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昨日見た夢  作者: 清水澄
22/185

その22

しつこいようですが・・・・


 美香は12歳

 優は24歳です


この年齢差ってこういう時、やさしい年の離れたお兄さんに慰めてもらってる妹になるんでしょうか・・・ねぇ・?

 カラオケボックスで、僕が手続きをしている間も、美香は泣きだすのを我慢しているようだった。

美香の様子と、僕を見比べて怪訝そうな顔をする店員の案内で僕らは入り口に近い部屋に入った。


 室内に入ったとたん美香は泣き出した。


 僕は、美香をひざの間にいれて、家でいつもしている様に、抱きしめて背中をなでていた。

 

「・・・・はいっても宜しいでしょうか?」


 店員が注文を聞きに来た。フリードリンクの説明だと言う。

何で案内したときにしないんだろう?少し不思議に思った。

ついでに、フードの注文はないかと聞かれた。


 そういえば、美香がパスタが食べたいって言ってたよな・・。と思いつつ、美香をひざの間に入れたまま、何か食べるかと美香に聞いた。


 美香は、顔を僕の胸にうずめたまま、首を振った。

 後で頼みますと店員に告げる。


 こちらを見て引きつった笑を返す店員を頭の隅で、不思議に思いつつ美香の背中をなでていた。


 美香がひざの間から出ようとしないので、フリードリンクを取りにいくことも出来ず、また、カラオケに入ったと言っても、美香が泣ける場所が欲しかっただけなので、美香が泣き止むのを待つ事にする。


 今日は泣きやむのに、どのくらいかかるんだろう・・。いつもならこんなときは美香の気が済むまで付き合うために、本を用意しているがここにはそんなものはない。


 手持ち無沙汰なので、ぼうっとガラス戸の隙間から見える人の行き来する気配を見ていた。


 ・・・・・どのくらい時間がたっただろう。店員がドアのガラス戸の隙間からこちらをうかがっている気配がした。


 なんなんだ、この店は・・?少し不愉快に思いながら、美香を伺うと・・・こいつ!!ねている!!

       泣きたいだけ泣いたら、眠くなるって、どんだけお子様なんだよっ!!


 少し呆れて、そして泣き寝入りした美香に、役得とばかりに、どさくさにまぎれて口付けた。


             このぐらいは許されるはずだ・・・。


 僕は、寝てしまった美香をつれて帰る為に、タクシーを手配するべく、美香を椅子の上にそっと下ろし、ドアを開けてカウンターにいる店員に電話番号を聞きに行った。


 それまで、カウンターでなにやら騒がしくしていた店員は僕を見て急に静になった。


 僕は店員に話しかけた。


「すみません、連れが寝てしまったので、タクシーを頼みたいので、番号教えてもらえますか?」


 店員は、怪訝な目をこちらに向けて、暫くお待ちくださいという。

中に入っていった店員を待っていたが、かなり待たされた挙句、店長らしき人がでてきた。


 「お客様、ご用件を別室でお伺いしても宜しいですか?」


    ・・・・・?何でタクシーのナンバー教えるのに別室・・・?


「いえ・・別にここで教えていただければ・・連れを待たしているので・・。」

そう答えると、相手が声を低くしていった。


「・・騒ぎにすると困るのは、おきゃくさまじゃあありませんか?どうぞ別室にお越しください。」


   ・・・・・?何で、タクシーの番号聞くのに騒ぎが起こるんだ?


 ものすごく怪訝な顔をしているだろう僕は腕をつかまれて、その店員に事務所に引っ張っていかれた。







 「何で!!僕が青少年保護条例違反なんだよ!!」


テーブルをたたいて店員に詰め寄る。店員もこちらを睨みつけて返してきた。


「相手の子はどう見たって、12、13歳だろう?まだ子供じゃないか? 入ってきたときから様子がおかしいと思ってたのに、カラオケもせず抱き合っていたと思ったら、寝たからタクシー呼ぶってか? いったい何を飲ませたんだ?」


「飲ませてないって!!泣きつかれて勝手に寝たんだって!!」


「そんな嘘みたいな言い訳通用するか!!様子がおかしいからずっとカメラで見ていたんだ!!お前寝てるあの子に何してた!!」


カメラって・・・しまった・・キスした。口ごもりながら、でもここで引けないと反論した。


「妹みたいなもんなんだって!!彼女に聞けばわかる」


「後で何されるかわからないのに、あの子が正直に言うもんか。」

  大体そういうもんだ。・・と彼は言い。後は警察で話せ・・と僕に告げる。

 

 確かにキスはした。反論は出来ない。


「抱き合ってない、泣いてたから慰めてただけだ!!」


「・・・・おまえなぁ・・、あんな小さな子、ひざの間に入れて、ずっと、体中撫で回してただろう・・?挙句寝たら、キスして・・この後タクシーでどこ連れて行くつもりだ?」


「家に帰るんだよ!!」


憮然と言った僕に相手は心底呆れた顔をした。


「・・・・それで??家に連れ込んで、何するつもりだ?あんな見るからに未成年じゃ、ホテルには行けないよな・・?」


       

    ・・・・!!何でそうなるんだ!!



 どうしよう、どうしたら良いんだろう・・。沸々と目の前にいるあほうに対し怒りが煮えたぎるが、この状況では確かに僕の言い分は、言い訳にしか聞こえない。


 僕は、途方にくれかけていた、その時後ろから声が聞こえた。


「・・・中野君、何してるの?」


振り向くとそこには、同級生の顔があった。



 店長から、事情を聞いた彼女は中野君ってロリコンだっけ?と僕に聞く。


「あれはいとこ。隣に住んでる。前に見せただろう?携帯の待ちうけ。」


彼女はしばらく考えていたが、ああ~~とつづけた。


「クールビューティの氷を溶かす、お姫様ね?そのこと一緒にいるの?やっぱりロリコンじゃない・・?」


・・・・うるさい!!助けが来た気がしない・・・。


でも、彼女は店員に笑いながらこの人の身元は保証できるから警察は呼ばないでといってくれた。


「・・・柳さんは、ここの何・・?」


少し不思議に思って聞いてみた。


「ああ、私の父がここの経営をしてるのよ。今日は、手伝いに来たの。」


「・・・店員教育悪いんじゃない?」


僕が、憮然としながら言うと、いいのよ?警察呼んでも・・?と笑いながら言う。

警察呼んで事実関係わかったら、困るのはそっちじゃないの・・・と僕がいうと、


「そうかしら?私たちはカメラの画像も、証拠品として提出するわよ?見られて色々困るのは、そちらでしょう?勤務先にも確認が行くかもしれないし?」

どう見たって、美香ちゃんは幼いわよね・・?

と、微笑みながら返された。


・・・・・彼女に似た人を僕は知っている。うちの母親だ・・・。絶対勝てない・・


溜息をついて、帰るしタクシーの電話番号を・・と言いかけると店員に連れられて美香が来た。


「・・・・優ちゃん、美香おなかすいた。」


・・・そうか・・・おなかがすいたか・・・どうせならもっと早く起きて欲しかった・・。


 脱力する僕を見て、柳は笑いながら。


「お詫びに今日の御代はおごるから、歌って帰って。うちの店はフードメニューも充実してるわよ。」


と美香に話しかけてた。


「優ちゃん、美香せっかくだし歌いたい!!」


わかった・・と溜息混じりに答えて。お邪魔しました・・と、いやみたっぷりの笑顔を僕の腕をつかんでここにつれてきた店員に投げかけて、僕は、自分が引き金になったであろうこの騒動と事の顛末をまったく知らずに無邪気に笑うお姫様とカラオケルームに向かった。




家に帰って、父と飲みながら今日の騒動の顛末を話した。もちろん、義弘の所業を父に話、虫除けになってもらおうと思うもくろみもあった。


父は時々怒りながら(もちろん義弘に対して)僕の美香に何をする!!と叫んでいた!!


      

    僕のってなんだ?・・と僕は内心で突っ込みを入れる。



 僕の話を聞き終わり、父は不思議そうに聞いてきた。


「・・・ところで、優・・?何で僕らに電話しなかったんだ・・・?」


父の言葉に僕は唖然とした。そうだ!その手があったんだ!!

 父を唖然と見つめる僕に母の言葉が覆いかぶさる。


「・・・やましいことがあるから、思いつかなかったのよね、きっと・・・。」


母の言葉に、父はきょとんとした顔をして、やましい事って何?みっちゃん?・・と言う。

母は、意味深な笑顔を振りまいて、さ~~ね・・と笑った。


 ・・・・・たとえあのときに電話をしても、叔父と母はきっと警察に僕を引き渡してたに違いない!!


 僕は、母の笑顔に、確信に近いその思いを感じた。



 お読み戴き本当にありがとうございます。

 また、お気に入り登録及び御評価・・本当にありがとうございます。

 とても嬉しいです。


補足です。


青少年保護条例=青少年保護育成条例・・・18歳以下の子に大人は手を出しちゃいけないと・・。

 簡単に言いすぎ?


正確には、13歳未満の子に手を出すとアウト。強姦罪が有無を言わず成立。

 13歳以上であれば、婚姻・婚約をしていれば(真剣なお付き合いである事が証明できれば)セーフだそうです。


 それ以外にも、ネット、書籍、大人のおもちゃ、ふさわしくない施設への入店、カラオケ店への深夜の入店なども、取り締まられます。


 清水澄 拝


  

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