その2
5/26 改稿
美香が家の中に入るのを確認してまたベッドに横になった。
気まずさをごまかすためにからかいすぎたかなと少し反省してみたが・・・反省してる気持ちとは裏腹な、欲望からでた体の中の熱はごまかせるはずもなく・・僕のこの欲望はいつになったら解消されるんだろうと、溜息が出た。
体が熱くなったせいですっかりと目が覚め、空腹を感じた僕はお腹に入れるものは無いかと1階に下りた。
・・・・父親がいた・・・・・・
僕を、恨めしそうに見つめて、言いにくそうに口を開く。
「・・・・おまえな、美香ちゃんは私のかわいい姪で、まだ高校生なんだから学校に通えなくなる事態にだけはするなよ。」
新聞に目を落としながら何気なさをよそおって言ったその台詞。
でもね?お父さん?新聞さかさまだよ?それで読めるの?器用だね?
「それはどういう意味?」
僕はコーヒーをセットしながら、聞きなおさなくてもわかることを聞いた。
「お前は、27で社会的地位もあり、今すぐ結婚しても問題ないだろう。でも、美香ちゃんは未だ15で高校生だ。いくら約束が出来ているとはいえ、せめて学校は卒業させてあげないとな。」
僕は父親の様子を見ながら、続けた。
「・・・・・・・だから具体的には、何がいいたいの?」
口ごもって、僕のほうを恨めしそうに見た。そして諦めたようにまた新聞に目を落とす。
・・だからそれさかさまだって・・・
「・・・・・・・・避妊はしろよ。」
最後には、小さい声でつぶやくように言った。
そばに近づき、父が手に持ってるさかさまの新聞を直しながら答えた。
「おれは、医師、その手の知識は申し訳ないけれど父さんよりあると思うよ?それに・・・」
「・・・それに?」
いいにくそうにしている、僕の顔を新聞から目を離し父が見たのがわかった、僕は思わず目をそらして呟いた。
「子供が出来る事実にいたってないし・・・。」
「「未だしてないの?何やってるの!!?」」
後ろからかけられた声に思わず振り向いた。!!叔母(美香の母親)と、わが母親が見えた。
僕がこの世で一番苦手とする人たちがいきなり現れた、しかもこのタイミング・・・最悪・・・。
「・・・ホテル代あげようか?」
叔母が、ありがたい申し出をしてくれる。逃げたい・・・。
「・・・・・持ってるから良いです。それにそんな問題でないですから。」
申し出を謹んでお断りすると叔母が畳み掛けるように言った。
「ホントわが娘ながらびびりよね~~いい加減思い切れば良いのに、ごめんね、つらいでしょう我慢させるわね。」
・・・それは、18歳未満の娘を持つハハオヤの台詞としてどうなんでしょうか?・・
僕が、いれたコーヒーとトーストを持って、自室に逃げようとしたその背中に叔母たちの応援とも面白がってるとも取れる台詞が追いかける。
「「もうちょっとだったのにね惜しかったわね、ファイト!!明日は決めてね!!!」」
明日の事もばれてる・・当たり前と言えば、当たり前だが・・・・。
僕は自室でトーストをかじりながら、へやで事に及ぼうとするのは二度と止めよう・・と、心に誓った。
翌日、朝食をとっていると、新聞を取ってきた父親が僕に言った。
「お前美香ちゃんに、何時って約束したんだ?」
時計を見る、昨日早く寝たので思ったより早くに目が覚めた。まだ、7時だ。
「9時に迎えに行くって言ってるけれど?」
僕の答えに不思議そうに父が言った。
「さっき、美香ちゃんが可愛いかっこうして、こっちを覗いていたんだ。僕の顔を見て、逃げて行った。」
来れば良いのにな?と新聞を広げながら父は言う。
何時から起きてるんだろう?あいつは?
「呼びに行って、一緒に食事するか?」
父の台詞に僕は言った「いや、もう出かけるからいいよ。ありがとう・・お母さんごめん、食事もういらない」と声をかけ、僕は上着を抱えて家を飛び出した。
美香の家の門柱の影に隠れてそっと中を覗いた。中から美香が、ゆっくりと顔をだし我が家のほうを覗きこんでいた。
白地にオレンジの花柄の可愛いワンピース。音を立てずにこっそり近ずき後ろから抱きしめる。
「・・・・・!!」
「おはよう?」
声も立てられず驚く美香の頭のてっぺんにそっと口ずけを落とす。
「何で分かったの?」
上目ずかいにこちらを見る美香に笑いながら答える。
「美香のことなら何でも分かるよ。一番好きな人の名前もわかるよ?」
美香が抱きついてきて、それは誰?ときいてきた。
「中野 優希」
答えると、うん、そうだよ。と僕の背に手を回しながら僕の胸に顔をうずめて頬を摺り寄せる。
こうやって僕を煽るくせに、キス以上のことをしようとすると、怒るのだからたちが悪い。
「我慢できなくなるからやめて・・」
というと、きょとんとした顔をした。可愛い。でもホント男の欲望を早くわかってください。
「朝ごはん食べたの?」という問いかけに、未だと答えたので。モーニングどこかで食べながら、見る映画を決めようかという提案にまた抱きついてきて大好きといっているのが聞こえた。本当に僕はどこまで我慢できるのだろうか?
電車で中心地に出る、朝ごはんを食べながら、映画のチェックをした。じゃんけんで僕が勝ち、美香は嫌がったが恋愛ものの邦画を見ることになった。
「この時間だったら、時間があるね、どこかぶらぶらしようか?何か欲しいものがあったら買ってあげるよ?」
美香にそう伝えたが、優ちゃんがそばにいてくれたらそれでいい・・・と可愛いことを言う。プロポーズしたときに買ってあげた指輪が小さくなってはいらないからとチェーンで首にぶら下げているのが目に留まる。
「指輪、買いに行こうか?」
ええ~~いいよ・・・でも欲しいかな?・・・悩んでる姿もまた可愛い。
「美香はあのころ成長期だったから、はいらなくなったんだよね。ほんと、今こうして横に並んでいるけれど、親に認められてなかったら僕は犯罪者だね。」
笑いながら言ったら、きょとんとした顔をして、何で?という。
美香の耳に顔を近づけて小さな声でささやいた。
「青少年淫行罪って知ってる?16歳未満に手を出すと、青少年保護条例に引っかかるんだ、美香はぎりぎりアウトなんだよ?美香に訴えられたら僕は刑務所に行かないといけない。」
僕の台詞にじゃあ、エッチな事しななければ良いじゃない?と美香が言う。
・・だから男の欲望を理解しろって!!・・・
指輪を買うために、宝飾店に向かう。ペアリングを見た後、僕は、婚約指輪を物色した。
美香の誕生石のダイヤがサファイアを囲んで、一列に並んでいる指輪が目に止まる。今日のみかの服装にもよく似合う。ペアリングで満足している美香を引き寄せて、その指輪を指した。
「可愛い!!」
美香が思わず身を乗り出した、店員にあわせられますかと聞かれてお願いした。
僕は出された指輪を美香の左手にはめた。
「わ~~かわいい!!」
・喜んでいた美香が何かを見つけて、急にはずそうとしている。どうしたんだろう?
「気に入らない?」
僕の問いに、服のすそをつかんで小さな声でささやいた。
「・・・・値段・・・。」
思わず値札を見る。・・・・・・う~~ん、何遠慮してるんだと溜息が漏れた。
「・・・僕のお給料知ってる?未来の奥さん?」
美香はでも高いよびっくりする値段だよ?・・・と僕にこっそり耳打ちをした。
「これ婚約指輪のつもりだから・・・・まだまだ、1か月分にも足りないよ?」
僕の言葉に目を丸くしてこちらを見る美香がいた。
でもまだ小さな声で、でもこんなに高いの怖くてはめられない、と僕に呟いた。
店員が僕らの会話を聞いてか聞いてないのか、実はおそろいでネックレスとピアスがあると教えてくれた。
いい機会なので見せてもらった。
同じ石が並んだシンプルなもので、美香によく似合った。
「全部で、おいくらになりますか?」
店員の伝えてくれた値段にうなずく、予算内だ。
「いただけますか?刻印はいれられますか?」
もちろん大丈夫です。と言う店員との会話に、美香がぶんぶん首を振っているのが見えた。
いい加減諦めれば良いのに・・僕は、美香を振り返り宣言した。
「婚約指輪の代わりです。三つあわせた値段の指輪を一つ買うのと、この3点を受け取るのとどっちがいいの?」
「・・・・・・こっち・・・。」
諦めた美香を片手で抱きしめて、店員にペアリングは今はめるのでで刻印は後日、石のついたほうは刻印後連絡して欲しいと伝えて支払いを済ませた。
横で聞いていた美香は、僕の袖をひっぱって小さな声で・・ありがとうとささやいてくれた。
僕は”どういたしまして”と抱きしめる手に力を入れた。
「お礼は言葉だけ??」
にっこり笑っていった僕の台詞に、どうしたら良いのとまじめな顔をして聞いてくる。
「たとえば、キスしてくれるとか、抱きついてくれるとか?」
と僕もまじめな顔をして返してみたら、真っ赤な顔をして背伸びして僕の耳元で、あとで誰もいないところで・・・。とささやかれた。・・・
美香お前本当に僕を煽るのがうまいよ・・・本当に僕は我慢できるんだろうか?




