顔で見つめた。
ふとその時に、若い女性二人連れが、優に話しかけた。
優は無表情で返していた。しかし、二人は諦める様子はない。
「「「あれは、かなり怒ってるわね。」」」
彼女達に向かって、口の端のみで笑みを作り、無表情で返す優を見て三人で口をそろえた。
お互いの台詞に、何でわかるの?・・と、お互いに返す。
少し皆で笑いあったが・・・・さてどうするか・・助けに行くべきか?
一番に動いたのは、柳だった。
優の方へ一直線で向かい、優の腕に自分の腕を絡ませて優にしなだれかかる。
「 優希?私にくれるプレゼントまだ包装できないの?」
美香が、欲しそうにしてたネックレスとくまのぬいぐるみを持って、包装を頼んだ。
「出来れば、くまと、そのネックレスが見えるように包んでいただけますか?」
店員が、熊にネックレスをかけて、このままセロファンのような、ビニールでお包みいたしますと言ったので、それで頼んだ。
レジの横で包装を待ってると、声をかけられた。
「お一人ですか?」
・・・・なんで僕が、一人でファンシーショップで買い物をしないといけないんだ?
少しむっとしながら、連れがいます・・・と慇懃に返す。
でもまったく動じずにその二人連れは、一方的に話を続けた。
「お茶ご一緒したいんですが?」
「いま、食事したところなので・・・」
・・逆ナンか!!めんどくさい!!早く包装できないかな・・と思いつつ無視してみた。
だがまったく動じず、まだ話しかけてくる。
・・・・いらいらしてきた・・・
その時、後ろから僕の腕を取る奴がいた。
「 優希?私にくれるプレゼントまだ包装できないの?」
僕が驚いて顔を見ると、柳だった。
驚いている僕に目配せをする、僕は彼女の意図に気づいて、彼女の肩を抱き寄せて顔を近づけて、耳元でささやく。
「 もうすぐだと思うから、もうちょっと待って・・?」
横目で先ほどの人たちを見ると、あっけに取られている。
その時、店員から声がかかった。
「包装お待ちの方。」
僕が手を上げると、店員は近づいてきた。が、柳を見てうなずいて、わざわざ紙袋の中に入ってる、熊を取り出し、綺麗に見えるようにラッピングされたそれを柳に手渡す。
柳は引きつった笑みでそれを受け取った。そして僕のほうを向く。
いつの間にか、女性はいなくなっていた。
「・・・私の趣味じゃないわ!!」
僕は憮然と返した。
「当たり前だろう、それは、美香のだ。」
柳はまだ僕を睨みながら続けた。
「どの顔で、こんな少女趣味のラッピング頼めるの?」
柳の悪態に、僕は平然と柳の肩をつかみ、顔を彼女に近づけていってやった。
「この顔です!!!」
それが、ショップの向こうで待っている二人にどんな風に見えているのかも、考えずに・・・。
ト・らぶ・ル になった。
清水澄 拝




